悲報 オバロ現地民転生とかいう罰ゲームwww 作:はんぺん大納言
独自設定・捏造設定・キャラ崩壊(?)がありますのでご留意ください
Case.3 聖王国の場合
聖王国。
国土とアベリオン丘陵を隔てる長大な要塞線にて、日も明けぬうちから人目を忍ぶように要塞線を飛び越える影が一つ。
如何なる手段か不可視化していたそれは、外からの侵入者ではなく内からの遠征者であった。
無事着地した影は周囲を見渡し、人目が無い事を確認して不可視化を解除する。
現れたのは統一感のない装備を纏った青年であり、背には身の丈程の箱を背負っていた。
手持ちのマジックアイテムにより<
音の方へ目をやると、そこには一人の男が居た。
筋骨隆々、巌の如き顔の男が青年に声を掛ける。
「やっと出るのか。んじゃ行こうぜ坊主!」
「オルランド院」
「なんか今発音おかしくなかったか?ま、いいや。で、今日はどこに殴りこむんだ?」
定期的に行われる青年の丘陵行脚は、ここ最近のオルランドの楽しみの一つとなっていた。
オルランドの問いかけに青年は短く答えた。
「
「お前さん相変わらず無口だな! てことは東か。
「変種が居るとナスレネから聞いた」
「情報の出所は氷炎雷か……。居なかったらどうする?」
「
「はっはっは!! まだ毟るのかよ! そろそろ素寒貧になっちまうんじゃねえかアイツら? あとあれだ、やりすぎると丘陵内の戦力バランスが崩れる……だったか? になったりするんじぇねぇの?」
「その時は他の亜人からも貰うから無問題」
何を考えているかあまり分からないが、その強さは本物な青年を横目で見つつオルランドは思う。
たまたま見かけて喧嘩を売った過去の自分を心底褒めたいと。
死にそうな目に遭う事もあったが、なんだかんだ勝手について行ってるだけの自分を青年が見捨てなかったお陰で着実に強くなれている。
模擬戦の相手もしてくれるし、正直感謝してもし足りない。
今回の遠征から帰った後は九色にでも喧嘩を吹っ掛けに行くかな、とオルランドは予定を立てつつ、青年と共にアベリオン丘陵
◆
Case.4 アゼルリシア山脈麓にて
アゼルリシア山脈の麓、小川の近くにある大岩の前でゼンベルは悩んでいた。
取り敢えずの目的地として昔聞いた事のあったドワーフの国を目指す事を決めたまでは良かったのだが、肝心の国の場所が分からない。
アゼルリシア山脈にある事は分かるのだが、麓から見上げた山肌にそれらしい集落の姿は見つけられなかった。
まさか穴でも掘って暮らしているのだろうか?飛び出す前に祭司連中の話を聞いとくべきだったか?そう思案している最中背後から突然声をかけられ、咄嗟に立ち上がり振り向くとそこには一人の人間の男が立っていた。
「そこなリザードマンの御仁、この様な場所で座り込みどうなされた。良ければ拙僧が相談に乗りますぞ」
「なんだテメェ……いつからそこにいやがった?」
警戒しながら拳を構える。かつて──といってもまだ数日程度しか経っていないが──鋭剣の族長にアッサリ負けてしまったとは言え、ゼンベルはただのリザードマンよりは強い自信がある。その自分が声をかけられるまで気配一つ掴めなかった相手。警戒するのはごく自然の事であった。
ゼンベルがジリジリとした空気を感じる中、目の前の男が口を開く。
「まぁ落ち着きなされ。拙僧はただの旅の僧侶。敵ではございませぬ。これこの通り、得物はおろか寸鉄一つ帯びておりませぬぞ?」
両の掌をゼンベルに向け男は無手を主張するが、まだ油断は出来ない。
ゼンベルは警戒したまま男との会話を続けた。
「はっ、どうだか。お前さんからは強ええ奴の気配をビシビシ感じるぜ。俺もモンクを齧ってるから分かるが、そっちもモンクだろ? それも俺より鍛錬を積んだモンクだ」
「ほぉ……。なるほどお見事。中々の眼をお持ちのようで拙僧嬉しく思いますぞ」
「急に褒めるなよ、調子狂うぜ……ッ」
警戒を続けるゼンベルに対し、一向に敵意を見せない男にゼンベルは毒気を抜かれ構えを解く。気を抜いた瞬間、癒きっていない傷が疼き始めた。
冷気の込められた刃で付けられたそれは、ただの爪や牙、剣での傷痕よりも心なしか治りが遅い様に感じていた。
「失礼、お体に触りますよ」
「あん?……こりゃ、すげぇ」
出来たばかりの古傷に顔を顰めていたゼンベルに対し、男が突然触れてきた。僅かに付いていた手汗の濡れた感触と共に何かが流れ込んできたと思えば、傷痕の疼きが治まっていたのだ。恐らく熟達したモンクとしてのスキルだろう。
感心した様子で男を見れば、男もまた何処か満足そうにしていた。
これまでのやり取りから、ゼンベルは男に対してある事を決心する。
「俺はゼンベル。見ての通りリザードマンで、今は群れから離れて武者修行中だ」
「拙僧はドミニク・アンセルモと申します。先も言った通り旅の僧侶をしておりまする」
お互いに自己紹介を済ませ、ゼンベルは早速本題を切り出した。
「アンタの腕を見込んで頼みがある。俺を鍛えて欲しい!」
「……はて? ここはちょっとした出会いの後別れ、お互いの道へ戻る所では?ああいや失敬、独り言が。それはさて置き何故拙僧に? 武者修行と言うとこの先のドワーフの国へ向かわれるものかと思っておりましたが」
「最初はそう考えてたんだが、俺ぁそのドワーフの国の詳しい場所を知らねぇんだよ。で、目の前に俺より強いモンクとしての先達が居るんだ。何処にあるかもわかんねえ国を探して山ン中を彷徨うより、目の前にいる奴に教わった方が早いだろ? まぁそういうこった!」
豪快に笑いながら頼み事をするゼンベルに対し、ドミニクは一瞬複雑な表情を浮かべ折衷案を提案した。
「拙僧も旅路の途中ゆえあまり鍛錬には付き合えませぬが、代わりにドワーフの王国への道案内とその道中での軽い指南を請け負いましょうぞ。ここから向かうとすると南の都市、フェオ・ジュラが近いですが、すぐ向かいますかな?」
「お、おう。そりゃ俺は助かるけどよ……。行くとこあるなら場所だけ教えてくれりゃ俺一人でドワーフの所に行くぜ?」
矢継ぎ早に出てきた言葉に意表をつかれたゼンベルは感謝しつつ訝しんだ。
自分から頼んでおいてなんだが、少々物分かりが良すぎる気がするのだ。
「なぁに、遠慮なされるな。拙僧ある程度地理は知っておりますが、実際にアゼルリシア山脈に登るのは初めてでしてな。物見遊山、或いは拙僧の鍛錬のついでですので気になさらずとも結構ですぞ」
どこかワクワクした様子で山脈を見つめるドミニクに変わった奴も居るもんだと一言だけ零し、それで切り上げる事にした。
なんにせよ、ゼンベルにとって有難いことに変わりはなかったからだ。
「ゼンベル殿、まずは山登りの前に腹拵えといきましょうぞ!」
「おう!丁度腹も空いてたんだ。そこの川で魚でも獲るとしようや」
「ご安心めされよ。こんな事もあろうかと用意していた物がございまする。これこのように!」
懐から取り出した掌程の大きさの巾着袋を開き、取り出した物を見た瞬間ゼンベルの口腔に涎が溜まり始めた。
出来立てかのような湯気を放つそれは、見事な蟹の素揚げだった。
「拙僧、これで多少の料理もできましてな。こちら、聖王国産の蟹の素揚げですぞ。どうぞご賞味あれ」
「どれどれ……。おお! うめぇなこれ!」
受け取るや否やザクザクと噛み砕いたそれは見た目よりも硬くなく、程よい塩味と僅かに抜けていく香辛料の風味も合わさりいくらでも食べられそうだった。蟹を食べる中、ゼンベルは部族の持つ四至宝が生み出す酒が恋しくなった。ともかく酒が欲しくなる味付けなのだ。
ゼンベルは旅に出て初めて、ホームシックを感じていた。
人間とリザードマン、異なる種族2人で同じ飯を食い、蟠りなく会話を弾ませる──知識量の差からゼンベルが聞き、ドミニクが答えるのが大半だったが──光景は、ある視点から見れば認めがたくとも、また別の視点から見れば理想的な光景でもあった。
◆
Case.5 トブの大森林にて
ソレが生まれて初めて知覚した光景は、多くの兄弟と共に七つの生き物に向かって飛んでいくものだった。
斬られ、燃やされ、砕かれ、枯らされていく兄弟達を眺めながら己もそうなるのだろうとソレはぼんやりと考えていた。
なんせ行き先の主導権も体の自由も碌に効かないのだ。
これはもう諦める他ないだろう。
そんな事を考えているとどうやら自分の番が来たようで、七つの中で一番大きいやつが手に持つ物を構えていた。
「ええい、キリが無い!お前ら下がれ、一気に吹き飛ばすぞ!風よ、吹き荒れろォ!!」
砕かれるか斬られるか……枯れ死ぬよりはマシだろう。
しかし予想に反し、ソレは周囲の兄弟達と共に暴風によって吹き飛ばされていた。風でもみくちゃにされ兄弟同士でぶつかり潰れたり、風圧に耐え切れず粉々になるものがいる中、ソレといくつかの兄弟達は運良く降りられそうだった。しかも恐ろしい7つの生き物から離れられるおまけ付き。
望外といっても過言ではない。
そのままソレは走って逃げている茶色い生き物の上から落下し、その体に着地した。
動く生き物から落ちないよう必死に手足を伸ばし、食い込むほどしがみつく。
生存の目が見えてきた今、他の兄弟達を気にする余裕などソレには無かった。
走って走って走らせて、動けなくなるほど疲れ果てた生き物に穴を掘らせてから手足を放し、ソレは穴の中に転がり落ちた。
茶色い生き物を綺麗に片付け、じっと地面の中でソレは身を潜める。
見つからないように見つからないように。
太陽も見えない為かどれほど時間が経ったかは分からないが、何やら繋がりが途絶えた気がする。
今まであった繋がりから送られていた膨大な栄養が送られなくなり、ソレは狼狽えた。これでは生まれる事すらできない!
短い手足──奇しくもそれは
せめてもの足掻きとして小さく、そして僅かな種子を蒔き、ソレは手足を引っ込める。
後はもう残った栄養を使いただ無為に生きることに費やす生を送る他なかった。
どれほどの時が経っただろうか。七つの生き物と出会い逃げ延びたあの日以来、数えきれない時間が過ぎた。
もはやなけなしの栄養も尽きかけており、己はこのまま死ぬのだろう。
結局早いか遅いかで死ぬ運命に変わりはなかったのだ。
ソレは逃げ延びてしまった己を呪った。
己を死に追いやった7つの生き物たちを呪った。
己を生んだ親を呪った。
「エンカイシかこれ? まぁエンカイシだろ。採取ヨシ! ついでに成長促進剤ドバーっと」
世界を、運命を、全てを呪う中────大地を伝い命が染み渡った。
その瞬間、全てを呪う思考を天上の甘露が上回ったのだ。
補充された栄養を使い、ソレは土をかき分け天に手を伸ばす。
ほんの先端が出た時、ソレは初めて生まれることが出来たのだと感じた。
「その他素材も補充補充。やっぱトブの大森林は宝の山だわ。これとこれとこれ混ぜて栄養剤作ってっと。よし、調薬完了!」
地上に出た瞬間からずっとその作業を見ていたソレは考える。
あのタンカスにも劣りこの世全てを下回る最底辺下劣畜生なんぞ断じて親ではない。
この方こそ私の真の親だ。
その場合父か母かどちらだろうか……。
愚問である。父であり母である完璧で究極のペアレントだ。
急速な潤いと共に発達しはじめた自意識は知恵熱の如き暴走をソレに齎していた。
「オフ会用の素材も取ったし帰るかねぇ。くくく……量産型モルモット君による人力イルミネーション設置計画はもはや止められないと知るがいいオフ会運営達よ」
どこから受信したのか思いつく限りの言葉で賛美していたソレは離れていく最愛の親の姿にフリーズする。
手を伸ばそうにも栄養が足りず、歩きだそうにも未成熟ゆえ足などない。
藻掻いているうちにその姿は木々の間に消え、ソレは音も無く慟哭した。
だがソレは諦めていなかった。なぜなら偉大なるパパ兼ママは素晴らしい物を教えてくれたからだ。成長に必要な栄養剤の作り方、素材の場所!親の愛は無限大とはよく言ったものでソレは多幸感に包まれながら調薬に取りかかり始めた。
自分が生きているなら恐らく他の兄弟もまだ生きているだろう。
手はどれだけあってもいい。薬剤を量産して他の兄弟を叩き起こし、我が母の素晴らしさを啓蒙した後兄弟達を率いてグレートマザーの下に向かい千年王国を築くのだ!
ソレは輝かしき未来を夢想し、希望の未来へと歩みだした。
おまけ
エンジョイ勢似非僧侶「あれは拙僧が人類文明圏ダーツの旅をしていた頃……」
エンジョイ勢似非僧侶「あ、推しが居る……尊い。やっぱりリザードマンは最高だぜ!」
エンジョイ勢似非僧侶「ンンンン!拙僧の手料理を推しが美味そうに食べている!これ程の幸せが他にこの世にありましょうか!」
エンジョイ勢似非僧侶「推しと旅の1つもできない奴おりゅ?っと」
おまけ2
愉快な遠足で十傑をしばき倒すRTAはーじまーるよー。
目的地まで時間が掛かるので、移動中退屈なみーなーさーまーの為にこちらを用意致しました。クッキー☆……ではなく今まで手に入れた戦利品達の紹介タイムです。
今私が背負っている箱は空間拡張の魔化が二重に掛かっている特別品でして、この中に富名声力この世の全てが詰まっています。嘘です。
早速ですがエントリーナンバー1番、螺旋槍から貰った(貰ったとは言っていない)螺旋槍~(CVのぶ〇)。まんまですね。
武器名が二つ名になるなんて誇らしく無いの?そしてこの槍の効果ですが──
おまけ3
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異常個体。元の世界だと絶対に生まれない。
カルマ値が元の種族と正反対で例外的に共存の可能性あり。
バブみに目覚めた。