悲報 オバロ現地民転生とかいう罰ゲームwww   作:はんぺん大納言

5 / 27
前話を書いてて竜王国が不憫だったので書いてみました。
掲示板形式以外で初めて書いた拙いものですのでご了承ください
また原作での竜王国の情報が少ないので戦力についてなど捏造しています

4話「冒険者総合板」よりも時系列的に先の話となります。
次話から本作の元の時系列に戻る予定です



幕間 ある竜王国兵士の話

 竜王国。

 事情を知らず、国名だけを聞いたのならばどのような国を思い浮かべるだろうか。

 竜の治める国?竜にまつわる伝承・伝説を起源とする国?或いは竜のごとき強い国?

 それらは正しくも間違った認識だ。

 竜の治める国――――女王は確かに竜王の血を引いてるためその表現はあっている。

 竜にまつわる伝承伝説――――この国はかの七彩の竜王(ブライトネス・ドラゴンロード)が人と子をなし作った国だ。まさしく伝説のそれと言える。

 しかしただ一つ決定的に間違っているのは、竜のごとき強き国という想像

実際はその逆。竜王国は弱い。異種族どころか人類国家と比較してもなお弱い。

 突出した個人――あくまで国家に所属する者で冒険者は含まない――や部隊もおらず、

 軍の規模もけして大きいとは言えない。いやさ現状抱えている戦線に対しては少ないとはっきり言える。

 では竜王国はどこと戦っているのか?それは人類国家ではなく異種族――ビーストマンと呼ばれる存在。

 ビーストマンはおよそ人間の十倍の強さを持つ亜人種であり人間を好んで食べる恐ろしい種族だ。

 成人のビーストマンは難度にして三十はあり、戦士階級の者ならそれよりもさらに強い。

 この難度三十とは軍人で例えるなら精鋭騎士、冒険者なら金級相当となる。

 それらが群れを成して襲ってくるのだ。十や二十ではなく百すら超えて千近くがだ。

 部族ごとの小集団にまとまっているため一つの軍として行動しているわけではないが、十数体単位でも非常に危険である(そもそも一つの軍として行動していたなら竜王国はとっくに滅んでいただろう。)

 

「ははは! 弱い弱い! 人間は本当に弱いな! 剣を抜くまでもない! どうした? 死に物狂いで抵抗して見せろ!」

 

 虎やライオンを2足歩行させたような外見、鋭い爪牙と屈強な肉体を持つ上に武具まで装備する。

 ただの人間では太刀打ちできない化け物。それがビーストマン

 

「クソっ……クソビーストマン共がぁあ!! 味方は!? 味方はどこ……に……」

 

 味方へ助けを求めるべく声を上げ、視線を周囲へやったが、帰ってくるのは獣の息遣いと獲物をいたぶる猛獣の視線だけ。もうこの場で立っているのは自分一人だけだった。

 

「あ……う、嘘だ。ジェイムス? アーノルド!? 誰か、誰か返事をしてくれ!?」

 

 それでも声は上がらない。ビーストマンの不快な笑い声だけが戦場に木霊する。

 

「おいおい、何遊んでるんだよ? よえーやつを甚振っても楽しくないだろ? 一思いにやってやんのが慈悲ってもんだぜ?」

 

 虎頭のビーストマンが目の前の鎧を纏ったビーストマンに向かって声をかける。

 しかしその言葉とは裏腹にその顔は嗤っていた。発した言葉も本心からのそれではないことは明白だった。

 

「久しぶりにマシな奴だったからな。運動がてら遊んでたんだよ。なにせ他の人間ときたら一、二発殴っただけで死んじまう。つまらんことこの上ない」

 

 最後に吐き捨てた言葉だけは本心からのそれに聞こえた。

 そうだ。ああ、そうだとも。

 

「……そうだ。人間は弱い。なぁ、なんでだ? なんでわざわざ俺たちの国を襲う?

確か、大陸中央の方はどこが一番になるか亜人同士で争ってるんだろ? なんでそっちに行かないんだよ!?」

 

 戦場に声が響き渡る。こいつらが来なければ俺たちは平和に暮らせていたのに!

 一拍置き、そこらじゅうから笑い声が響き渡る。大型の肉食獣のごとき重低音が重なり合い、まるで山崩れのような音に聞こえる。

 

「おいおい……まさかお前達、俺らと戦争してるつもりだったのか?」

 

「そうだ! そうに決まって「違うな」るだ……え?」

 

 何を言っている?

 

「これは狩りだ。戦争とは強者とするものだ。乳のみ子にすら劣る人間と成立するはずないだろう?」

 

 ふざけるな。

 

「ふざけるなああああ!」

 

 その言葉を聞いた瞬間声が出た。疲れていた体は怒りによって賦活し、その勢いで剣を構えて眼前のビーストマンに突撃する

 

「この、くそったれの外道めが! 死ね! 死んで詫びろ! <剛撃><斬撃>ぃ!!」

 

 自身の出しうる最大の力でもって鎧のビーストマンに斬りかかる。俺は死ぬだろう。

 だがそれでも、目の前のこいつだけは道連れに「<要塞>」して

 

「なんだ、やればできるじゃないか。そうそうそれでいい。やはり人間のやる気を出すにはこれが一番だな」

 

 防がれた?俺の攻撃が?武技まで使った渾身の一撃だぞ!?

 

「ありえない……」

 

 マジックアイテムか?こいつの身にまとう装備は魔法の輝きを宿している。そのどれかの効果か!?

 

「まぁ、人間にしてはいいんじゃないか? 本来武技を使うまでもなく止められたが、手向けという奴だ。他の軟弱な奴よりはマシだったよ。最低限食う価値はある」

 

「あー、確かに他の連中よりゃマシだな。よえー奴の肉なんざ食ってたら筋肉が腐っちまいそうだ」

 

「そうかぁ?家畜と変わらんだろ? 古風な考え方だぞそれ。強い奴の肉のほうが嬉しいのは分かるがな」

 

 連中が何を言っているのか分からない。分かりたくない。食われる?

 

「い、いやだ」

 

「ん?」

 

「いやだ!食べられたくなんてない!た、頼む。見逃してくれ!?こんなに殺してるんだ!

俺一人ぐらい見逃してくれてもいいだろ!?」

 

 そうだ、こいつらは人食いだ。そして食料になる死体は周りに山ほどある。見逃される可能性もある!

 

「断る。つまらんことを言うなよ貴様。先の威勢はどうした? もう折れてしまったのか?

そら、正直に言ってみろ。そうすれば考えんでもない」

 

 逃げれるのか……?だったらなんでもやってやる。絶対に生き延びてやる

 

「そうだ。いえ、そうです。人間ではどうやっても、剣を持っても鎧を着てもあなた達ビーストマン様には勝てません……私たちが愚かでした。」

 

「……這いつくばって俺の足を舐めろ」

 

 逃げられるのなら毛むくじゃらの畜生の足だって舐めてやる。いつか絶対復讐してやるぞ。

 せいぜい首を洗っていろ。

 

「はい! 直ちに!!」

 

 這いつくばり、足元に顔を近づけた瞬間衝撃と共に視界が明滅する。

 何が……?

 

「寄るな気色悪い!! 完全に折れたか。もはやこいつは戦士ではない。腐った死骸にも劣るカスだ!」

 

「自分からやれっていったのによぉ。おうおうかわいそー。目つぶれたんじゃないか?」

 

「ないわー。どっちもないわー。人間に足舐めさせようとする方も簡単に屈服する人間もどっちもどっちだわ」

 

「ええい、茶化すな貴様ら! 俺も本当にやると思っていなかったわ! ……弱いとはいえせっかく人間の戦士に遭えたと思ったんだがな。もう興味も失せた。頭をつぶして終わりにするか」

 

 いやだ、いやだいやだ死にたくない死にたくない。

 

「たすけて……かみさま……」

 

「祈り一つで助かるなら神官はいらんよ。じゃあな人間」

 

 ビーストマンが頭めがけて足を振り下ろそうとし、次の瞬間その足が飛んで行った。

 

「は……?」

 

「遅かったか。生き残りは君一人かな? いや、一人だけでも生きていてくれてよかった」

 

 声がする方に目を向ける。潰れて片側だけになり、涙で滲んだ視界でよく見えないが首元に光る金属のプレートらしき物があるのを発見する。

 

「ぼうけんしゃ?」

 

 冒険者。八つの階級で実力を区分けされた対モンスターの傭兵とも言うべき存在。

 下から四つ目の金級の冒険者は平均的なビーストマンと同等の実力を持つという。

 それ以上の階級ならビーストマンの戦士階級にも比するだろうし、人類の切り札たるアダマンタイト級なら戦線すら押し返せる戦術レベルの存在だ。

 実際この国のアダマンタイト級冒険者チーム<クリスタル・ティア>はそれを成している。

 ビーストマンの足を切り飛ばしたのだ。その階級は確実に金はあるだろう。

 白金か、ミスリルの可能性もある。折れた心に希望の光が差した気がし、救援に来た男のプレートに目を見やる。その首元は鈍い銅の輝きが煌めいていた。

 

「銅級?ふざけるな……希望なんて、持たせるんじゃねーよ馬鹿野郎……」

 

 再度絶望が俺を襲う。銅級。つまり、最下級だ。俺は金級相当の実力があり、武技の一撃だけなら金級の中でも上位に匹敵する自信がある。そんな俺よりも弱い。つまり、このビーストマン達には絶対勝てない。

 さっきビーストマンの足を切り飛ばしたのもまぐれか、武器がマジックアイテムだったのだろう。

 

「ん? これが冒険者プレートに見えたか? まぁ目もよく見えてなさそうだしなぁ」

 

「おい、俺の足を切り飛ばしたのに免じて多少見過ごしてやっていたが、その腑抜けた面を変えるつもりがないならもう殺すぞ」

 

 もはやあきらめの境地でビーストマンに目をやれば、無くなったはずの足が生えていた。

 いや、斬り飛ばされた足が見当たらない気がするのでくっつけたのだろうか。あまりにも化け物すぎる。

 いまさらながらにあのビーストマンが只者ではなかった事を知った。

 少なくともミスリル相当、悪ければオリハルコン、最悪の場合アダマンタイト級すらありえる。

 

「悪いな。待たせちまったみたいで。じゃ、やろうか」

 

 男が武器を構える。片刃のやや反った刀身の、サーベルに似た見たことのない武器だった。

 

「今度は俺にやらせてくれよ。不完全燃焼なんだよ」

 

「黙れ。俺もそこに転がってる屑のせいで最悪の気分だったんだ。口直し位させろ」

 

 ビーストマンが剣を構える。俺と相対した時とはまったく別の存在に見える程の威圧感を放っていた。

 最悪だ。この気迫、確実にアダマンタイト級……!

 

「意外だな。彼を甚振っていた時もそうだったのか?獅子は兎を狩るにも全力というが」

 

「はっ。それと違って貴様は強い。平均的な氏族長クラスはあるやもしれん。ならば全力を出すのが礼儀というものだ」

 

「そういうお前は30レベル中盤……難度110手前ってとこか?」

 

 構えたまま、二人の会話は続く。

 

「その難度というのはなんだ?人間がたまに口にするが」

 

「ああ、強さを数値化したものと思ってくれればいい。例えばあんたの難度を分かりやすく言い換えるなら成体のドラゴンってあたりかな」

 

「いい目をしているじゃないか。そうだ。俺は竜殺しを成した勇士! ”竜食らい”ベイオール・ウルズ・グラディア! 名を名乗れ! 人間!!」

 

「アダマンタイト級冒険者、ベネディクト・バーンシュタイン。いざ尋常に」

 

「「勝負!!」」

 

 そして、戦いの火ぶたが切られ、

 

「<魔法抵抗突破効果範囲拡大化(ペネトレートワイデンマジック)集団全種族捕縛(マス・ホールド・スピーシーズ)>」

「<魔法三重最強化(トリプレットマキシマイズマジック)龍雷(ドラゴン・ライトニング)>!」

「起動!<連鎖する龍雷(チェイン・ドラゴン・ライトニング)>!」

 

「「「「ぐああああああ!!??」」」」

 

 どこからか飛んできた魔法によって周りに居たビーストマンが一掃され、

 

「な!? お前達!?」

 

「隙あり!<能力向上><能力超向上><疾風加速><剛腕剛撃><超斬刃>チェストォォォォ!!」

 

 英雄級のビーストマンも一太刀で両断され息絶えた。

 

「おつー」

「GG」

「ナイス魔法」

「流石ガチャ産当たり武器。ノーコスト第7位階便利~」

「次回はワイも不可知化して不意打ちするんは女々か?」

「名案にごつ」

「悪いな薩摩ニキ、この〈不可知化(アンノウンブル)〉3人用なんだ」

「はよ自前で<不可知化(アンノウンブル)>使えるようになって?やくめでしょ?」

 

 その光景を見て一瞬何が起こったか分からなかった。

 理解が追いつき安堵が押し寄せ、緊張の糸が切れ始める。

 もはや耳もほとんど聞こえず、彼らが何を言っているのかも定かではない。戦死者たちを悼んでいるのか、それとも次の戦いに向けた会話だろうか。

 

「これが人類の切り札、アダマン……タイ……ト」

 

 意識が暗転する中祈りを捧げる。おお、神よ、感謝致します。

 

「はーブラックブラック。おファックでしてよ」

「あれ?あの人死にかけてね?」

「……メディック!メディイイイック!!」

「お客様の中に信仰系魔法詠唱者はおられませんか!?」

「こんな時までネタに走ってんじゃねーよ!お前がそうだろーが馬鹿!」

「うわあああ<大治癒(ヒール)>!<大治癒(ヒール)>!」

「別に<死者復活(レイズ・デッド)>でもよくね?」

「人の心とかないんか???」




基本コテハンか原作キャラ名位しか使わないと思うので今回の話で出てきたキャラの名は覚える必要がないです。

正直話の本筋に関係ないのでもしかしたら消すかもしれません。
その場合どっかのスレで最後の数行がレスとして出る形となります

思ったよりも5話の反響があったのでアンケートです。掲示板形式以外もあったほうがいいでしょうか?

  • あったほうがいい
  • 無くていい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。