悲報 オバロ現地民転生とかいう罰ゲームwww   作:はんぺん大納言

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なんか出来が微妙な気がしてキンクリ錆白兵するか迷いましたが匿名投稿なので開き直って投下します
防衛線かこれ・・・・?



10連ニキ村防衛線

 昼日中の森林部、付近の村からはオレグの森と呼ばれる森の中にある崖の上に十六の人影。

 それぞれの年齢はさほど離れていないように見えるが、全員少年と言うべき年齢であり野獣やモンスターの出る森の中で集まるには少々不自然でもあった。

 遊びというにはその表情は真剣で、一様に崖下の存在を見つめている。

 視線の先に居るのはゴブリンと呼ばれる亜人の群れ。それも百を優に超える大集団だ。

 ゴブリンは人間に劣る体格と知能の亜人であるが、これだけの数が集まれば一般的な村の一つや二つ簡単に潰せてしまう。

 これ程の数が集まっているのなら群れを統率する個体も当然居るだろう。そうなればただ数が多いだけの時よりも格段に脅威度が上昇する。

 では、この危険極まりない集団を見つめる彼らは何者なのか?

 結論から言ってしまえば彼等は冒険者だ。首元の銀や金の輝きを放つプレートからそれぞれが年齢以上に鍛えられた実力者である事が分かるが、それでも多勢に無勢であった。

 ならば彼らはなぜゴブリンの群れを見つめていたのか?

 討伐依頼?――否

 逃げるため――否

 彼らは全員友人の為、延いてはその友人の故郷の村を守る為。

 戦う為にこの場に居た。

 特徴的な前髪をした白髪褐色肌の少年が口を開き、それを皮切りにそれぞれが言葉を発し始める。

 

「あー一面のクソゴブリン」

「見ろ、まるで人がゴミのようだ!」

「人……人?」

「亜人だから人だぞ」

「はー、これだから人っパリはよぉ」

「スレイン法国がピキりながら見てそう」

「お前らネタと語録以外喋れねーの???」

「なんかもう今更だしいいかなって……」

 

 口調は軽いが真剣な目をする彼らの視界はゴブリンだけでなくもう一つの物を写していた。

 

89:名無しの転生者

現地組どう?いけそう?         

90:名無しの転生者

まだ引き返せるぞ

91:鉄華団A

多すぎて笑えて来たわ

92:楯無C

それな

93:ゴリラB

エルフニキ直伝の召喚魔法が火を噴くぜ

94:名無しの転生者

直伝(スレ越し通信教育)

95:名無しの転生者

いまだにどうやって習得したのか理解できないんだけど

96:ゴリラB

なんかこう頭の中に魔法陣が浮かぶじゃん?

それを脳にインストールする感じ

97:名無しの転生者

えぇ・・・・

98:名無しのエルフ

なにそれ知らん・・・・こわ・・・・

99:ゴリラA

やっぱこの仮コテハン変えていい?うちのチームだけ雑過ぎない?   

100:楯無A

森の賢者とかいうチーム名にしたほうが悪い

 

 掲示板と呼ばれる特殊なそれは彼ら以外の視界に映らず、文字のみだがわずかな労力で伝言(メッセージ)以上の正確性・持続性でやりとりできるこの世界の常識では考えられないもの。

 その奇妙な――彼らにとっては慣れ親しんだ――ものを見つつ彼等は会話を続ける。

 

「今からでも仮コテ賢者にしてもいい?その方が視認性あがるしさ」

「うるせーぞゴリラ」

「黙れハムスケのパチモン」

「モリケンにしなかっただけ有難いと思え」

「なんで俺集中砲火されてるの……?」

 

114:名無しの転生者

無事にガチャニキ輸送できたで

115:10連ガチャ

ファイヤーマンズキャリーで運ばれるのは堪えましたが避難完了です

116:名無しの転生者

サンキューメロスニキ

117:名無しの転生者

近いといってもかなり距離あったはずなのにご苦労様やで

118:審査員

よっしゃ準備完了やな

作戦開始だ。頼んだぞ現地組

119:名無しの転生者

やった感だしてるけど結局大した案出せなかった審査員ニキオッスオッス

 

 それを見てパン、と音が響きすぎないように抑えた拍手をして掲示板で楯無Aと名乗っている少年が注目を集める。

 

「暫定リーダーの楯無Aです。10連ガチャニキの避難できたっぽいので作戦開始したいんですけど、皆さん準備いいですか?」

「おk」

「準備万端」

「大丈夫だ。問題ない」

 

 武器を手に、それぞれが思い思いの言葉で了承の意を返す。

 

「では手筈通りに」

 

 短い言葉と共に魔法詠唱者達が事前の取り決め通りの魔法を行使する。

 

「<魔法距離延長持続時間延長化(ロングレンジエクステンドマジック・)第3位階自然の獣召喚(サモン・ビースト・3rd)>」

「<第3位階怪物召喚(サモン・モンスター・3rd)>」

「<魔法持続時間延長化(エクステンドマジック・)第3位階天使召喚(サモン・エンジェル・3rd)

「「「下級筋力増強(レッサー・ストレングス)」」」「「「下級敏捷力増強(レッサー・デクスタリティ)」」」

「「「鎧強化(リーンフォース・アーマー)」」」「「「盾壁(シールド・ウォール)」」」

 

 2体の筋骨隆々のゴリラが、僅かに瘴気を纏った猪が、炎を宿した剣を持つ天使が召喚され、各種支援魔法による強化が施される。

 その後もいくつかの魔法を掛けられた召喚モンスター達は召喚者の指示を受けその場から離れていく。

 

「よし。相互連絡は取り決め通り掲示板で行い緊急時は伝言(メッセージ)で。散開!」

 

 そうして冒険者達は各チームの持ち場へ移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オレグの森浅部、木々の開けた広場のすぐ近くにある洞窟内で1体のゴブリンが笑みを浮かべていた。

 ギギと名乗るゴブリンは自身に下賜されたマジックアイテムの手入れをしつつ、これまでの幸運に感謝し明日の一大事業に思いを馳せる。

 始まりはなんて事のない日だった。日課となっている外縁部でのキノコ探しをしていると不思議な感覚を覚え、導かれるままたどり着いた場所で地面を掘ったのだ。

 キノコでも埋まっているのか?と思いつつ掘り進めれば自身の半分はある大きな木の箱が出てきた。好奇心に任せて開けてみればどんどん出てくる不思議な光を宿した道具の数々。

 きっとお宝に違いないと全て――一度に全部は無理だったので複数に分けて――持ち帰り、魔法の使える親友に相談したところ、なんとすべて魔法が宿った道具だという。

 親友が研究したいから全て渡してほしいと言ってきた時は流石に惜しかったが、友人の事だから何かすごいことに使うのだろうと思い全て渡したのだ。

 はて、何故自分はあのお宝をすべて渡したのだろうか?彼はふと思ったが、すぐ思い出せないなら大事な事じゃないのだろうと考え準備の続きを再開した。

 外の雑兵と違って序列下位とはいえ洞窟住み、明日の襲撃で手柄を立てればもっといい思いができるぞ。

 そう考えていたが、根を詰めすぎたのか眠気を感じ始める。外の同族はどうやら静かにしているらしく何も音が聞こえてこない。洞窟内での生活音は聞こえるので外の連中はもう眠ったのだろうと思い自分も早めに寝ることに決める。

 明日は頑張るぞ!そう意気込んで眠り始めたゴブリンは、心臓と喉に刃を突き立てられ永遠の眠りに就いた。

 溶け込み(カモフラージュ)を掛けられている少年は生き絶えたゴブリンを横目に見つつ、無音のままその場を後にする。

 

166:鉄華団G

洞窟入口付近、排除完了

167:楯無B

了解。そろそろ溶け込み(カモフラージュ)の効果時間が切れるから一旦外へ

168:鉄華団E

北に誘導した集団の殲滅完了。鉄華団B、C、Fと洞窟に向かう     

169:ゴリラC

すまん、東側問題発生。バジリスクに騎乗したゴブリンを発見。

魔法詠唱者の応援が欲しい

170:鉄華団E

見えた。2重化+範囲拡大化した氷球(アイス・ボール)で爆撃するから離れてくれ

171:ゴリラC

助かる

その集団を片付ければこっちも終わり

172:楯無C

南側終了。洞窟組に合流しに向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 洞窟の深部、他の部屋よりも格段に豪華な――あくまで岩肌が剥きだしな他の部屋と比べてだが――部屋でローブを着込んだ一人のゴブリンが思案していた。

 ケチが付き始めたのはいつからだったか。

 最終調整と資材確保を兼ねて遠征に向かった精鋭部隊が、滅多に現れないはずのギガントバジリスクに遭遇し全滅した時か。

 統率を欠いた一部の雑兵共が勝手に食料を食い荒らしたせいで侵攻を前倒しにせざるを得なくなった時か。

 或いはもっと前の時にか。

 戦力が半減以下となった自軍に頭を悩ませつつ、自身を含めた部隊の全滅と引き換えにギガントバジリスクの討伐という偉業を成した友に思いを馳せる。

 

「グレネイン……我が真なる友よ。お前が死ぬのは余りにも早すぎた」

 

 唯一自身が認めた男の姿を思い出す。

 仁智勇を兼ね備え、自身を遥かに凌駕する指揮の才。天稟とすら称すべき、亡き軍事の天才の姿を。

 

「力に屈する雑魚、口先一つで言いくるめられる蒙昧、指示すら真面に熟せぬ愚鈍!お前よりもあいつらが先に死ぬべきだった。ああそうだ、お前だけでも逃げ延びるべきだったのだ」

 

 不甲斐ない雑兵共への怒りと友への嘆きが口から零れ出る。

 

「友よ、あの世で見ていてくれ。俺の覇道を。俺が王国を築き上げるその瞬間を!」

 

188:鉄華団G

これで歩哨は全て倒したはず

推定最深部までのルートは確保したから撤退時はそこを通ってくれ   

ほぼ一本道だから突っ切れば大丈夫

189:楯無A

了解。突入班は楯無A・D、鉄華団B・E、ゴリラA・Bの6名で行う

残りは楯無B・C+鉄華団D・FをA班

ゴリラC・D+鉄華団A・C・GでB班

2チームで洞窟内の残敵を撃破していってくれ

190:ゴリラA

了解    

191:鉄華団B

突入班了解

192:ゴリラB

遊撃班は治癒いりそう?

193:鉄華団D

タレントの回数残ってるから治癒はそれとポーションで回す

突入組は本丸用にMP残しといて

193:楯無C

こっちの班は右回り潰していくからもう片方は左回りで頼む

 

 どれだけ嘆いても死者を蘇らせる術を持たない自分ではどうしようもないと思いなおした。

 ギガントバジリスクという特大の不確定要素を消してくれた友に感謝し、決意を新たにする。

 村の制圧自体は問題なく可能だろう。斥候からの情報では村に大した戦力は無く、冒険者も滞在していなかった。

 配下には森から出ないよう厳命していたので存在はまず悟られていない。つまり仕掛ける時は完全な奇襲が成立するという事だ。予定通り夜襲を掛ければ闇夜を見通せない人間など簡単に捕らえられるだろう。

 

204:鉄華団B

魔法探知(ディテクト・マジック)に感あり

道具鑑定(アプレイザル・マジックアイテム)で鑑定した結果、

右側の壁に警報(アラーム)の効果があるマジックアイテムを確認。        

映画とかで出てくる赤外線探知機みたいな感じ          

それより低い位置に鳴子もあるけどどっちも跨いで行ける

205:楯無A

了解。不可視化が効いてるうちに手早く行こう

206:ゴリラA

了解    

207:楯無D

部屋の中にゴブリン1、推定ストーンゴーレム2を確認

208:鉄華団E

ゴーレム了解。酸属性魔法準備する

209:ゴリラB

センサー回避完了

210:楯無A

風が動きすぎないよう部屋の中に侵入するぞ

 

 そう思いながら奇怪なマジックアイテム群に思考を移していく。

 素材と効果があまりにもチグハグのそれはよほど腕の立つ奇特な職人が作ったものだろうか。

 そう思いながらマジックアイテムの研究を再開しようとした時、ふと違和感を覚え振り向く。

 いつも通りの光景だ。素材棚、研究資料の山、マジックアイテムの保管箱、見つかりづらい位置に仕掛けた鳴子、警報(アラーム)が宿った防犯装置、変色した苔――――

 

「ストーンゴーレム! 俺を守れ!」

 

 気づいた瞬間ゴーレムに指示を出す。あの苔はごく近い場所で起きた魔法に反応して僅かに色を変える物で、元々はアラームのかけ忘れ防止のために植えていたものだ。

 マジックアイテムが起動しておらず、警報(アラーム)も健在なまま変色したという事はつまり――!

 

「不可視化か! ならば炙り出す! <毒の霧(ポイズン・ミスト)>!!」

 

 室内に毒の霧が充満する。本来このような閉所で使うべき魔法ではないが自身はマジックアイテムにより毒に対する高い耐性を持っているので問題ない。

 続けて霧を見通すために別のマジックアイテムを起動し侵入者を確認する。霧のおかげでくっきりと浮かび上がった姿は六。人型で自身よりやや大きい。

 

「ふん、姿も現さず俺の前に来ようとは不遜な奴らめ!だが俺の前で透明化など無意味な事を……。とっくに見破っているぞ?観念して姿を現したらどうだ?それとも毒に巻かれて死ぬか」

 

 言い終わるが早いか室内に突風が吹きこみ毒の霧が晴れる。

 直後に不可視化が解除され現れたのは人間が6人でどれも子供だった。

 嘲りと怒り、二つの感情が同時に起こる。嘲りは子供がたった6人ばかりで乗り込んできた事に。怒りはむざむざここまで見逃した無能な見張り番と巡回兵に。

 ストーンゴーレム込みで此方は三、彼方は六。数的不利だがただの人間にストーンゴーレムを倒すことはできないだろう。子供ならば言わずもがなだ。

 不可視化を使っていた事から第二位階まで修めているのだろうが、こちらは第三位階に到達しているので魔法戦で後れを取るつもりも無い。

 攻めるのならば多少被弾するだろうが、問題なくストーンゴーレムで詰め寄れる距離。守るにしても二体のゴーレムと召喚モンスターを用いれば何の問題も無い。

 それに入口の警報(アラーム)を起動させれば洞窟内の配下達がすぐさま駆けつける事を考えれば、攻め込まれはしたがこちらの優位に変わりはない!

 これまで一度も口を開いていなかった人間が言葉を発する。

 

「幾つか聞きたいことがある」

「人の住処に押し入っておきながらなんと図々しい。だがここまで来られた褒美に質問に答えてやろう。俺の寛大さに感謝しろ人間ども」

 

219:ゴリラB

(#^ω^)                            

220:楯無D

(#゚Д゚)

221:楯無A

私語厳禁。まだ抑えてろ

 

 だが念には念をだ。<魔法無詠唱化(サイレントマジック・)伝言(メッセージ)>……繋がらない?

 

「外の集団が人間の村を襲うと話していたのを聞いたが、それは本当か?」

「そうだ。この俺が王国を築くための足掛かりとしてあの村を支配下に置くと決めた。あぁ、お前達あの村の人間だな?つまり命乞いをしに来たわけだ」

 

 いや、連絡しようとしていた配下が範囲外に居た可能性もある。<魔法無詠唱化(サイレントマジック・)伝言(メッセージ)>……やはり繋がらない。仕方ないか。

 

「次にその机の上のマジックアイテムについてだが、アレは自分で作ったのか?それとも奪いでもしたのか?」

「質問の多い奴め。あれは俺の配下が献上してきたものだ。出所は俺も知らん」

 

 バレないように警報装置の位置を確認し、狙いをつける。

 

「最後に、あのマジックアイテムの製作者を見つけたらどうするつもりだ?」

「知れたことを。あれほどの魔法をあのような粗末な素材すら込められる凄腕だ。我が許に雇い入れこれから作り上げる王国のために尽くしてもらう」

 

 これは嘘であり本当の事だ。見つけ次第連行し精神支配の魔法でもって強制的に作らせる続けるつもりだが、マジックアイテムの制作方法が解析でき自前で生産できるようになれば即座に処分する。

 あれほどのマジックアイテムが自身以外の場所に漏れてはたまらん。

 

225:鉄華団E

はいっクズ確定 ぶっ殺します                   

226:ゴリラA

ゲロ以下の臭いがプンプンするぜ

227:楯無A

私語厳禁っつってんだろ。終わってからにしろ

 

「……間抜けが。出所について白を切るなら最後まで通すんだな」

「っ、貴様!この俺を、グウェン様を虚仮にしたか!?その罪は死をもって償うがいい!<魔法の矢(マジック・アロー)>!」

 

 三発の光弾は連中を飛び越え狙い通りに着弾し、警報(アラーム)を起動させる。

 けたたましい音が洞窟内に響き渡り始めたのを認識し笑みを浮かべた。

 

「外したとでも思ったか?間抜けは貴様だ。すぐに我が配下がやってくるぞ?もはや逃げることも叶わん。嬲り殺しにしてくれる!行け、ストーンゴーレムよ。まだ終わらんぞ、<第三位階怪物召喚(サモン・モンスター・3rd)>!」

 

 ローブ姿のゴブリン――グウェンは召喚魔法により微かに炎を纏った狼を呼び出しながらこの奇妙な連中について考える。

 先ほどから先頭の男以外一切言葉を発していない。アンデッド?いや、腐臭がしない。まさか俺の同類か?精神操作に長けているならマズい。

 

「<不死の精神(マインド・オブ・アンデス)>!」

 

228:楯無A

戦闘開始。潰すぞ

229:鉄華団B

ヒャッハー!汚物は消毒だぁ!

230:ゴリラA

ハイクを読む暇もなくネギトロにしてやる             

 

 グウェンの魔法を皮切りに6人の侵入者、冒険者たちも動き出す。

 しかしそれによって起きた結果はグウェンの想定とは真逆の物であった。

 

「<自然の力(ネイチャーズ・パワー)>!武技<剛撃>ッ」

 

 どこかゴリラに似た少年が放った武技で召喚モンスターは吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。

 

「<魔法二重化(ツインマジック・)酸の投げ槍(アシッド・ジャベリン)>」

「<強殴>!」

 

 二本の酸性の槍によりストーンゴーレムの内一体は脚部が破壊され、回避不可能になった瞬間を狙った別の少年の武技を受け、残っていた上半身を砕かれた。

 それらの光景を認識した時点で即座に逃走へと意識を切り替える。警報(アラーム)が起動してからさほど時間が経っていないからかいまだ配下が駆けつける様子もない。

 ゴーレムと、まだ繋がりを感じる召喚モンスターに足止めを指示し緊急用の避難通路に向けグウェンは走り出す。

 避難路の出口の先には虎の子であるバジリスク・ライダーを配置している。ギガントバジリスクには劣るが石化の邪眼と毒を持つ怪物だ。連中もまさかそんなものを従えているとは思わないだろう。

 

236:鉄華団B

クッソ逃げやがった。

位置関係と振動の感じ的に真っすぐ進んでるから東側のどこかに出ると思う

237:ゴリラA

逃げられるのはヤバい

外誰か居る!?

238:楯無C

今A班で外の警戒してたから向かう

バジリスクが居た辺り?

239:楯無A

その辺に出るはず。今妨害役片付けて追い始めた

 

 後ろから足音が聞こえ始めるが振り返る余裕もない。魔法詠唱者(マジック・キャスター)として体力が戦士に劣るグウェンだが元より素早い亜人であるゴブリン。

 逃げ足の速さには自信があった。全力で走り続け少しづつ出口の光が見えてくる。ここを抜けてバジリスク・ライダーと合流すれば反撃の時間だ。

 石化した連中の姿とそれに魔法を打ち込み砕く自分の姿を想像しながら走る。

 外の光景と寝転がっているバジリスクの頭が見えてきた。

 

「俺の勝ちだ!」

 

 勝利を確信し出口を飛び出したグウェンが最後に見た光景は首から下が潰れ、所々に霜が付いたバジリスクの死体と自身目がけて飛んでくる複数の攻撃魔法だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

245:楯無A                            

作戦終了!繰り返す、作戦終了!

本スレにも無事終わった事は書いたから書き込み解禁!!!

246:楯無B

うおおおおおお!!

247:鉄華団E

日本の勝利である

248:ゴリラC

大 本 宮 発 表

249:ゴリラD

何 か 書 い と け

250:鉄華団A

ちくわ大明神

251:楯無C

ファルシのルシがコクーンでパージ

252:ゴリラA

余りの解放感に一切関係ないレスばっかで草

253:10連ガチャ

皆さんお疲れ様です!なんとお礼を申し上げればよいか

254:審査員

これが絆パワーの力だ

255:名無しの転生者

ほぼ何もしてない定期

256:名無しの転生者

祭りじゃああああ!!

257:名無しの転生者

想定より大分簡単に片付いたね

いやまぁ苦戦するより断然いいけど

258:楯無A

それはある

なんか指揮官居なかったおかげで最初のゴブリン散らしクッソ楽だった

259:名無しの転生者

あとはダーマ神殿ニキと合流すれば本スレコテハン組が揃うな!

260:名無しの転生者

流石にこんな事もう起こらんやろうし、起こってもエルフニキは英雄級。

勝ったなガハハ

261:名無しの転生者

>>259がナチュラルに審査員ニキハブってて草生えた

262:名無しの転生者

希望の未来へレディ・ゴー!




おまけ
※読まなくても本筋に9割9分9里絡まない話です



「グレネイン!アイツ!ツレテキタ!!」

 そう叫びながら一人のゴブリンが木々の間から飛び出してくる。
奴を誘き寄せるための決死隊の一人だ。
 全身に傷の無い場所は無く、折れた腕は明後日の方向を向いている。
 それでも走るのをやめないゴブリンの目には確かな覚悟と希望が宿っていた。その数舜後、木々をなぎ倒してギガントバジリスクも森から飛び出して来た。
 片目は潰れ全身に矢と武器が突き刺さり所々鱗も剥げている状態で、先のゴブリンに負けず劣らずの満身創痍だ。
 怒りで真っ赤に染まった目はゴブリンという存在そのものを許さないとばかりに自身から逃げる獲物を睨みつけていた。
 その目が怪しく光ると同時にグレネインに向かって走っていたゴブリンが転倒する。
 石化の邪眼だ。
 ろくにレジストすることもできずに石像と化したゴブリンだったがその表情は妙に明るかった。
 自分が死んでもグレネインが居る。無敗のグレネイン、栄光のグレネイン、軍神グレネインに任せれば勝ったも同然と言わんばかりの顔だった。そのゴブリンの意思を継ぎ、遠征部隊最後の1人となったグレネインが叫ぶ。

「やぁやぁトカゲ君! 随分な色男っぷりじゃないか!! 折角だから残った片目も潰して進ぜようか!?」

 叫ぶグレネインの挑発に乗ったのか、或いはただゴブリンという生き物が目障りだったのか崖に立っているグレネインに向かってギガントバジリスクは突進する。
 あの獲物は自分を崖から突き落とそうと考えているのだろうが、それをするには随分余裕のある場所に立っている。大方崖際は怖かったのだろうとギガントバジリスクは内心で嘲笑する。確かにグレネインの立っている場所は崖際までかなり余裕のある位置で、このギガントバジリスクが2頭並んでもまだ落ちることは無い程だ。横幅にしてもそれ以上の広さがあり、しっかりとした足場も相まって十分急制動を掛けられる。
 臆病な最後のゴブリンを食い殺すべく、ギガントバジリスクは速度を維持したままグレネインに向かっていく。あと1歩で食らいつくという距離に踏み込んだ瞬間に足場の感覚が消える。否、消えたのではなく崩れたのだ。
どっしりと構えていた足場は幻のごとく消え去っており、代わりに現れた真の姿はゴブリン一人がギリギリ乗れる程度のか細い足場。
 それもすでに崩落しており、グレネインとギガントバジリスクは共に崖下に向かって落ちていく。

「ギガントバジリスクよ、君は強い。私の策を踏み越え、率いる精鋭百人を軒並み潰してなお息がある。だがそれでも、冷静さを欠くべきではなかったね。だからこんな策とも呼べない苦し紛れの悪あがきに殺される羽目になる」

 そう言い放ったグレネインはギガントバジリスクと共に墜落しながら、最近まったく似合っていない支配者の真似事をしだしたあの性悪な友人の今後を少し案じた。嘘だ。すごく心配していた。常々俺とお前以外無能しか居ないと愚痴っていた彼に自分以外の頼れるものが居ないのは理解している。群れの仲間達もそれぞれいい所はあるのだが彼がそれに目を向けることは無いだろう。あれで認めた者には懐が広く友情に篤いのだが、如何せんその基準が凄まじく高い。今後同族で満たすもは居ないのではと思ってしまう、雲まで届くハードルの高さだ。
 そんな事を考えていると、嫌がらせか悪あがきか石化の邪眼を放ってきたギガントバジリスクに苦笑する。レジストに失敗し末端から石化していっているのが分かるが、自分でも驚くほど冷静さを保っていた。いや、これは諦めというものだろう。石化せずともこの高さから墜落すれば助からない。大地の染みになって死ぬのも石化して死ぬのもどちらも同じ死だ。地面が迫る中思いが過る。
 あぁ、わが友よ。
 たとえどれ程性格が悪くとも、
 自己中心的でも、
 打算ありきだったとしても、
 あの日手を差し伸べてくれたのは君だけだった。
 あの日の思い出があったからこそ私はここまで生き抜くことができた。
 願わくば、新たな友人が君の元に訪れることを祈る。
 その思いを最後に、勢いの分だけ先に墜落して死んでいたギガントバジリスクの後を追うかの如く完全に石化したグレネインは、程なく地面に激突して粉々に砕け散りその生涯を終えた。



















「まさか、ゴブリン風情が全滅と引き換えにギガントバジリスクを倒すとは……。神官長が言っていた例えゴブリンでも油断するなとはこういう事でしたか」

 今しがた死んだものとは別のテイムモンスターの視界を通して監視していた男は独りごちる。
 年のころは十代半ば、端正な顔立ちをした彼は独りごとを続けた。

「しかし、彼等が訪れると言っていた村から離れた場所に集まっていたのは幸いでした。討ち漏らしは無いはずですが、余り村に近いと影響を受けた獣がそちらに迷い出ていたかもしれません。……少々独り言が増えましたね。彼らの影響でしょうか?」
 僅か数日だけ旅を共にした愉快な冒険者達の姿を思い出す。自身と同年代かそれより若い身の上で銀級や金級に到達している彼らは経験不足な面もあったが、こと戦闘に関しては階級以上の能力があったようにも感じたものだ。
 正体を偽っていたとはいえ、あれ程気軽に接されたのは初めての事であり、その新鮮さは彼の精神的な健康面にいい影響を及ぼしていた。

「いつか人類のために共に戦う日が来ると嬉しいですね。正体を明かしたら驚いてくれるでしょうか?」
            
「風花聖典からの報告通りオーガ五十体とゴブリン五十体(・・・・・・・・・・・・・・)それを率いる首魁(・・・・・・・・)の殲滅も確認しましたし、帰還するとしましょう」

 男は背嚢から1枚の仮面を取り出し装着する。
 故郷へ帰るべく振り向いた男の顔は声や髪型に似合わぬ冴えない顔となっていた。
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