悲報 オバロ現地民転生とかいう罰ゲームwww   作:はんぺん大納言

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(ネタが)あるのがいけない!あるのがいけない!

投下するならスレ形式でやるつもりだったんですが、我慢できなくなったので書けちゃった別の話を投下します。結構短いです。
例によって本作本編の時系列よりちょっと先の話で、捏造設定などがありますのでご注意ください。


幕間 ある傭兵の食事事情

 ヴァディス自由都市。

 アンデッドの湧き出る危険地帯、カッツェ平野に存在し王国・帝国・神殿勢力の三勢力の共同出資により運営される小都市。

 アンデッド対策に建設されたそれは街というよりも少々の施設があるだけの物資集積所とでも言うべき都市だった。

 

 しかしそれもほんの少し前の話であり、現在のヴァディス自由都市はそれまでとは比べ物にならない程の活気に満ち溢れていた。

 それというのも新進気鋭の鍛冶工房にマジックアイテムの生産販売店、食事処や変わったものでは入浴施設と各種サービスが充実し始めていたからだ。

 なぜ王都や帝都、他の街々ではなく都市とは名ばかりのこの街に出店しているのか謎であったがここを拠点として活動する者達からは諸手を挙げて歓迎されていた。

 

 優れた武具やマジックアイテムはより安全かつ効率的なアンデッド退治を可能とし、食事処や入浴施設は疲弊した肉体と精神を癒す。

 そんな全盛期を迎えたと言っても過言ではない都市の一角にある一軒の料理店にその人物は居た。

 

 店内はさほど広くなく、四人掛けのテーブル席が四つとカウンター席が八つ。

 こじんまりとした店の隅にあるカウンター席で、目深にフードを被ったローブ姿の男は他の客や従業員など気にした様子もなく、目の前の料理に意識を集中している。

 

 焼きたての茶パン、醤油系の香ばしい匂いを放つステーキ、食欲をそそらせる湯気の立つ琥珀色のスープ、鮮やかな彩りのサラダ。

 並べられた料理は種類としては平凡な品々であったが、労働の後の体に染み渡る物であるのは確かだった。

 肘まで隠すような長手袋に覆われた手でパンを掴み一口齧る。

 ふかふかのパンは仄かな甘みを感じさせ、これ単品でもこの場所で食事をする価値があると思える程だ。

 

──美味い

 

 端的な感想が男の脳内に浮かぶ。

 口内のパンを嚥下し、次いでナイフとフォークを持ちステーキに手を伸ばす。

 丁寧に下ごしらえのされた肉は抵抗を感じさせることなく切り分けられ、ミディアムレアに焼き上げられたピンクの断面が姿を現した。

 淀みなく口元へ運ばれた肉を咀嚼する。

 醤油ベースに複数の香辛料を加えられた特性のタレは、ピリリとした感覚とほどよい塩味を舌の上で躍らせ、肉を噛めば食べ応えがありながらも柔らかな食感を脳に伝える。

 

──美味い

 

 先と同じ感想が男の脳に到来する。

 他の都市で同じ物を食べようと思うのならそれなり以上の値がするだろうが、仕入先の関係か店主の拘りか手の届きやすい値段で提供されているのは男にとっても他の客にとっても有難い話だった。

 

 サラダに向かいかけた手を止め、スープの器を持つ。

 取っ手の付いたそれは背の低いジョッキのようでありスープを飲むのに適した作りとなっている。

 マナーを気にする者であればやや眉を顰めるかもしれないが、ここはヴァディス自由都市。

 滞在しているのは冒険者やワーカー、アンデッド狩りの神官と兵士ばかりで咎める者は誰も居ない。

 ゴクリ、と一口スープを飲み込む。

 いかな方法を用いたのか熱々のスープは口内を火傷させることなく喉を通っていく。

 一見具材の入っていないように見える簡素なものだが、その味を認識した瞬間それは間違いだと己の舌が主張する。

 肉の旨み、野菜の旨み、スープに溶け込んでいたその二つは完全に調和しており奇跡的ともいえるバランスを成していた。

 

──美味い

 

 三度、同じ感想が思い浮かぶ。

 具材が完全に溶けるほど煮込まれたスープに雑味は無く、これ程の物を男は生涯──勿論他の料理もだが──で口にした事が無かった。

 店を訪れる前に、多少味は落ちるが湯を注ぐだけで同じ物が作れるスープの素を販売していると聞いたことがあったので必ず購入すると決めた。

 最後にサラダに意識を向ける。

 これまでの3品全てが美味であったが、実の所このサラダこそ男が最も気に入っている品だった。

 エメラルドの如き艶のある野菜にフォークを突きさし口へ運ぶ。

 シャクシャクと小気味良い食感を伝える野菜たちにえぐみは無く、採れたてのように瑞々しい。

 こういったサラダは塩やドレッシングなどを掛けて食べるものだがこのサラダには不要であり、むしろ不粋とさえ言える。

 

──あぁ、美味い

 

 常連と言って良い程この店に足を運んできたが、どれだけ食事をしても飽きる事は無く幾度も同じ感想が心中を埋める。

 その後も男は食事を続け、気づけば最後の一口を終えていた。

 食後の心地よい余韻の中で男は考える。

 

 魔法の研究しか興味の無かった自分が、まさかこれ程のめり込む事になるとは思わなかった。

 食事とはこれ程良いものだったのだな。

 傭兵団の他の連中に無理やり連れてこられた時はどう誤魔化すかしか考えていなかったが、今では感謝の念しか浮かばない。

 まさか私が他者にそんな感情を抱く日が来るとはな……

 

 さて、と一息ついた男は食事の会計をするべく席を立つ。

 支払いの最中に会計係が常連となっていた男に声を掛けた。

 

「お会計銅貨十二枚となります……お客さんいつも来てくれていますよね。何かお気に入りのメニューでもあったんですか?」

「む、銅貨の持ち合わせがないので銀貨一枚で頼む。この店の料理はどれも新鮮でな。強いて言うならすべてのメニューがお気に入りだ」

「銅貨八枚のお釣りです。そこまで気に入っていただけるなんて光栄です。店主もきっと喜びますよ。あ、お客さんのお名前を伺ってもよろしいですか?」

「何故名前を?」

「せっかくの常連さんですから覚えておきたくって」

「そういう事なら構わん。私の名はデイバーノック。ある傭兵団に所属している魔法詠唱者(マジック・キャスター)だ」

「」

 

 男の名前を聞いた瞬間、会計係の動きが止まった。

 しかしそれもほんの僅かな時間であり、心中は別として体と口を再び動かし始める。

 

「……どうかしたのか?あぁ、それと琥珀スープ――コンソメスープだったか?あれの素を売っていると聞いたので購入したいのだが」

「……あ、はい。コンソメキューブですね。一個銅貨二枚となります」

「ではとりあえず十個頂こうか」

「合計で銀貨一枚となります……銀貨一枚丁度お預かりしました。こちらの袋はサービスですのでよろしければどうぞ」

「助かる。近々独立してこの都市を拠点に活動しようと考えていてな。その時は毎日通う事になるだろう。実に楽しみだ」

 

 そういって男は、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)のデイバーノックは店を後にした。

 魔法のみに執着していたかつてとは異なり、今や彼は魔法と美食、二つへの探求心によって突き動かされていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

【楽しい】美味い飯が食いてえ【お料理】Part9

 

138:完全食

なんかうちの店の常連の1人がデイバーノックだったんだけど・・・・

 

139:名無しの転生者

!?!?!?

 

140:名無しの転生者

ふぁーwwwww

 

141:名無しの転生者

 

142:名無しの転生者

>>138

お前のタレントアレルギー克服じゃなかったのかよ!?

 

143:名無しの転生者

メシ堕ちデイバーノックで草

 

144:名無しの転生者

>>138

アイエエエ!?アンデッドが食事!?アンデッドが食事ナンデ!?

 

145:名無しの転生者

【悲報】六腕、原作前に脱落者が出る

 

146:名無しの転生者

原作崩壊してて草

 

147:名無しの転生者

まままだあわあわ慌てる時間じゃない

 

148:名無しの転生者

>>138ェ!お前はナザリック対策スレの新たな光だ!!

 




幕間系の話は時系列事になるようどこかで整理します。

Q.なんでデイバーノックはヴァディス自由都市に出入りできているの?
A.本話中のデイバーノックはアンデッド反応を隠蔽する装備を付けています。都市内に店を構える前にどっかの鍛冶屋が作った試作品らしいです。
なんか1個しか作られていない限定品でしばらくひもじい思いをしたそうですよ。アンデッドなので問題ありませんでしたが。
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