私自身でも、どこか初めて書く作風のつもりでしたが、興味がありましたら、ぜひ、
何時もの事だった。
何時ものように、世界が変わった。
「まだ、終わりじゃないのか」
呟いたのは、愚痴だろう。
そう、幾度目となる移動に対する事だろうか。
身に纏っているのは、既にボロボロになっているコート。
全身が、これまでの旅で、ほとんどが使い物にならなくなっている。
着ている衣服も、あまりにもバラバラであり、お洒落など気にしていなかった。
ただ、未だに持ち続けているそれだけを決して離さず。
「今度は、一体、どんな世界なんだ」
慣れた事だ。
自分に言い聞かせながら、立ち上がり、歩く。
周囲は白一色。
何も見えない状況。
雪によって、それらは見えないだろう。
幾度も飛ばされてきたが、まさかこんな所に飛ばされるとは思わなかった。
「本当に、嫌になるな」
そうして、呟いた時だった。
何かが聞こえる。
何時もの、厄介な事か。
世界が、移動した時。
それは世界が何かを求めている。
分かっていながらも、俺はそこに向かって、歩く。
「おい、そこに誰かいるのか」
そう、声を出しながら叫ぶ。
無防備かもしれないが、ここがどこか分からない以上、知る必要がある。
ならば、多少、危険だろうと構わない。
そんな事も含めて叫んだ。
だが、誰もいないように静かだった。
だが、いないように見えるだけで誰かいる。
「たく、何を隠れているんだ?」
俺は、そうして、気配を消している奴らの方に近づく。
近づいてみると、そこには、子供が2人いる。
雪山の中で、なぜ。
疑問に思いながら、俺はため息を吐く。
「また、こういうのかよ」
厄介事だと分かっていた。
子供の内、片方はまるで見た事がない。
だが、その現象に近い事を知っている。
これまで幾度と巡ってきた中でも、自ら望まずに人間ではない姿になった者達と。
「おい、ガキ、お前の身体はどうなっているんだ?なんか病気でもかかっているのか」
「っ」
俺はあえて、尋ねるが、まるで答えない。
警戒心が強く、こちらを睨む。
その目にも、既に見慣れている。
しかも、この類いは理不尽に対する事だろう。
「本当に面倒だ、面倒で仕方ないが、聞きたいが」
俺は、そのまま尋ねる。
「こっちに来ているあいつらは、お前らの知り合いか」
その言葉と共に出てきたのは、集団だろう。
見れば、何かの宗教団体だろう。
「なんだ、お前らは?」
そう、俺は尋ねる。
「我らは、そこにいる悪魔憑きを追って来た。さっさと、渡して貰おうか」
「悪魔憑き?」
また、これは。
なんとまぁ、奇妙な事じゃないか。
「なんで、お前らに渡さないといけないんだ?第一、こいつは見たら、まだガキだぞ」
「悪魔憑きは教会が捕らえ、浄化しなければならない」
「浄化ねぇ」
その言葉を聞いて、始めに思ったのは、胡散臭さ。
この手の奴らの言葉は信用出来ない。
だが、この世界の事情など、何も知らない。
正直に言えば、このガキと俺の関係なんて、さっき会ったばかり。
余りにも薄く、見捨てても問題ないだろう。
だけど、そうか。
「悪魔憑きねぇ」
その言葉を聞いて、ため息を吐く。
あぁ、本当に。
世界は、どこを巡っても、変わらない所が多すぎる。
だけど、皮肉だな。
「まさか、悪魔という言葉で、身近なのが、あの世界以外にもあったなんてな」
俺の言葉を聞いて、思った。
まさか、『悪魔』という言葉を聞くとはね。
「さぁ、さっさとこちらに渡せ」
「そうだな、答えは、まぁ決まっているよ」
俺は、手に持ったコートを、そのままガキ共に着させる。
正直に言えば、先程までやる気など、微塵もなかった。
どうせ、最初は戦う。
それは考えていたが。
「まさか、悪魔憑きなんてのがいるなんてな」
「何が可笑しい、貴様」
「別に。ただ、最初に俺に対して、悪魔って言わなかった世界は初めてだからな。それに、こいつが悪魔憑きだって言うんならば、助けても良い、そう考えただけだ」
「何を訳の分からない事を」
「あぁ、そうだろうな、訳が分からないよな、俺も分からない。ただ言えるのは」
そう、俺は手に持ったそのバックルを奴らに見せつける。
「お前らに本当の悪魔ってのを見せてやろと思っただけだ」
バックルを、そのまま腰に付ける。
この動作も、幾度と行った事か。
だけど、今は気分が良い。
腰に巻いたピンク色のバックル。
そのバックルと共に、俺は手に持ったカードをそのまま構える。
「変身」『KAMENRIDE DECADE!』
鳴り響く音。
それと共に、俺の周囲に幾つもの幻影が現れる。
現れた幻影は、そのまま幾度も俺に重なり、その姿を変える。
そうして、俺が変わった姿。
「なんだ、その姿は」
「お前達に言っただろ、悪魔って言われている姿、ディケイドだよ」
ディケイド。
それが、俺の、この姿での名前。
本来だったら、もう一つの名も名乗るべきだろう。
だが、これから行う行為に対して、その名は相応しくないだろう。
「ディケイドだと、聞いた事のない名に、何の意味がある!」
それと共に、リーダーだと思われる奴の命令を受けて、こちらに迫る。
そいつらに、意思はなかった。
意思がないのは、やりやすい。
本当に。
「こっちの罪悪感もあまりないからな」
そう、軽く殴った。
それだけで、人間の身体は軽く吹き飛んだ。
「っ」
それには、ガキが何か怖がっている様子だろう。
だから。
「コートを深く被って、耳を塞いでろ。ガキが見るもんじゃないからな」
それだけ言うと、俺は腰にあるライドブッカーを取る。
ライドブッカーを手に取り、こちらに剣を振り下ろした奴の一撃を受ける。
「おせぇよ」
瞬時に、ライドブッカーから刀身が生え、そのまま振り上げる。
それだけで、肉の感触は伝わると共に真っ二つに割れる。
意思のない奴らは次々と来る。
だが、この程度の奴らを処理するのに。
時間はかからない。
「何なんだ」「何なんだ!!」「何なんだ!!」
そうして、周囲は血によって、染められた。
だが、すぐにでも血は雪の中に消えるだろう。
そして、中心になっているだろう奴は、こちらを睨む。
「お前は、一体何なんだ!」
そう、今更の質問を言った。
それこそ、今更だ。
「言ったはずだ、俺は、悪魔だって」
「意味の分からない事を言うなぁ!!」
すると、奴の身体は膨れている。
その身体を、見る限りでも人間ではないだろう。
他の世界で見たような怪物ではない。
少なくとも、人間の形をしたままの怪物だろう。
「だから、なんだ」『FINAL ATTACK RIDE DE DE DE DECADE』
そうして、俺は既にディケイドライバーに、既にカードを装填し、構えていた。
奴の目の前には、光のカードが現れ、俺はただそこに向かって斬撃を放った。
それだけで、奴の身体は、他の奴らと同じように、斬れた。
「爆発がないと、こういうのは面倒なんだな」
既に慣れたように、俺は呆れたように言う。
そうしながらも、ガキの方に近づく。
「おい、ガキ、終わったぞって」
見ると、ガキの身体は何やら痣が増している。
悪魔憑きってのは、そういう意味か。
「たく、面倒だな、けどやるか」
一体、どういうのか、分からない。
だが、見捨てるのも嫌だからな。
『KAMEN RIDE EX-AIDマイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!X!』
そうして、俺が選んだのはエグゼイドだ。
すると、ガキの内、小さいのは俺の前に立つ。
「はぁ、おい、ちびっこ。別にそいつを殺す訳じゃない。助けてやるからどけ」
「助けるって、助けられるの」
「保証はない、なんだって、初めてやるんだからな」
俺自身に保証は出来ない。
そうしながら、俺が取り出したのは、一枚のカード。
『FINAL ATTACK RIDE E E E EX-AID』
「リプログラミングっと」
そう、俺は、そのままガキの方に手を当てる。
軽くだ。
正直に言えば、効果があるなんて、考えていない。
だけど、どうやら、効果はあったようだ。
悪魔憑きと呼ばれる何かが蠢く。
それは、身体を蝕む余分な部分を書き換えられる。
そうして、書き換えた部分を、苦しめないように。
むしろ、力を与えるように。
書き換える。
そのまま、ガキの身体にある痣は消える。
「悪魔憑きがなおった?」
そう、ガキは呟いた。
「あなたはいったい」
「名乗る名なんて、どうでも良いけど、そうだな、ディケイドとでも呼んでおけ」
俺は、そう、呟いた。