未だに、謎に包まれたディアボロス教団とハンドレッドの目的を探りたかった。
しかし、武人祭の本戦が始まった。
正直に言えば、仕事でなければ、あまり興味はなかった。
しかし、ここに来た以上は、続けなければいけない。
「はぁ、本当に」
ため息を吐きながらも、俺は眼前にいる対戦相手を見る。
どうやら、今回の大会の中でもダークホースと呼ばれる人物であるジミナ・セーネン。
決勝戦までの間に、ほとんどがまぐれ勝ちと呼ばれているらしく、実際にどのような戦い方をするのか、俺も知らない。
というよりも、他の選手の試合は見ていなかったので、詳細も知らない。
『さあッ!! 両選手! 剣を引き抜いたァァァァッ!!』
そう司会の声を聞きながら、互いにその手に持つ剣を構える。
剣を構えながらも、俺はそのままジミナを見る。
奴の姿には見覚えはない。
けれど、なぜか。
その動作に見覚えがあるような気がした。
そう、首を傾げている時だった。
『始めぇ!』
その声が聞こえた瞬間。
既にジミナは動いていた。
その動作を見る事は出来なかった。
あまりにも早すぎる攻撃。
それ故に、これまでの対戦相手達は、その攻撃に当たった事すら気付かずに気絶していただろう。
「いや、危ないな」「ふぅん」
その手に持った剣。
互いの剣がぶつかった結果、その衝撃に剣が耐えきれなかった。
ボロボロになった剣に対して、俺達は互いの剣を見ながら。
「ふむ、剣がなくなったな」「ならば、やる事は決まっているな」
それは同意と言えるだろう。
俺達は互いにその手にある剣を捨てる。
捨てると共に始まったのは、単純な殴り合い。
それが始まる。
単純な殴り合いと言っても、それは周囲に見えているかどうかは分からない。
基本的に、ライダーとして戦う際には、武器を使わずに戦う時も多くある。
その素手で戦うライダーの中で、俺はスーパー1の赤心少林拳を中心にし、眼前にいるジミナと戦う。
俺の攻撃に対して、ジミナの格闘術は、この世界ではあまりにも異質だった。
この世界では、魔力に頼り切った戦い方が多く、剣術に重点的に戦っている者がほとんどだ。
その為、素手で戦うのは、デルタのような野生児ぐらいだ。
しかし、眼前にいるジミナの格闘術は、空手やボクシングなどの格闘技から、ムエタイなども混ざった動きのように思える。
そうして、何度も交えながら、俺はその答えに辿り着くのは簡単だった。
「なるほど、だいたい分かった」
「何が分かったんだ」
俺の言葉に対して、眼前にいるジミナは呟く。
「いや、別に、ただこんな所で、そんなのを被って、何をしているんだと思っただけだ」
「…別に」
「はぁ、そうか」
こいつの事は、よく分からない。
行動原理も、これまで調べた限りでも分からない。
こうして、直接会うのも珍しいぐらいだろうか。
「「…」」
互いに無言。
時が止まったように、睨み合う。
「はぁ、全く、嫌になるな」
「…確かに」
その言葉と共に、睨んだ先。
そこには何時の間にか立っていたのは。
「忍者プレイヤーとはな」