大会で起きた騒動。
その騒動の最中で、ローズは走っていた。
それは、自分の中にある直感に従うように走っていた。
「っ!」
ローズは、腰にある煙叡剣狼煙の力を使い、その身体の一部を煙に変えながら進む。
その目的地はオリアナ国王がいる場所。
そんなローズの道を阻むように忍者プレイヤーが邪魔をする。
だが。
「邪魔をするな!」
その叫びと共に、その手にある煙叡剣狼煙で切り裂く。
そうして、目の前にいるプレイヤーを切った瞬間には消えていく煙。
それを確認しながら先に進むローズだったが、次の攻撃が放たれたことに気づくと直ぐに避ける。
ただ、避けきれずにダメージを受けるがローズはその攻撃に耐えながらも前に進んでいく。
そして……ローズはオリアナ国国王がいる会場に到着した。
そのオリアナ国王の姿を見て、ローズは悲しそうに見つめる。
「愛しのローズ王女。ようやく戻られたのですね」
そこで、ドエムはオリアナ国王を伴って、階段を下りていく。
「ローズよ、よくぞ戻った。さあ、こっちへおいで」
ドエムの指示でオリアナ国王が言葉を発する。心のない、抜け殻の言葉。
ドエムは階段を下りながら配下に目で指示を出し、いつでもローズを確保できるよう準備する。
ローズが階段を上ってくる。
「父上、私は謝罪に参りました。今までのことを、そしてこれからのことを……。私は間違いを犯し、そしてこれからも間違うでしょう。しかし私は、オリアナ王国の王女として、そしてあなたの娘として……私の信じる道を歩いています」
ローズの声は震えていた。そしてその瞳には涙が浮かんでいた。
だが、ローズの瞳にはまだ決意があった。
ドエムはそれを瞬時に読み取り、一歩下がった。
まずは王を先行させる。
王を盾にすれば、この女は何もできない。
傀儡の王さえいれば、ドエムの計画はすべてうまくいく。
「そなたの罪を許そう」
オリアナ国王はそう言った。それは、ドエムの指示していない言葉だった。
「ありがとうございます、父上」
それからは、一瞬の出来事だった。
ローズが煙叡剣狼煙を構え、走り出す。
ドエムの配下たちが動き出す。
だがローズはあまりにも速すぎた。
ドエムが驚愕に目を見開く。
「舐めるなぁ!」
その言葉、それと同時にドエムの身体は変化する。
『サメ!クジラ!オオカミウオ!』
それと共に、ドエムの姿は一変。
これまで見せた事のない仮面ライダーポセイドンの姿へと変わる。
同時に、ポセイドンが手を翳すと。
「ぐぅがぁぁぁぁ!」「っ!」
それと共に、オリアナ国王の姿が変わる。
そこに立っていたのは、歪な怪物。
周辺にいる忍者プレイヤーと同じバグスター。
そして、ドエムが事前に仕込んでいたセルメダルから生まれたヤミー。
二つの特性を持った怪物へと造り変える。
「ドエムっ貴様っ」「おぉ、なんという事だ、国王がこのような姿になるとは、これもまたローズの仕業かぁ」
ここに来ても、まるで芝居をするように言う。
そんな言葉と共にドエムは呟く。
既に、この場においてローズの味方はいない。
そう宣言するように。
だが。
「お前のような奴に何が分かるんだ」
「なにっ」
そう、聞こえた声。
見ると、そこにいたのは、一人の人物。
首には、マゼンダのカメラが特徴的な青年は、ゆっくりと歩いていた。
「そこにいる親子は、例え自分の命を賭しても、互いの為に命を賭けた。それは国を、民を守る王としての務めを果たす為に。そんな気高き魂がお前如きに汚されて良いはずはないだろ」
「いきなり出てきたと思えば、貴様っ一体何者だ!」
その言葉と共にドエムは、その手に持つ槍をその人物に突きつける。
それに対して、彼は。
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」
そう、彼は、その腰にあるネオディケイドライバーを回していた。
「それは、まさか、あなたが!」「馬鹿な!」
「変身」
ネオディケイドライバーにそのまま、ライダーカードを装填した。
それと共に。
『KAMENRIDE_DECADE!』
鳴り響く音声。
同時に、彼はディケイドへと変身する。