無法都市。
その都市には、この世界における法律はなかった。
名前の通り無法者が集うスラム街で、犯罪件数及び死亡者数が異世界一位。街には3つの塔が建てられており、これまで「紅の塔」エリザベート、「白き塔」ユキメ、「黒き塔」ジャガノートの3人が街を支配していた。
そう、これまでは。
「ぐっ、お前はっ何なんだ!!」
その場所は、「黒き塔」。
そびえ立つ三つの塔の一つであり、その名の通り漆黒の塔。
その塔の支配者である巨漢の男、ジャガーノートは目の前に迫る存在に恐怖していた。
圧倒的な力で、これまで支配していたジャガーノートにとって、眼前にいる存在に理解が追いつかなかった。
今、黒き塔の人員はほとんどが気絶している。
それは、ジャガーノートの命を奪おうとする一人の人間によって。
「全く、三つの塔だから少しは興味を持ったけど、蓋を開けてみたら三つの内の二つは大外れでがっかりしたよ」
そうしながら、その黒き塔を壊滅に追い詰めた人物はため息を吐きながら言う。
「お前はっ一体っ何者だ!」
ジャガーノートの問いかけに対して、彼は。
「ただの通りすがりの仮面ライダーさ」
その一言と共に、ディエンドは、ディエンドライバーの引き金を引いた。
その弾丸で、ジャガーノートはあっさりと絶命する。
「いやぁ、それにしてもユキメさんの言う通り、どちらもあまり大したお宝はなかった。だとすれば、やはりお宝があるとしたら、紅の塔にある吸血鬼共のお宝かな」
そうしながら、黒の塔から見える紅の塔へと目に向ける。
そこにあるお宝に狙いを向けるように。
「さて、こっちの世界でのアーティファクトはなかなかに興味深いからね。けれど」
ディエンドの変身を解除した海東は、とある事を思い出した。
それはこの世界で最も苦戦させた人物であるイータの事。
それだけではない。
「イータ、こいつがぁボスを連れ去った奴!!」「突然呼ばれたけど、そういう事ね」
そこにいたのはイータだけではなかった。
デルタとゼータの二人もまた合流していた。
そして、ディエンドの姿を見た瞬間、既に敵意を向けていた。
「うわぁ、これはなんというか」
その敵意に満ちた目は、彼にとっても初めての経験であった。
各々の少女の目を見れば分かる。
そのあまりにも狂気に満ちていた。
「ディケイドを連れ去った張本人であり、ディケイドと同じ技術を持っている。つまりは捕らえて研究材料にしても問題ない」
「ボスをまた別の場所に連れて行く奴!だったら、ここで殺す!」
「・・・ディケイドと同じという事はディケイドに対抗出来るからね、ある意味、私の目的の達成には丁度良いか」
そう呟いた三者を見た後。
「これは駄目だね、しばらくは姿を現さない方が良いね」『ATTACKRIDE INVISIBLE』
そうして、すぐにその場から離れる事にした。
それ以来、彼はなるべく関わらないようにしていた。
あの三人と戦うのは厄介だと考えていたから。