「さて、予想通りと言うべきか、ツカサはなかなかに良い仕事をしてくれたねぇ」
そんな呟きをしながら、ディエンドこと海東は紅の塔を上っていた。
この無法都市にあるとあるお宝。
それを探り初めて、最初に目をつけた黒の塔の探索を行った。
黒の塔の中にいたジャガーノートを始末した。
ジャガーノートに関して、元々その性格が気に入らなかったのもある。
次に白の塔の支配者であるユキメと話をした。
彼女の元にあるのは金銭などはあったが、正直に言えば彼が欲するお宝はなかった。
だが、紅の塔。
その塔の中にあるとあるお宝の事を聞いた。
「へぇ、吸血鬼の心臓ねぇ」
「えぇ、けれど、あの紅の塔の吸血鬼にとって、決して奪われたくない物。そう簡単に見つかるとは思いませんねぇ」
「そうだねぇ、けど、騒ぎがあれば良いのさ。それもとびきりね」
だからこそ、わざわざ海東はツカサを焚きつけるような行動を行った。
この世界の、並の住人では、吸血鬼にすぐにやられる。
だからこそ、わざわざ。
「そう考えていたけど、思ったよりも厄介だねぇ、君達は」
その言葉と共に、海東は目の前にいる二人を見る。
対照的に見える二人。
獣人であり、普段はあまり共闘をしないだろうデルタとゼータ。
「ゼータ、分かっていると思うけどっ、こいつは絶対に殺すっ」
「そうだね、デルタ。その点だけは同意見だ。こいつを殺す事はツカサの為にもなるからね」
「おやおや、これは、一応は僕はツカサの事は多少は認めているけどね」
「それはつまり、またボスをこの世界から連れ去る!だったら、始末する!」『ジャパニーズウルフ!』
同時にデルタは、既にプログライズキーを起動させ、そのままショットライザーに装填する。
「まさか、それを既に使えるようになっているとはね」
「変身!!」『ショットライズ!オルトロスバルカン!"Awakening the instinct of two beasts long lost."』
ショットライザーから鳴り響く音声と共に、デルタの身体は覆われる。
そして、二つの狼の力が合わさった新たな姿、オルトロスバルカンへと変身する。
「そうだね。まぁ、私も、今は」
そんな変身を見届けた後、ゼータもまた既に構えていた。
『SET!』
それは、二つのレイズバックル。
片方は、ビートレイズバックルであり、もう片方は黄金に輝くフィーバーレイズバックル。
そのまま、構えると。
「変身」『BEAT!HIT!FEVER BEAT!』
鳴り響く音声と共に、ゼータもまた変わる。
ナーゴのビートフォーム。
その特徴が上下に揃ったその姿の名は、フィーバービートフォームだった。
「へぇ、これはこれは」
それを見た海東は。
「僕は忙しいから、そんなに長く相手をするつもりはないよ」