悪魔と呼ばれ慣れて   作:ボルメテウスさん

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過去の罪

無法都市での一件が終わりを告げた後、俺はユキメから頼まれた月旦の殺害について深く考え込んだ。

 

彼女の言葉から、かつて助けた村の悲劇的な結末を知り、俺はどうすれば良いのか分からなかった。

 

時間が止まっていたならば、何か手を打つこともできたかもしれない。

 

しかし現実は残酷で、その瞬間は既に過ぎ去り、新たな悲劇が訪れていた。

 

過去へと戻る力があるにしても、それを行使する勇気と責任感が伴うことは言うまでもない。

 

時を戻す行為は、時としてさらなる悲劇を呼び起こす可能性を秘めており、そのリスクを考慮せねばならない。

 

かつて、時を戻し、より良い結果を生み出すことができた事例は極めて少数であり、その成功は例外中の例外であった。

 

そして、俺が今その力を使えば、果たしてそれが正しい道なのかどうかも分からない。

 

過去の選択が未来にどのような影響を与えるか、その予測は不可能であり、そのためには慎重な判断が必要だった。

 

「それに、それはただ俺自身の罪から目を逸らすだけの行為だから」

 

月旦の一件は、俺の責任であり、それを時を改変する事で解決するのは、あまりにも無責任だろう。

 

過去を振り返り、自分自身の失敗や過ちを直視することなく、簡単に改変できる力があるからといって、それを使うことは許されるべきではない。

 

俺は、自分の罪から逃れようとする弱さに打ち勝たなければならない。

 

それができるかどうかが、俺の本当の力だ。

 

過去の失敗や過ちは、それを認める勇気と、それを乗り越えるための行動を起こす覚悟が求められる。

 

時間を戻して失敗を取り消すことは、確かに一時的には問題を解決するかもしれないが、それが本当に正しい解決策であるとは限らない。

 

そして、俺が今その力を使えば、果たしてそれが正しい道なのかどうかも分からない。

 

未来にどのような影響を与えるかを予測することもできないし、そのためには慎重な判断が必要である。

 

ならば。

 

「見つけ出して、確かめるしかない。月旦から直接」

 

そう、決意した時。

何やら走っている集団が見えた。

気になって見てみると。

 

「頼りにしているぜ、MHK!」

 

そこにはシドがお札を片手に走り出していた。

 

「シド!」「シド君、お金ぇ」

 

その後ろにはヒョロとジャガ。

二人が追っていた。

 

「・・・なんというか、相変わらずというかなんというか」

 

そう考えながらも、俺は歩こうとした時。

 

「・・・金か、もしかしたら、そこから探れば、何か分かるかもしれない」

 

月旦を知る為の一つの手として。

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