悪魔と呼ばれ慣れて   作:ボルメテウスさん

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偽札の行方

デルタの兄だと思われる奴から詳しい情報を聞き出す。

 

その瞬間、空気が凍りついたように静まり返った。月明かりだけが唯一の光源となり、俺たちの姿を暗闇の中で浮かび上がらせていた。

 

兄貴は緊張した面持ちで口を開く。

 

月旦は、裸一貫からガーター商会を乗っ取る形でのし上がり、ガーター商会を大商会にまで成長させた。

 

その手腕は恐ろしいほどで、まさに一匹狼のような男だった。デルタの兄からある程度の情報を得ることができた。

 

「ディアボロス教団からミツゴシ商会の排除を指示されたため、各商会と手を組んで大商会連合を作り、『ミツゴシ商会包囲網』を展開する予定です」

 

その言葉には冷たい決意が込められていた。

 

しかし。

 

「偽札が既に出ている?」

 

それらを調べている最中、本来だったら月旦が行っているはずの偽札が既に何者かによって作られていることが判明した。

 

「ボス!それでこれからどうするの!」

 

デルタが、そうこれからの行動に興味があったのか目を輝かせながら問いかける。

 

「とりあえずは、偽札の1件を探ってみるか。今の所それぐらいしかないからな」

 

俺がそう言うと。

 

「具体的には何をするの?」

 

彼女の問いに、俺は冷静に答える。

 

「とりあえずは、汽車だったか。それに行くか」

 

「おぉ、汽車!汽車だったら、デルタの方が速い!」

 

「それも良いけど、こっちの方が楽だからな」『ATTACKRIDE JET SLIGER』

 

その音声と共に、横に現れたのは巨大なバイク。

 

白銀の巨大なバイクが轟音と共にその姿を現した。月光を浴びて煌めくボディは、まるで未来から来た戦闘機械のように威圧感を放っていた。

 

その後ろには5本の巨大なブースター。

 

ブースターの先端には、青白い炎が揺らめき、今にも飛び立つ準備が整っている。その光景は、まるで夜空に舞い上がる竜のような印象を与えた。

 

「おぉ、ボス!これは!!」

 

デルタの目は期待と興奮で輝いていた。彼女の声には隠しきれない喜びが込められている。

 

「デルタ、乗るぞ」

 

俺の言葉を聞くと共にデルタは尻尾をブンブンと振りながら。

 

「了解!ボス!」

 

彼女は嬉々としてバイクの後部座席に飛び乗った。その表情には自信と覚悟が満ち溢れていた。

 

そのまま、ジェットスライガーに乗り込み、走り出す。

 

バイクのエンジンが唸り声を上げ、巨大なブースターが轟音と共に火を噴いた。風が激しく舞い上がり、周囲の景色が一瞬で遠ざかっていく。

 

俺はアクセルを全開にし、前方に広がる闇を切り裂くように突進した。

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