「全く、さすがに不味かった」
先程までミツゴシ温泉ランドで着替えまで一緒に向かおうとした。
さすがにマズイと感じた俺は、すぐにそれを止める事が出来た。
「まぁ、それでもあいつらと遊べるのは良いかもしれないな」
「なかなかに機嫌が良さそうじゃないか、ツカサ」
そう、俺に話しかけた声。
その声に聞き覚えがあった。
「・・・おい、なんでお前がここにいるんだ、海東」
そこにいたのは、海東がいた。
前回の吸血鬼の1件があって、この世界から去ったはずのこいつがなぜいるのか。
それも。
「なんで、お前も水着に着替えているんだ」
俺と同じように水着に着替えていた。
「見て分からないのかい?僕も遊びに来たんだよ、このミツゴシ温泉ランドでね」
「・・・はぁ?!」
その一言に、俺は思わず睨んでしまう。
それは格好を見ても理解出来た。
だが、海東がここにいる理由が俺には理解出来ない。
「それにしてもツカサ、君もなかなか良い水着だね。似合っているよ」
「余計なお世話だ」
俺は海東の言葉に呆れながら答える。
「そうかい?僕としては褒めたつもりだったんだけどね」
「はいはい」
俺は軽く流すように返事を返す。
「ところでツカサ、君はこれから何をするつもりだい?温泉に入りに来たのかな?」
「デルタ達と遊ぶ予定だ」
「あれ、あの2人のグループデートに付き添いじゃないのか」
「・・・最初の予定としてはそうだけど、娘であるあいつらの方が優先に決まっているだろ」
「娘ねぇ」
何やら含みある言葉と共に、俺を見て笑っていた。
「なんだ?」
「別に、ただ僕の目的の邪魔をしなければそれで良いけどね」
そうしながら、水着に着替え終えた海東は、そのまま立ち去ろうとした。
「・・・お前の目的は何なんだ」
俺がそう問いかけると。
「さぁね、君に答えるつもりは無いよ」
そう答えて去っていった。
「おいっ」
そうしながら、俺は、海東を追った。
しかし、そこには既に奴の姿はなかった。
海東が、このミツゴシ温泉ランドで何を企んでいるのか。その謎が残ったまま俺はデルタ達との遊びに集中出来るか。
「あれ、師匠はどこにいるんだ!」「ツカサ!カイトウ師匠は知りませんか!」
そう、俺が叫んでいる間に、いつの間にかヒョロとジャガの2人が合流してきた。
「・・・さぁな」
こいつらの質問に答えるつもりはなく、そのまま合流場所へと向かう。
海東に対して、気になる事はある。
奴が関わっている以上は、このミツゴシ温泉ランドに何かある。
「まぁ、結局はゼータ達に聞けば、分かるか」