俺はカムナから得た情報を元に、研究所を調べる為に向かう事にした。
雪の館から少し離れた場所にある研究所は、以前にも探索を行った場所だった。
しかし、今回は目的が異なる。
以前はただの調査だったが、今回は何か手掛かりを見つけ出す必要があった。
「それにしても、今回の調査でまさか一緒に調査するとは思わなかった」
その言葉と共に、俺は隣にいる人物に目を向ける。
「私自身も少し驚きました」
それと共に、俺の隣にいる人物。
ナツメ先生として有名な人物だが、俺はナツメの正体を知っている。
ナツメは俺の視線に気付き、微笑みながら答えた。
「でも、これは必要な事なんでしょう?」
「あぁ、そうだが、まさか、ナツメ先生としての顔が役に立つとはな」
「それは仕方がないわ。研究所への潜入を行うには小説家である私の顔が役に立つ」
そう、ナツメは小説家として有名な存在である。
その為、研究所への潜入にはナツメ先生の顔が役に立つ。
小説家としての顔を活用すれば、研究所の職員も警戒せずに案内してくれるかもしれない。
「しかし、ゼータが来ると考えていた」
「えぇ、本来はゼータが行く筈でした」
「しかし、ゼータは現在は別の任務で手が離せない状況です。ですので、私が代わりに派遣されました」
その言葉と共に俺の前に現れたのは。
「ベータか」
そう、俺の目の前に現れたのはシャドウガーデンの七陰の第二席であるベータ。
以前、ナツメ先生として、一緒に行動する事があったが、ベータとして一緒に行動するとは考えていなかった。
だが、確かにベータの情報収集能力は高い。
それに、俺と共に行動する事で、より確実に情報を収集する事が出来るだろう。
「まぁ、良いだろう。では、行こうか」
「えぇ、行きましょう」
そう答えると、俺とナツメは研究所へと向かった。
研究所は以前にも訪れた事のある場所だった。
しかし、以前はただの調査だったが、今回は何か手掛かりを見つけ出す必要があった。
俺は研究所の入り口に向かうと、警備員に声をかける。
「こんにちは。私達は小説家として取材に来たナツメとツカサです」
警備員は俺達を見て一瞬怪訝な表情を浮かべたが、すぐに笑顔を取り繕って答えた。
「あぁ、そうですか。それでは、身分証を確認させていただきます」
俺は身分証を提示すると、警備員はそれを確認してから俺達を研究所の中へと案内した。
研究所の中は広々としており、多くの研究員が忙しそうに働いている。
かなりの大型の研究所である事もあり、周囲に隠す事が出来なかった。
なので、堂々と研究所として、存在していた。
研究所の中を歩きながら、俺は周囲の様子を観察する。
ここには何か手掛かりがある筈だ。
そう思いながら、俺は研究員に声をかける。
「すみません。少し話を聞かせてもらえますか?」
研究員は俺の質問に答えてくれた。
そして、俺は彼から多くの情報を得る事が出来た。
しかし、まだ足りない。
俺は更に深く研究所の中を探索する事にした。
ナツメ先生としての顔が役に立つだろう。
ナツメ先生は研究所の中を自由に歩き回り、研究員と話をして情報を集めた。
そして、俺は彼女と共に研究所の中を探索した。
「・・・ツカサ様」
「・・・なんだ」
「しばらく、こちらで誘導しておきます。なので、ツカサ様は」
「分かった」
その指示の意味を理解すると共に、俺はゆっくりと離れる。
この研究所の、秘密を探る為に。