オリアナ王国への侵入。
それは、想像していたよりも早く行う事が出来た。
その理由を知るのは、簡単だった。
「ローズ・オリアナの結婚式?」
「そうみたいだよ」
オリアナ王国での俺達の滞在場所において、ゼータからの話。
その話題は、現在のオリアナ王国で再び戻ってきたローズが新たな王との結婚を行う事。
それを聞きながら、俺はその詳細をより調べた。
現状、行方不明となっている王に代わって、現状の国をモードレッドと呼ばれる人物が統治していた。
彼に関する、詳しい情報はこれまでなかったが、その腕前もあり、現状の王に最も相応しい人物だと称えられている。
それらを聞いて。
「おそらくはディアボロス教団だな」
「だと思うよ」
俺達はオリアナ王国に隣接する町の宿屋の一室で、食事を取っていた。
「現状を保ったままに、ローズ・オリアナは結婚。そうすれば、誰が王だという議論もなくなる」
「そう考えると、結婚式の前の方が動き易いね」
ゼータの言葉に俺は頷く。
そう考えた時に。
「ボース!!」
勢いよくドアが開き、そのまま俺に抱き締めてきたのはデルタ。
デルタが思いっきり抱き締めてきた事によって、俺は驚きながらも受け止める。
「おかえりぃ、ボスゥ。寂しかったよぉ」
「デルタも相変わらずというよりも、なんか変に重くないか?」
これまで、何度も抱えたので、デルタの体重をなんとなく把握は出来ていた。
だが、現在は明らかに重い。
そう思いながら、デルタの背中を見ると、そこにいたのは。
「よっ」
「いや、イータ。お前まで」
デルタの背中にはイータが乗っていた。
それを見て、思わず呆れてしまう。
「デルタは力が強いからイータを背負うぐらい楽なのです!それよりもボスと一緒に遊びたい!」
「あぁ、分かった。分かったから、とりあえずはこの王国の仕事が終わったらな」
「わぁい!ボスとのデートなのです!」
そう嬉しそうにするデルタ。
デルタを可愛がりたい気持ちもあるが今はそんな事をしている場合ではない。
ゼインとの戦いに向けて準備しなければならないからだ。
「ところでボスぅ。イータに教えてもらったのですけどぉ。ボスは雌猫から告白されたのですかぁ?」
「あーいやそのな……」
「だったら、デルタが一番!デルタがボスの一番になるのです!」
「はっ、馬鹿犬がツカサの一番は無理だよ、せいぜい三番目だね」
「むっ、雌猫は引っ込んでるのです。ボスとデルタは仲良しなのです!」
そんな感じで言い争う二人を見てため息が出てしまう。
「まぁ、それを決めるのは、ツカサだからね」
「むぅ、ボスが言う事ならば、仕方ない」
「そうそう、二人は二番か三番にしないと」
「・・・ちゃっかりと狙っていない、イータ」
「イータはそういう所があるです」
そんなやり取りを見ながらも。
「・・・どちらにしても、結婚する流れになっているんだけど」