結婚式が始まる。
それは、これからの戦いを告げるように。
「全く、貴族の飯はやっぱり旨いもんだな」
「ボス!これ全部食べても良いの!」
「食べろ食べろ!全部食っちまえ!」
俺とデルタは、厨房で料理が出る前に食べていた。
「・・・いや、何をやっているのツカサ」
「ここ最近、真面目な仕事ばっかりしていて、腹が減っていたからな」
「デルタも一杯我慢していたんだから、これぐらい良いでしょう!」
「いや、良くないよ。分かっているの。これから始まる結婚式の意味が」
そうしながら、ゼータは呆れたように言う。
けれど。
「どうせ、この一帯、吹き飛んで食料は無駄になるんだ。だったら、その前に食わないとな」
「・・・まぁ、否定は出来ないけど」
これから行われる結婚式。
その結果がどうなろうと、おそらくこの国は滅びる。
良き方向にしろ。悪い方向にしろ。
だからこそ、俺がこれからやる事は、それを良き方向にする事。
「はぁ、本当に、イータも何かって」
すると、イータの方に意見を求めようとしたゼータ。
けれど、そこにいたイータは、目の前にある食料で料理を作っていた。
「・・・イータはイータで、何をやっているの」
「料理」
「いや、なんで料理を」
「ガンマから、普段は節約であんまり高級なの使えないから。勿体ないから」
「いや、勿体ないって」
「あっ、そうか。よく考えれば、先にシャドウガーデンの方に食料を放り込んでおけば良かったんだ。デルタ!食料をありったけ、こっちに入れろ!」
「おぉ、ボスは賢いです!」
そうして、俺はオーロラカーテンを造り出すと、そのままデルタに指示を出して、そのまま食料をオーロラカーテンの向こう側に放り込む。
「いや、何をしているの、本当に」
それに対して、ゼータは呆れていた。
だが、俺は見逃していない。
俺達に呆れながら突っ込んでいるゼータだけど、ちゃっかり魚料理を食べているのを。
「・・・さて、それじゃ、行くとするか」
そうして、俺は立ち上がる。
「行くって」
「多分、そろそろ黒幕が動き出すからな」
「動き出すって、分かるの」
「長年の仮面ライダーの直感だ。何よりも、あんな気色悪い貴族同士の争いよりも、お前達との馬鹿騒ぎの方が俺に力をくれるからな」
結婚式で行われているのは、間違いなく貴族同士の気味の悪い争い。
ディアボロス教団も、ハンドレッドもそうだが、そういう人間同士の争いに俺は嫌という程、見ていた。
だからこそ、事が起きるまではここに避難していた。
何よりも、3人に対して、何かしようとしている奴らの視線を俺がキレない保証はないから。
「まぁ、潜入任務で慣れているけど、ツカサがそう言うならば、仕方ないか」
「ボスボス!ボスの新しい力!デルタも使ってみたい!」
「・・・研究させて欲しい」
そうしながら、俺達は会場に向かっていく。