その言葉に疑問に思い、俺は見つめた先。
そこに立っていたのは、一人の男。
だが、俺が注目すべきは男の姿ではなく、男の腰と手にある物。
「あれはっゼインのっ」
「っ」
男が手に持っている白いプログライズキー。
それは間違いなくゼインに変身する為のプログライズキーである事は間違いない。
同時に、奴がここにいる以上は。
「なぜ、ここに」
「決まっている、せっかくのエネルギーがここにあるのだから」
呟きと共に、その手にある仮面ライダーゼインプログライズキーが吸い込んだ力。
それは、空にある黒い何かだった。
「あれが、黒キ薔薇」
「そう、そして、そのエネルギーの性質はオーロラカーテンよりもとある現象に近い」
「現象?」
「新世界」
「っ」
その単語を聞けば、それだけで納得してしまう。
「新世界?」
「・・・仮面ライダービルドの歴史の中で起きた出来事だ。二つの世界を融合させて、新たな世界を作り出す事だ。この現象は、過去にも幾度とあり、それは俺のディケイドの力にも大きな関係がある」
「黒キ薔薇はそれを簡易的だが行う事が出来る。最も、本当に世界を融合させる事は出来ないが、世界を融合しようとした僅かなエネルギーは生み出される」
「まさか」
そうして、まるで力が満ち溢れたように仮面ライダーゼインプログライズキーは光輝き。
『ゼイン!』
鳴り響く音声から、完全に起動した事が一目で理解出来る。
「不完全な力を、こうして目覚めさせるには十分な力を持つ。変身」『ゼインライズ!JUSTICE! JUDGEMENT! JAIL! ZEIN!"Salvation of humankind."』
鳴り響く音と共に、奴の姿は変わる。
ゼインドライバーに装填すると青い光球と赤色の光球が出現する。
それは、こことは異なる世界の光景であり、徐々に男の姿は、ゼインへと変わっていく。それこそが変身。その結果、そこにいたのは、仮面ライダーゼイン。
そう、変わった姿は白と銀の鎧。
まるで聖騎士を思わせるようなデザイン。
白の部分はまるで光を纏っているように輝きながらも銀の鎧部分は冷たくも感じられる。
「あれがっゼインっ」
それと共に、その場にいる全員が思わず警戒する。
「はぁ、話には聞いていたし、その力は危険だと理解していたからな」
『そういうあなたはなぜこのような事をしているのですか、ディケイド』
俺の言葉に合わせて、ゼインがこちらに問いかける。
それは、先程までの男とは違う。
「あれ、さっきとは声が違うような」
「大方、ゼインに意識を乗っ取られたんだろうな」
「ゼインに?」
その事に疑問に思ったイータは首を傾げる。
「この男の意識は乗っ取る事はとても容易かったので」
「制御出来ると思っていたのか、ゼインを」
そうして、俺は見つめる。
「それで、ゼイン。お前はこの世界で何をするつもりだ」
「決まっています。私の目的は、過去でも、現在でも、未来でも変わらない。悪しき心を持つ者には、天罰を下す」