あの里から去ってから、俺は、どうするべきか考えていた。
ディケイドの力。
この存在はおそらくは向こうも知られている。
ハンドレッドの奴らからしたら、この力は邪魔である事は間違いない。
だからこそ、この世界の住人を使い、力を奪わせようと考えるかもしれない。
「ディケイド、その」
「・・・まぁ、旅先ではよくある事だ。ガキがそんな心配そうな顔をするな」
だが、一番、考えるべきは、ガキ共の安全だ。
何時までも一緒にいてはいけない。
一緒にいたら、こいつらは幸せになれない。
そんな考えをしながら、とある森に入る。
森と言っても、近くに領地があるらしいが、詳しい事は知らない。
それでも、街まで遠い為に、その日は野宿をする事にした。
「さてっと、さっさと飯にするけど」
「おぉ、ご飯です!けど、これっぽち」
「あのなぁ、だから言っただろ、食える時に食ってろって」
そうしながらも、俺達はそのまま食事を行おうとした。
少し文句を言いたそうな、犬のガキがこちらを見ていた。
「はぁ、とりあえず、俺は少し食欲ないから、食っておけ」
「おぉ、本当ですか!ボス!」
「あっ、こら、馬鹿犬」
「良いんだよ、本当に」
実際に、食欲を無くそうと思えば、無くせる。
人間らしい感情を保つ為に。
すると、こちらを見つめる気配がある。
「・・・ちっ、まったく」
そうしながらも、俺はその手にあるライドブッカーを、既に構えていた。
そして。
「おい、さっきから見ているだろ、出てこい」
そうして、俺は叫ぶ。
すると、こちらの声に対して、警戒しながらも、出てきたのは。
「あぁ、ガキ?」
そこにいたのは、金髪のガキ。
だが、それと共に気になるのは、黒いスーツ。
ここまでの道中では、見た事のない種類だが、見る限りだと、何か特別な何かであるのは分かる。
「・・・貴方達の事は、少し前から見ていたわ。だからこそ確認したいわ」
「へぇ、ガキが偉そうにね」
「怪しい相手には毅然とした態度で行う物よ」
「そうか、まぁ、良いわ」
それと共に、俺はその手にあるライドブッカーをそのまま腰に仕舞う。
「ガキを相手に、殺し合う趣味はない。てめぇがこいつらに危害を加えないならば、別にどうでも良いよ」
「そう、ならば、確認したいわ。あなたはその子達を連れて、何を目的にしているの?」
「・・・話して、どうするんだ?」
「目的次第では戦うという事よ」
そう、そいつはこちらを睨む。
俺もまた、そいつの目を見る。
見る限りだと、こいつの言葉は信頼出来るだろう。
どちらかと言うと、怪しい部分はあるが、それでもこいつらに危害を加えるつもりはない。
今の所は。
「はぁ、こいつらが安全に暮らせる場所を探している。まぁ、お前達の言う所の悪魔憑きだったからな」
あえて、その情報を出す事で相手がどのように出るのか。
すると、ガキは驚いたように見る。
「まさか、あなたが治療したの、悪魔憑きを。彼以外にも」
「・・・その言葉を聞く限り、悪魔憑きを知っているのか」
「えぇ、私達も、悪魔憑きだったから」
「そうか、それ以外にも二人の気配があったからな、まさか」
悪魔憑きを治せる存在がいるとはな。