「・・・俺に、一体何の用だ」
そう問いかけると、ディエンドは、呆れたように見つめる。
「何の用かって言われると、そうだね。あえて言えば、君はそろそろ次の世界に向かわないといけない。それを伝えに来たんだ」
「次の世界」
それは、俺の力が原因だろう。
「君が心配しているあの子達の居場所は、既に見つかった。シャドウガーデン。あれがあの子達の居場所となるよ」
「・・・なんで、そう言えるんだ」
「君よりも、ずっと長い間、旅をしていたからね」
そう、ディエンドは、こちらを見ていた。
「それに、君自身、その力、返したい。いや、押しつけたいんだろ」
「・・・正直に言えば、どちらもだな」
ディケイドの力。
それは、あの世界の終わりを目撃してから、俺の中にあった力。
その正体は、俺自身も最初は分からなかった。
けど、その正体は。
「かつて、タイムジャッカーという組織がいた。奴らは、ディケイドから、ライダーとしての力を奪い取った。けれど、その力は士が事前に半分にしていたディケイドの力。
そして、あの日、ジオウの世界が崩壊したあの瞬間。
ディケイドの力を手にしていたアナザーディケイドは、倒され、その力は、偶然いや、この場合は運命だったかな」
そのまま続ける。
「ジオウの世界にいた君、門矢ツカサの手元に来た」
「・・・」
「本来ならば、アナザーディケイドとなっていたかもしれない。
けれど、君は、平行同位体と言える士の影響なのか。君は、その力を、ディケイドとして得られた」
「そんなの、分かっている。俺自身が使うのは間違っている事なんて、何よりも、紛い物の俺は、他の人達を助ける事なんて、出来なかったっ」
そう、俺は自分が無力だった事を理解する。
これまで、21の世界を旅した。
どのライダー達も、自分の力で戦っていた。
彼らと同じ力を得たとしても。
俺自身は、ハンドレッドと変わらない。
「だから、俺に力を持つ資格はない。けれど」
「・・・ハンドレッドは、この世界では未だに数は少ない。君がこの世界にいる事と共に、既に警戒している。故に、君は次の世界へと巡る必要がある」
「・・・あぁ、そうだな」
それと共に、俺は俯きながらも、近くの湖を見る。
そこには、ガキ共の姿が見えた。
その内の一人がこちらに気づき、駆け寄る。
声は、聞こえない。
ミラーワールドで、こちらの声は聞こえないのだろう。
俺はそんなガキ共を見ながら。
「あぁ、そう言えば、いっつもガキ共って呼んでいたから、名前、知らないんだよな。いや、忘れちまうと思っていたから」
俺は、そう言いながらも、奴らを見る。
犬のガキは、相変わらずこっちに早く来るように叫んでいるだろう。
けれど、他の奴らは、どこか察した様子だった。
「・・・せめて、お前らが差別されない所で、安心した。これで、俺は、また旅に行ける」
「さて、それじゃ、さっさと行こうか」
「あぁ」
そうして、俺の目の前にオーロラカーテンが現れる。
それと共に、歩く。
ミラーワールドの先で、ガキ共は察したようだけど、俺は振り向く事は出来ない。
そうして、俺は、その世界を去った。
「・・・ここが新しい世界か」
そう、俺は呟きながら、見上げる。
未だに終わらない旅。
そうして、辿り着いた世界は。
「・・・今度は、日本か、それにしても、飛電?なんだ、この世界は」