翌日の事だった。
ガキ共が起きる前に、ある程度の食料を確保して、俺達は食事を行った。
幸い、キャンプ飯の心得があり、そのまま食事を行った。
「とりあえず、腹は膨れたな。まず、お前達に聞きたい事はあるが、お前達は日本は知っているか?」
「日本?知らない、お姉ちゃんは?」「私も、知らないよ」
そう、二人共、嘘をついている様子はない。
その事から、この世界は他の世界とは、違うようだ。
数多くの世界を回ってきたが、そのほとんどが日本であった。
故に、今回の世界もまた日本だと思ったが、どうやら違ったようだ。
「それじゃ、次だ。悪魔憑きって、一体なんだ?」
「その前に、私からも聞かせて欲しい。そっちばっかり質問するのは不公平だから」
そう、少女は警戒するように、尋ねてきた。
ふむ、なるほど、道理ではあるな。
「まぁ良いだろう、好きな事を聞け」
「・・・それじゃ、ディケイドも悪魔憑きなの」
「違うな、悪魔とは言われているが、悪魔に憑かれた事はないな」
「そういう意味じゃないけど、それじゃ、悪魔憑きが知らない程の遠い場所から来たのか」
そう、少女は僅かな情報だが、知られたようだ。まぁ、知ったとしても、大して痛くない。
常識的に考えれば、別の世界から来たとは考えられないからな。
「それじゃ、お前の話の続きだ。お前の言う悪魔憑きって一体何なんだ?」
「ある日突然、女性の身体が腐りだして死ぬ奇病。発現した患者は例外無く体が崩れて醜い肉塊になり果てるんだ」
「・・・」
その言葉を聞きながら、俺はある考えを巡らせた。
少女を治す際、リプログラミングを行った際に、感じたのは病気というには可笑しな部分が多かった。
おそらく、あの現象に一番近いのをあえて言えば、鎧武の世界のインベスに近い。
インベスは、ヘルヘイムの森の果実には他の生物の体組織を変異させ、インベスへと変える。
それを考えれば、悪魔憑きというのは、もしかしたら何か別の生き物に変える途中だったかもしれない。
「まぁ、どちらにしても、面倒な奴が絡んでいるな」
それだけで、ある程度は理解出来た。
「さて、次の質問はなんだ?」
「・・・ディケイドは」
すると、弟の方がゆっくりと俺に尋ねる。
「ディケイドは、なんで助けてくれたの?」
「あえて言えば、気まぐれだ」
そう、答えるしかなかった。
「・・・とりあえず、さっさと雪山を降りるぞ」
「うん、けど、ここからじゃ村までは」
「まぁ良い、ガキ共。これは黙って秘密にしておけよ。文明レベルがあまりにも違い過ぎるからな」
そうして、俺は、ネオディケイドライバーをそのまま腰に回す。
同時に、俺は眼前に、愛用のバイク、マシンディケイダーを呼び出す。
「えっ、それって、何?」「見た事がないけど、馬?」
「ある意味、間違っていない。けど、少し違うぞ」
そうして、俺は、ネオディケイドライバーを開く。
そして。
『ATTACKRIDE Tridrone TYPE WILDE!』
鳴り響く音声と共に、マシンディケイダーの形は変わる。
その形は、先程までのバイクではなく、巨大な黒い車。
トライドロンへと変わる。
「これは一体っ」「すごいっ!」
それを見て、驚きを隠せない様子だった。
「さっさと乗れ、ガキ共。さっさと下に降りるぞ」