悪魔と呼ばれ慣れて   作:ボルメテウスさん

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騎士団からの逃亡

その日の朝、登校した俺達を待ち受けていたのは、ゼノンだった。

 

なぜ、ゼノンがここに、騎士団を引き連れてわざわざここに来たのか。

 

理由は知らないが。

 

「知っての通り、アレクシア王女が昨日から寮に戻っていない。異常事態と言う事で調査を開始した所―――現場から、これが発見された」

 

それと共に、手に持っていたのはブーツ。

 

おそらくはアレクシアの持ち物だと考えられる。

 

だが、なぜそこでわざわざ、これを持って来たのか。

 

それは猿でも分かる事。

 

「アレクシア王女のブーツ、それも片方だけ。これが発見された場所には、戦闘の痕跡も確認された。―――紛れも無く、誘拐だ。そしてその容疑者に、シド・カゲノー君。君が第一候補として挙がっている。そして、ツカサ・カドヤ君。君も同席していたという情報もあり、第二候補としてあげられた」

 

それと共に、俺達の周囲に騎士団が取り囲んでいた。

 

それは、彼らがこれから何を行うのか、証明するように。

 

そう言って僕を見据えるゼノンは

 

「騎士団が君に話を聞きたいそうだ」

 

入り口には、完全武装で殺気立った騎士団。

 

「協力してくれるね?」

 

それと共に、俺達を取り囲んでいる。

 

だが。

 

「・・・あぁ、すいませんが、少し用事を思い出しました」

 

こいつらの目、絶対に犯人は間違いなくこいつらだと証明している。

 

それに付き合う必要はない。

 

そう判断した俺は。

 

「悪いが、早退させて貰いますよ」

 

それと共に、俺は奴らを掻い潜り、走り出す。

 

「なっ、待てっ!」

 

一瞬、驚いた奴らは、すぐに追い始める。

 

周囲の学生達は驚いてこちらを見ているが、それらを無視して、俺は走る。

 

「おい、止まれ! 逃げるんじゃない!!」

 

そんな声を無視しながら、俺は走り続ける。

 

周囲の声を聞く限りでも、俺を捕らえるように騎士団の連中が指示されている事は明らかだった。

 

だからといって、素直に従う理由にはならない。

 

「逃すな! 捕らえろ!!」

 

それと共に、後ろからは追いかけてくる気配がする。

 

恐らくは騎士団員だろう。

 

しかし、この程度なら振り切れる筈だ。

 

それと共に、俺はとあるカードを取り出す。

 

ゆっくりと、近くの時計を確認すれば。

 

まだ時間はあるようだ。

 

「1、2、3」

 

だからこそ、俺はそのまま、時間を数えながら、ゆっくりと見つめる。

 

そして。

 

「このタイミングだな」

 

そうして、そのまま俺に迫っていた騎士団を無視し、近くのドアを開ける。

 

その次の瞬間。

 

「のわぁ」

 

こちらに驚く声が聞こえながらも、俺はそのまま無視し、近くの椅子に座る。

 

「少し厄介になるぞ」

 

「お前っいきなり入ってくるなよぉ!!」

 

そうしながら、俺の方に悪態をつく奴を無視する。

 

「仕方ないだろ、面倒な奴に追われたから、とりあえず落ち着ける場所でここに入って来たんだから」

 

「だからと言って、わざわざ入ってくるなよ、たく!」

 

そんな文句を言う奴を無視しながら、そのまま椅子に座る。

 

それと共に、俺は窓の外を見る。

 

「にしても、まさか別の世界に行ったけれど、こうしてここに入れるとはな。できなかったら、まぁ別に良いやと考えていたけどな」

 

「その大胆さはディケイドにそっくりだね、君は。それで、何に巻き込まれたんだい?」

 

そう、各々がこちらに話しかける。

 

窓の外に広がるのは砂漠だけ。

 

そして、俺が逃げ込んだ場所。

 

その場所の名前は、デンライナー。

 

またの名を時の列車。

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