デルタは、街の中にある臭いを掻き分けながら走っていた。
なるべく街の住人に見つからないように。
「なんだか、可笑しいです」
デルタは疑問に思うのは、追っているハンドレッドに関する事だった。
ツカサを見つけた後、ハンドレッドの臭いを追っていたが、そのハンドレッドの居場所がまるで分からなかった。
臭いを正確に見つける事が出来る。
だが、まるで煙が消えるようにいなくなる。
それを繰り返し行っており、追跡する事は出来ない。
「あぁ、こういう時に雌猫がいれば、駄目駄目!デルタ一人でやらないとボスは認めてくれない!けれど、どこを探せばぁ!!」
デルタは、そう頭を抱えながら、叫んでいく。
元々、考える事が苦手なデルタにとって、それを見つける事は難しい。
何よりも得物が、霧のように掴む事が出来ない。
「あぁ!こういう時にはどうすれば良いんだぁ!ボスぅ!!」
デルタはそうしながらも、記憶の中にあるツカサとの想い出を探っていく。
その中に、何かヒントがないのか。
基本的に記憶力がないデルタだが、ツカサが語った話は覚えている。
そのおかげで何度か危機を脱した事もあった。
だからこそ、考える。
「いきなり消えるのなんて、ボスの使っていた奴みたいにいなくなった?けど、臭いはばぁっと広がって、大きくなった感じがするから違うよねぇ、本当に霧みたいに」
それと共にデルタは、立ち上がった。
「そうか、霧になったんだ!だから見つけにくいんだ!」
デルタは笑みを浮かべ、自信満々に笑みを浮かべながら言った。
その言葉を、その場に他のメンバーがいたら、呆れていただろう。
だからこそ、デルタは。
「霧で分からないんだったら、霧まで細かく嗅げば良い!」
それと共にデルタは大きく臭いを嗅ぐ。すると、その臭いの中からハンドレッドと思われる臭いを見つけ出す。
「見つけた!こっちだ!!」
そして、そのまま走り出して行く。
それは犬のような嗅覚による物ではなく、デルタ自身の感覚的な部分が大きかった。
「待ってろぉ!!今行くぞぉ!!」
そんな事を叫びながら、デルタは走って行った。
周囲には気づかれないように。
そして、また霧のように消えたとしても、すぐに対応が出来るように。
それと共に、深夜。
デルタは、その存在を発見する事が出来た。
「がるるるぅ!見つけたぁ!!」
その叫びと共に、発見したハンドレッドの刺客。
黒いコートを身に纏い、顔を隠している。
「・・・何を見つけたと言うのかなぁ?」
「お前だぁ、ハンドレッド!」
「ハンドレッドねぇ、そんな証拠、どこにも」
そう、男が答える前に、デルタは既に蹴り上げていた。
男は、その事に驚きを隠せない様子だった。
デルタの蹴りは、そのまま後ろにある壁を壊し、亀裂を生む。
「これは驚いた、まさかこちらの言葉を聞かずに攻撃を仕掛けるなんて」
「ぐるるるっ!!」
デルタが、そのまま戦闘態勢を維持したまま、男を睨む。
「正直に言えば、今回は顧客の要望を聞いてサポート程度に考えていたが、仕方ないね」『ルシファー!』
鳴り響く音声と共に、その男の腰には既にドライバーがあった。
手にはプログライズキーがあり、それを前に男は構える。
「変身」『プログライズ!アーク!"The creator who charges forward believing in paradise.""OVER THE EDEN."』
鳴り響く音声と共に、男の身体は変わる。
その身体を包み込むのは、骨を思わせるスーツ。
それを見た瞬間から、デルタは警戒を高めながら、その仮面ライダーを睨む付ける。
「仮面ライダールシファー、自己紹介が終わったし、始めようとしようか」