仮面ライダールシファーと名乗った。
だが、その次の瞬間には、デルタは既に接近していた。
その身に纏っている漆黒のスライムスーツは変幻自在に形を変える事が出来、デルタの戦闘スタイルに合わせるように、その手は鋭い爪を生やす。
そのまま、ルシファーに向けて、手刀を放つ。
「ほぅ、これは」「ぐっ!」
それと共に見ると、ルシファーの身体はバラバラに分解されていた。
身体からは血のように赤い霧は出ているが、まるでダメージを受けている様子はなかった。
ルシファーはそのままデルタに向けて、蹴り上げる。
本能でその攻撃を受け止めたデルタは、そのまま距離を取るように後ろに下がる。
「お前、本当に霧なんですかっ!」
「霧か、その表現は面白いけど、違うね」
「どちらでも良い!倒す!!」
デルタはその叫びと共に、真っ直ぐとルシファーに突撃する。
その速度は先ほどまでとは比べ物にならない程であり、デルタは一直線に、ルシファーに向かっていく。
それに対して、ルシファーは何もせず、ただ立っているだけだった。
そして、デルタの手刀がルシファーの身体を貫く。
それは確かな感触だった。
しかし、貫かれたはずのルシファーは、そのまま何もなかったかのように、そこに立っていた。
そんな光景を見ても、違和感しかなかった。
「ほら、そんな所に突っ立てて良いのかな」
「っ!」
ルシファーの言葉。
それと同時に後ろを見れば、そこにはルシファーの腕があった。
手には、弓があり、そこから放たれた攻撃がデルタに襲い掛かる。
デルタはすぐにその攻撃を避ける。
「グルルル!!」
うなり声と共に、周囲を見る。
霧のような存在。こちらからの攻撃は当たらない。だが、ルシファーからの攻撃は当たる。
そのような相手に対してどうすればいいのか。
「関係ない!殺せるまで続ける!!」
まさしく野生の獣のような考えで、デルタは動く。
だが、どれだけ攻撃しても、その全てが通じない。
いくら攻撃を仕掛けても、全て同じ結果になる。
その事に苛立ちを覚える。
(なぜだ!!なぜ、デルタの攻撃が全て通らない)
目の前にいる敵を倒すために、必死になって考える。
しかし、考えても答えが出ず、思考だけが空回りする。
そして、気が付けば、デルタは地面に倒れていた。
「獣を仕留めるには疲れさせるのが一番だね」
「ぐぅ」
デルタは、認めたくなかった。
強くなった。強くなって、今度こそ、ボスと一緒に。
そう考えたのに、それが敵わなかった。
「さて、ここで終わらせるとしようか」
そのような声と共に、ルシファーが迫る。
殺される。
デルタが、そう思考した時だった。
「全く、この力はあんまり使いたくなかったんだがな、こういう奴には有効か」『FORMRIDE アークワン!』
鳴り響く音声と共に、ルシファーの動きは止まった。
「なっ、ぐっ、がぁぁぁ!!」
聞こえた音声。
それと共に、ルシファーは苦しみ始めた。
デルタは、ゆっくりと見上げる。
そこに立っていたのは、一つの戦士。
姿は、白い飛蝗を思わせる戦士であり、ルシファーとどこか似ている要素があった。
だが、違うのは、その腰にあるドライバー。
それこそ、デルタが、探し求めていた人物。
「ぼぉすぅ」
必死に、なんとか呼ぶ。
小さな声で。
けれど、その声を、彼は聞こえなかった。
「なぜっだ」
「お前がここまで派手に暴れたからな、なんとか見つけられたよ。まぁ、どういう状況かさっぱりだったがな」
そうしながら、彼は余裕そうに言う。
「ルシファー、てめぇの持つナノマシンは厄介だからな、だから封じさせて貰ったぜ。まぁ強化に近いけどな」
「強化だと、なぜ」
「なぜって、決まっているだろ、それにはお前の意識とのリンクをかなり高めている。故にそのナノマシンで受けたダメージはそのまま本体にも来る」
「っ」
デルタは、その言葉の意味は分からなかった。
けれど、必死に叫ぶ。
「・・・似ているけど、さすがに違うよな」
ぼそりとツカサは呟きながらも、ルシファーを見つめる。
「アークの力で、対抗するっていうのか」
「お前を倒す為に、確かにこの姿にはなった」
そうしながら、新たなカードを取り出し、そのまま装填する。
「けれどな、本番はここからだよ」『FORMRIDE ZERO-ONE リアライジングホッパー』
それと共に、ディケイドの姿が変わる。
そんなディケイドの姿を見て、デルタは目が、自然と輝かせる。
『プログライズ!イニシャライズ!リアライジングホッパー!"A riderkick to the sky turns to take off toward a dream."』
それと共にディケイドの姿は先程の白く禍々しい姿とは一転。
蛍光イエローの戦士へと変わる。
「ゼロワンだとっ!まさかっ既に」
その言葉と共に、ルシファーは驚きを隠せなかった。