クロスギーツを見た瞬間に感じたのは違和感。
これまで幾度となく、ハンドレッドと戦ったからこそ、理解している。
彼らは、これまで仮面ライダーの力をただの道具という認識でしかなく、その道具の性能に頼りきっている。
だが、目の前にいるクロスギーツは違う。
確かに力は、クロスギーツであるのは間違いない。
おそらくはハンドレッドが使っていた模造品であるクロスギーツだろう。
だが、問題は、そのクロスギーツの力が装着者の力に追いついていない事。
本来のクロスギーツの力は、仮面ライダーギーツから奪い取った『神の力』『ギーツの力』『ギーツの技』『ギーツの運』のそれらを兼ね備えた存在だ。
だが、今のクロスギーツは、かつてのギーツに感じたそれらはない。
おそらくは、ブーストマークⅢレイズバックル及びブーストマークⅨレイズバックルにある力だけであり、ギーツ本人の力はない。
故に、今のクロスギーツは見た目は似ており、ブーストレイズバックルの純粋な身体能力のアップを引き上げた存在だろう。
だが。
「まさか、ハンドレッドの中でもこんな奴がいたとはな」
創世の力を再現出来ないからこその模造品。
しかし、その模造した力を上回っている眼前のクロスギーツの力は。
はっきり言えば、格が違う。
だからこそ、俺はその手には既に『ギーツⅨ』のカードを取り出していた。
だが。
「否、我はハンドレッドではない」
「へぇ?」
その言葉を、俺は聞く。
「我が名はシャドウ」
「・・・シャドウ」
その一言を聞けば、俺は睨み付ける。
「なるほど、お前には聞きたい事が出来た。だから」
それと共に、俺は既にライドブッカーをゼノンに向ける。
「お前は邪魔だ」
「ぐっ」
そうしていると、ゼノンはその手にはドライバーを持っていた。
「仮面ライダーの力は確かに厄介だ!けれど、それは僕もまた持っている!」『MONSTER JYA MA TO READY FIGHT』
鳴り響いた音声と共に、ゼノンはその腰に装着したデザイアドライバー。
そこにあるジャマトバックルとモンスターレイズバックルを装填する事によって、奴は仮面ライダーいや、ジャマトライダーへと変身した。
「ふぅん、その姿になったという事は」
だからこそ、俺は手に持っていたギーツⅨをライドブッカーに戻し、その代わりにギーツのカードを取り出す。
「お前は倒される覚悟はあるんだな」『KAMEN RIDE GEATS GET READY FOR BOOST & MAGNUM READY FIGHT』
装填したネオディケイドライバーから鳴り響いた音。
それに合わせるように、俺の姿もまた一変する。
白い狐。
これらを見ていたアレクシアとシャドウから見れば、俺がシャドウと同じ姿になったと思われるだろう。
「シャドウと、同じ姿」
「・・・なるほど、それもまた模造か」
「間違いではないな、俺自身は本物ではない自覚はある。だが」
「ふっ、それを担うだけはあるという事か」
俺の言葉に対して、そうシャドウは仮面の下で笑みを浮かべていた様子だった。
「シャドウと同じ姿、だが、それでどうにか出来ると思うのか」
「さぁな、試してみたらどうだ」
俺はそう挑発するように言う。
それにぶち切れたのか、ゼノンは。
「巫山戯るなぁ!」
それと共に、ゼノンはすぐに地面に落ちていた剣を拾い、こちらに迫っていた。