「・・・ふぅ」
シーカーを倒した事で、少しだけ息を吐く。
未だに、学園の占拠が続いている状態。
だからこそ、油断する事は出来ない。
この辺の、ハンドレッドかディアボロス教団だと思われる奴らは既にいない。
「けれど、奴らが人質を使って、何かをする可能性がある。すぐにでも離れるか」
人質が、現在、どこに集まっているのか。
それを探る為にも、俺はその場から消える。
そのまま変身を解除すると共に、シェリー達の所へと合流しようとした。
「動くな」
「っ」
そう、歩きだそうとした時。
俺の背後で、銃口を押し当てた。
この世界では威力が低く、使われる事がほとんどない銃。
それが、俺の頭を抑えつけている。
背後から来る殺気と共に、俺は冷や汗を掻いていると。
「いやぁ、君はやっぱり面白い反応をするね」
「・・・その声、海東大樹か」
「ははぁ、相変わらず鋭いね、偽物君」
そうして、振り返れば、そこにいたのは海東大樹こと、仮面ライダーディエンドがいた。
奴は、門矢士と浅からぬ因縁の存在。
そして、奴の目的を考えれば、おそらくは。
「アーティファクトが狙いか」
「ふふっ、さすがだね、偽物君とはいえ、さすがだね」
「・・・その偽物という言い方は、もう止めろ。俺はもう、2人目のディケイドとして、これから戦うつもりだ」
そう宣言すると、海東大樹は少し、驚いたように目を見開く。
すると。
「驚いたなぁ、自殺志願者のような君が、まさか生きる為にやっているとは。まぁ、そういう事だったら良い。けど、僕の邪魔をするんだったら、容赦はしないよ」
「邪魔ねぇ、といっても、今の状態だと、お前が手に入れたいアーティファクトは不完全なままだぞ」
「ふむ、それは困ったなぁ」
海東大樹の行動は、基本的にお宝。
そのお宝が手に入れる事が出来れば、人道や法・社会正義に外れた行為も、仲間・友人に対する裏切りも厭わない。
「そういう事ならば、専門家を呼んだけど、彼女の知恵を借りれば、一発じゃないかな」
「あぁ?」
こいつに知り合い?
そんな疑問と共に、俺を後ろから抱き締める感触。
そうして、俺が振り返ると。
「・・・やっぱり、全然変わっていない」
そう、こちらを見つめるのは、エルフだろうか。
気怠そうな目をしながらも、俺を見下ろしているのは、どこかで見た事があるような目。
けれど。
「お前、誰だ?」
「・・・誰だって言うのは、酷い。けど、ディケイドはあれから全然変わっていない」
「あれから?何を言っているんだ?」
俺は、疑問と共に、なぜか答えを知っているような。
そんな気がした。
「あの頃は、名前を名乗らなかった。けど、基本的にディケイドが言ったのを忠実に守っている」
「どういう事だ?」
そう、俺が問いかけると。
「『ラブ&ピース、愛と平和を心に刻んで』、それが私の研究する際に考えている事」
「ぇっ」
それを、教えたのは、誰だか分かる。
なぜ、ここに。
何よりも、その容姿は、あまりにも変わりすぎている。
けれど、その言葉と共に、どこか納得してしまう俺がいる。
俺は、こちらを見つめる彼女の顔を見る。
「お前、マッドサイエンティストのガキなのか」
「今はイータ。まぁ、マッドサイエンティストなのは、今でも変わらないけど」