驚きを、隠せなかった。
今が、学校を占拠されている状況なのは、理解している。
けれども。
それ以上に。
今、俺の目の前で、探し求めている人物の一人がいた。
「・・・やっぱり、魔力が上手く練れない。ディケイドを拘束する事は、出来ない」
「なんだか、会わない間に随分と物騒な事を考えるようになったな」
「・・・だって、ディケイドがまたいなくなるでしょ、その前に色々と実験したいから」
「そっか、そうだよな。勝手にいなくなって、悪かったよ」
そうしながらも、俺は頭を撫でる。
最初は、驚いた表情をしたが、そのまま俺を抱き締める。
「成長したつもりだけど、なんだか安心する。変わっていないな」
「そうか、にしても、名前は」
「イータ、それが今の私の名前」
「そうか、イータか」
思いっきりアルファベット語ではあるが、今は気にしないでおこう。
「さて、感動の再会は良いかな?イータ、交換条件で君にはアーティファクトを手に入れる手伝いをして貰うよ」
「・・・分かった、けど、ディケイドがいなくならないようにしたい」
「一応は、俺にもこの世界での立場があるからな。お前の望みは平和的だったら、叶えるからな」
「実験台、しても良い?」
「はぁ、そう言えば、会ったばかりの時に言っていたが、まぁ良い。時間があったらな」
「よしっ」
笑みを浮かべたイータは、そのまま俺の手を握っている。
「くくっ、君も随分と面白い事になっているねぇ」
そう、海東大樹は、こちらを完全に面白がっている様子。
「・・・あのディエンドドライバーも、解体したい」
「・・・ふむ、叶えても良いかもな」
「・・・君達2人は、随分と物騒な事を考えるな」
こっちを完全に馬鹿にしている海東大樹の鼻をへし折るにも丁度良いかもしれない。
「それよりも、ディケイド」
「おっと、その名前を無闇に出すな。まぁ、ツカサと呼べ」
「・・・分かった、ツカサ。それで、今、この状況って、アーティファクトのせい?」
「まぁ、そうなるけど」
「・・・実に興味深い。すぐにでも分解したい」
「あぁ、そうしたいのは山々なんだけど、詳しい資料は学園の中にあるから。今、そこに向かっている所」
「・・・そうなんだ、だったら、ツカサ、おんぶ」
「おんぶって」
俺は、さすがにどうかと思った。
けれど、目を潤ませる彼女の言葉に俺は。
「はぁ、仕方ない、さっさと乗れ」
「ぶい」
そのまま、俺はイータを背負った。
それにしても。
「子供の成長って、こんなに早かったか?」
「さぁね、世界が変われば、成長速度も違うんじゃない?最も、たった2年で子供から一気に成人に近く成長するのは、さすがに驚きを隠せないけどね」