シドが、その場にいたのは、偶然であった。
彼は元々、ローズの付き添いで、女神の試練の見学へと来ていた。
だが、そこで行われたディケイドによるメインイベントを見て、存分に楽しんでいた。
だからこそ。
「ふむ、これは」
既に彼は、考えていた。
復活した仲間。謎の遺跡。それを追う主人公。
そんな主人公の戦いに介入した陰の実力者。
「完璧だ」
そのイベントをすぐに実行する為に、聖域に自ら、入った。
結果は。
「間に合わなかった」
「会った時から、色々と大変そうね」
シドは、ディケイドの戦いに間に合う事は出来なかった。
魔力の操作を効率的に行う為に。
という建前よりも、すぐにでも介入できるように常にクロスギーツに変身した状態で聖域を歩いていた。
道中で、アウロラと呼ばれる女性を助けたり。
同じく道に迷っていたという男性と一緒に行動したりしていた。
だが、そんなシドは、結局はメインイベントに参加する事は出来なかった。
出来なかったのだが。
「お前はっ」
そう、ネルソンが二人を見て、驚きを隠せない表情をしていた。
全てのイベントが終わりを迎えたが。
(これはっ全ての出来事が終わったが、実は生きていた黒幕が逃げだそうとする前に立ちはだかり、解決に導いた陰の実力者イベント!まさか、こんな所まであるとは!!)
ここで陰の実力者イベントが起きたと、シドはすぐに考えた。
「我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者」『XGEATS STRIKE』
そう、シドはすぐに自身の名を告げると共に、スロットルレバーを1回引く。
「ここでっ、死んでたまるかっ」『INSTALL!INNOVATION & CONTROL, GAZER』
それと共にネルソンもまたゲイザーに再び変身し、ドミニオンレイを操作して、真っ直ぐとシドに襲い掛かる。
だが、それに対して、シドは。
「ふぅ」
手に黒い炎を纏い。
襲い掛かるドミニオンレイを次々と殴り、打ち砕いていく。
「へっ」
一瞬。
それだけで、全てを打ち砕いた事に、ネルソンは。
「化け物が、ここにもいたなんて」
自分の理解を完全に超えたシドに対して。
ツカサに対して同じ答えを出すと同時に。
シドは、既に回し蹴りを放った。
その蹴りを受けたネルソンは、その感想を呟きながらも、そのまま吹き飛ばされた。
それが、丁度聖域の制御装置。
そのまま。
「あっ」
「どうしたの?」
「あそこで爆発したら、ここの聖域、全部が爆発するわ」
「・・・」
アウロラの、その言葉が、まるで引き金となったように。
聖域は、その日、消滅した。