隠されていた扉の中に入ると、視界一杯に広がった景色は何処か見覚えのある場所だった。
「ここが……聖域?」
疑問の声が出る。
その疑問は、周囲の景色。
それは、ここ最近、俺が主に活動している場所であるミドガル王国の町の景色そのものである。
「リンドブルムにあったものとは別物だろうけど、ここも聖域の一種ってところじゃないか? 内部の仕組みは共通点がある様に見えるし」
「もしくはあっちの聖域の元になった別の聖域とかね」
それは、仮面ライダーに言える事でもあり、どちらかオリジナルなのか、そうでないのか。
それに関しては分からない部分が多い。
「……成る程」
その推測に対して、イータもまた納得するように頷く。
「けれど、ツカサの言う通り、ここじゃ魔力の生成があまり上手くいかないね」
そうしながら、ゼータはその手には黒いスライムを動かしている。
イータから話を聴いたシャドウガーデンの武器であるスライムスーツ。
魔力で変幻自在に形を変えるその武器の脅威は俺も知っているが、こうして目の辺りすると、かなり便利な物だと理解出来る。
だが、そんな考えをしていると。
「じゃあ気を引き締めて探索をしようか。周囲が古臭いけどミドガル王都に似てるというのにも理由がありそうだな」
「ならあの店が怪しいんじゃないかな?」
周囲を一回見て回って不審な点が無いか確認するつもりだったけど、ゼータが何かこの場所で感じたようだった。
「……普通の店にしか……見えないけど?」
「あの店だけミドガルの建築様式じゃないし、現在は別の店だったと思う。別の店というのは時の流れで変わった可能性もあるからアテにならないかもしれないけど」
「時間の流れと共に変わっているのか、それともわざとなのか。どちらにしても確かめる必要があるな」
「そうだね、なら」
そうして、俺達はそのまま、その謎の店を調べる為に近づく。
「また……飛ばされた。ここは……資料庫?」
「飛ばされたという事は合っていたみたいだな」
「何となくこの聖域の仕組みが見えてきたね」
「そうだな」
「ん……迷路とか知恵比べに……近い感じがする。つまり……頭脳派な私たちが……適任」
その特性を理解したイータは自慢げに頷く。
けれど、ここは、そう簡単な場所なのか。
疑問に思っていると、こちらに近づく足音が聞こえる。
見つめた先に全身黒に骨の意匠と骨戦闘員に青い装甲を身に纏った戦闘員、さらには彼らを纏めるように白い鎧を纏っている者。
「見た事のない・・・奴らだけど」
「眼魔」
「知っているのかい、ツカサ?」
「仮面ライダーゴーストが戦った敵だ。最も、ゴーストの世界の眼魔達とは既に和解しているから人を襲う事はないと思うが」
俺がそう呟いている間に眼魔達は、こちらに向けて、攻撃を仕掛けてくる。
「思いっきり、攻撃しているようだけど」
「どうやら、ここの聖域に作られた幻のような存在だろう」
「だったら、ここで始末しても、問題ない?」
「まぁ、そうなるな」
イータの言葉と共に、俺はそのままネオディケイドライバーを腰に回す。
「変身」『KAMENRIDE DECADE!』
鳴り響く音声と共に、俺はディケイドに変身すると共に、そのままこちらに迫る眼魔に向かって、俺もまた走り出す。