「さて、これで、お前と戦うには十分だろう」
そう、エクストリーマーはこちらを見つめる。
「・・・あいつらをどこにやった」
「心配する事はない。すぐにお前も一緒の所に迎える。まぁ、それはお前の力を手に入れてからだがな」
「俺の力を手に入れてどうするつもりだ」
「簡単な話だ。私が、兄上を越える為だ」
「兄上だと?」
その言葉に対して、俺はそのまま睨む。
「貴様も、名前ぐらいは知っているはずだ、我が偉大なる兄上、アドニスの事を」
「・・・アドニス、それは確かゴーストの世界の眼魔の世界を造り出した人物」
「そうだ、我が兄上は理想郷を確かに造り上げた。しかし、兄上の失敗は愚かな息子に任せた事」
「けれど、その息子であるアデルは」
「あぁ、既に倒されているだろう、ゴーストに」
そう、目の前にいるエクストリーマーは、それを理解しているように頷く。
「だが、それがどうした。これは復讐ではない!これは我が兄上を越える為の試練!その為に、この力を欲した」
「エクストリーマーが、誰の力か、元より誰を犠牲にした力なのか、理解した上でか」
「あぁ、理解しているさ、全てな」
そう、奴は呟く。
「だが、そうしなければ、俺は兄上を越えられない!越える為だったら、俺はどのような手も使う!」
「そんな方法で、例え越えたとしても、誰よりも納得しないのは、お前だろ」
俺は、その言葉と共に、見つめる。
「お前がアドニスを越えたかったのは、一体何なんだ!強さなのか!カリスマなのか!それとも偉業なのか!!」
「違うっ!その程度じゃない!兄上は、兄上は」
そう、エクストリーマーは、頭を抱える。
「あれ、俺は兄上を越える為に、力をつけた。けれど、力だけが俺の憧れだったか?その為に家族を。あれ、あはははぁ!どうでも良い!越えれば!越えれば!!」
「・・・」
それは、あまりにも痛々しかった。
仮面ライダーエクストリーマー。
本来は、100個の眼魂を取り込んだ「究極の眼魂」を使用したライダー。
しかし、それがハンドレッドによって、コピーした粗悪品である為に、その究極の眼魂の再現は出来なかっただろう。
しかし、もう一つの要素である変身者の怒りや憎しみ、周囲を取り巻く負の感情エネルギーを力に変える能力。
それで、力を発揮したのだろう。
だが、それは、本来の自分を見失わせる程の恐ろしさがある。
それが、今、証明された。
「・・・」
憧れを見失った結果の亡霊。
敵ではある。
けれど。
「これ以上、苦しませる訳にはいかない」
同時に、俺は、自然とその手にあるカードを見せる。
「だからこそ、力を貸してくれ、タケル」『KAMEN RIDE GHOST』
それと共に、その横にはオーロラカーテン。
そこから現れたのは。
「彼が」
そこに現れたのは、まさしく。
アデルを倒したゴーストの変身者こと、天空寺タケル。