ノアニールでの件を一旦済ませた後、ロマリアにやってきたテリー、チャモロ、ホイミンは老人のノワールと一緒に宿屋に行き、ゆっくりと休むことにした。
一方、パデキアの根っこを手に入れたアリーナはマスクをつけてクリフトのところに向かっていき、すぐに使用した。
そして彼の顔色が徐々に良くなっていくのを見届けた後、濃厚接触者になることを避けるために部屋を後にしていった。
翌日。チャモロが早く賢者になりたがっていることを知ったアモスは、キメラの翼で一緒に別の場所に飛んでいくことを提案した。
「えっ?本当にいいんですか?」
「はい。あなたさんも早く戦力として活躍したいでしょう。」
「もちろんです。そのために今まで我慢をしてきましたから。」
「では、今すぐに行きましょう。私はもう少し特技を覚えたら盗賊になりたいと思っていますから。」
アモスは自身も転職を考えているだけに、一旦メタル狩りなどで経験値稼ぎをしてから転職するつもりであえることを打ち明けた。
するとチャモロはテリーとホイミン達に一旦離脱することを伝えて了解を得た後、ロマリアを離れていった。
その後。ホイミンは仲間のモンスターと協力してバトルロードのGランクを突破し、賞金1600ゴールドに加えて身かわしの服などを手に入れた。
「良かった。いい防具が手に入りましたし、それに鉄の槍を買い直せます。」
彼は早速武器屋に行くと、その武器を手に入れた。
一方、テリーはいざという時以外は使用を控えていたはがねの剣を今後のメインにするため、素振りをして使いこなせるように特訓をしていた。
(※ゲームのまもの使いはこの武器を装備出来ませんが、6のテリーはOKなので、そちらを優先します。)
彼らが合流して今後のことについて話し合いをしていると、そこにグランマーズがやってきた。
そして彼女は水晶玉でいざないの洞くつの封印が解かれ、徒歩でアリアハン大陸に行けるようになったことや、大勢のモンスター達が現地に向かって進撃をしていることを伝えた。
「このままでは姉さん達が危ねえ。」
「ここは食い止めに行きましょう。」
「では、今回はわしも行くかの。」
いてもたってもいられなくなった彼らはアリーナやマルティナ、ベロニカ、セーニャ、さらにまだ病み上がりながらもやる気満々のクリフトを連れていくことにした。
一行がいざないのほこらに到着した時、すでに2人の魔女が率いる第1陣が通過した後で、次の部隊がやってくるところだった。
「おい!お前ら!これからどこに行くつもりだ!」
テリーの叫び声にを聞いたモンスター達は一斉にビクッとしてこちらを向いた後、「こうなったらやっちまえ!」とばかりに向かってきた。
「そっちがその気ならこっちだって受けて立つわ!」
アリーナは先制攻撃で会心の一撃を繰り出し、一発でぐんたいガニを倒した。
「私がばくれつきゃくを実戦投入する時が来たようね。」
「あたしは試しにイオを唱えることにするわ!」
「私はバギでお姉さまに続くことにします。」
「自分は…、って、出番がないじゃないですか!」
「僕もせっかく鉄の槍を買い直したんですが…。」
各々が実力を発揮する中でクリフトとホイミンは出番が無いまま戦闘が終わってしまった。
(※本来ならグランマーズがイオラを唱えれば一瞬で終了でしたが、それはやりませんでした。)
しかし、その後も相手がほこらにやってきて戦闘自体は継続したため、クリフトとホイミンにもしっかりと出番はやってきた。
その中で、テリーは「俺は姉さんのところに行く!」と言い出し、一人で旅の扉に飛び込んでいってしまった。
「待ってください!僕も行きます!」
「では、わしもついていくぞい。」
ホイミンとグランマーズは急いでテリーの後を追っていった。
残ったメンバー達は一旦ここに残ることにしたが、そこにカミュとシルビアが駆けつけてきて人数が増えたため、結果的に彼らに加えてアリーナとクリフトの4人もついていくことになった。
一方、レックは実家で母のマドリガルと一緒にいた。
「僕…、自分の実力が足りなかったせいでバーバラを…、ハッサンとミレーユを守ってあげられなかった…。こんな目にあわせてしまった…。」
「それは違うわ。あなたはみんなを守ったのよ。アリアハンを守ったのよ。」
「でも…、でも…。」
「みんなは決してあなたを恨んではいないわ。きっと感謝をしているはずよ。」
レックは食事ものどを通らず、自分のベッドに座ったままガックリとうなだれるばかりだったが、それでもマドリガルは息子のそばに寄り添い、優しい言葉をかけ続けた。
アリアハンの城ではルイーダが洞くつの見張りをするための人員が欲しいことを王様に伝えていた。
その結果、兵士達が鉄製の武器や防具を身に付けた上で参加してくれることになった。
「どうもありがとうございます。では、早速キメラの翼で現地に向かうことにします。」
ルイーダは兵士と合流すると、駆け足で王の間を後にしていった。
そして城の外で待っていたロベルトと一緒に現地へと向かっていった。
洞くつ周辺ではすでに侵略に来た人やモンスター達の姿はなく、代わりにスラリンが立っていた。
「見張り、ご苦労様。」
「あれからどうなったかの?」
ルイーダとロベルトが問いかけると、スラリンは侵略してきた者達は全員撤退していき、以降は誰も来ていないことを伝えた。
ルイーダ「そうですか。これっきり敵が来てくれなければいいけれど…。」
スラリン「はい、そうですね。」
彼らは激闘を直接経験しているだけに、心の底からそうなることを願っていた。
一方、魔女2人を含む侵略者達は重い足取りで洞くつの中を引き返していた。
(頼む。誰でもいいから誰か来てくれ。)
(助っ人さえいればあんな連中など…。)
ボロボロの彼女達は援軍を期待していると、向こうから誰かの足音が聞こえ始めた。
「おおっ!やっと来てくれたようね!」
「後はそいつらに託すことにしよう。」
キャットフライとさまようよろいが会話をしていると、現れたのはテリーだった。
「お前ら、アリアハンでは見たことのない奴らだな。もしかして侵略しに来ていたのか?」
彼が相手をにらみつけると、多少なりとも戦える状態の者達は「そうだ。」と言わんばかりの態度を取り、戦闘態勢に入った。
それをみたテリーは武器をブーメランに持ち替えて複数攻撃を仕掛け、HPが減っていた相手を次々となぎ倒した。
するとホイミンとグランマーズもそこにやってきて、テリーに加勢した。
「さあ、早くここから引き返してください。僕は出来ることなら傷つけたくはありません。」
「さらに2度とアリアハンに侵略しに行かないことをしっかりと約束してほしいのう。」
「姉さんは俺の宝なんだ。手を出す奴は誰であろうと許さねえぞ!」
HPが満タンの彼らは鬼のような形相でにらみつけ、さらにいざないのほこらには仲間達がいるため、援軍は来ないことを伝えた。
それを聞いた連中は希望を完全に断たれることになったため、もはや観念するしか選択肢は無かった。
するとそこにアリーナとクリフト、そしてカミュとシルビアがやってきたため、テリー、ホイミン、グランマーズは彼らをアリーナ達に引き渡した後、キメラの翼でアリアハンに飛んでいった。
(※本作では下記の例外を除き、キメラの翼やルーラでは大陸を飛び越えられない設定にしています。あしからず。)
現地の宿屋では傷だらけになってしまったハッサン、ミレーユ、バーバラが運び込まれており、リッカとターニアに手当をしてもらっていた。
それを見た彼らは手分けをすることになり、グランマーズがハッサンを、テリーがミレーユを、ホイミンがバーバラを担当することにした。
「ほーれ、この治療法はどうじゃ?腰のコリが取れたじゃろう。またやるぞい。」
「ばあさん、いてえっつーの!」
「おお、そうか。でもこれに加えてわしがベホマを重ねがけすれば、早く治るぞい。」
「本当かよ。信用出来ねえんだが。」
「信用するしないはお前さんに任せるぞい。まあ、すねはもっと重傷じゃから、今以上にハードな治療を施すぞい。」
「や、やめてくれ!骨にヒビが入っているせいで、ジーマーでいてえんだからよ!」
ハッサンはグランマーズにイジられながら痛みをこらえていた。
「姉さん!俺だ!大丈夫か?」
「テリー…。本当に、テリーなの?」
「ああ。アリアハンに乗り込もうとしている奴らがいるって情報を聞いて、いてもたってもいられなくなってな。」
「ありがとう…。元気なあなたの姿を見られて、うれしいわ…。そして…、こんなボロボロの姿になってしまって…、ごめんね…。」
ミレーユはベッドに横になったまま、顔をくしゃくしゃにした。
「気にしないでくれ。何があろうと姉さんは姉さんだ。」
テリーは(戦闘中ではないけれど)何度も安らぎの歌やけづくろいの特技を使い、姉の回復に努めていた。
(もしも願いが叶うなら、もうどこにも行かないで。どうか一緒にいてね。)
(姉さんは絶対に失いたくない存在だ。手を出す奴は誰であろうと許さねえ。)
2人はお互いの顔をじっと見つめていた。
「バーバラさん、ベホイミの効果はどうですか?」
「ホイミと比べるとかなりの効果ね。この呪文を覚えてくれてありがとう。」
「どういたしまして。頑張って修行してきて良かったです。でも、呪文だけでは限界がありますから、もう少し元気になったらロマリアに行きませんか?」
「そっちに行ったら、早く治るの?」
「多分そうなると思います。そっちの方が医学は進んでいますから。」
「そう。じゃあ、早く満足に歩ける体になりたいな。」
バーバラはまだ立ち上がれない状態ではあったが、ホイミンのおかげで会話を楽しめるようになった。
すると扉をノックする音が聞こえたため、ホイミンが応対すると、そこにはレックが立っていた。
「バーバラ。許してもらえないかもしれないけれど、こんな目にあわせて、本当にごめん。そしてホイミン、彼女を治療してくれてありがとう。」
彼は自分が魔女との戦闘でMPを使い切ってしまったため、結果的に何も出来ずにいたことを悔やんでいた。
しかし、バーバラが顔じゅうに白いガーゼをつけ、手足が包帯だらけにながらもニッコリと微笑んでくれる姿を見て、ようやく自責の念を振り切ることが出来た。
そしてレックは彼女のそばにやってくると、両手で彼女の左手を握り、ホイミンがベホイミを唱える姿をじっと見つめていた。
後日。グランマーズはハッサン、ミレーユ、バーバラに治療をして徒歩で移動が出来るようになるのを見届けた後、彼女しか使えない強力なルーラを唱えてアリアハンを後にしていった。
彼女を見送った後、ホイミンはさらなる治療として3人にベホイミをかけてくれた。
「あら。その呪文、とても便利そうね。良かったら私にも教えてくれるかしら?」
「いいですよ。では、マホトーンもあわせて教えることにしましょう。」
ホイミンはミレーユの依頼を快く引き受け、免許皆伝とばかりに呪文の唱え方を教えた。
そして彼女はあっという間にそれらをマスターし、早速自分にベホイミを唱えた。
「これは強力な回復魔法ね。これから私の強力な切り札になりそうね。」
「へえ、そうなんだ。じゃあ、あたしにもその呪文を唱えてくれる?」
「俺にも頼むぜ。いいか?」
「いいわよ。では、ベホイミ!」
ミレーユが呪文を唱えると、バーバラとハッサンはその効果がホイミと比べ物にならないほど強力であることを実感した。
すると今度はバーバラがベギラマを覚えたことを伝えた。
「おおっ!あの因縁の呪文を使えるようになったのか!」
「そうよ。やられたままじゃ悔しいからあたしも覚えてやったの。それにマホトラも覚えたから、これから気兼ねなく呪文をぶっ放していけるわ!」
「そこまで使えたら、マジでイケイケじゃねえか。俺も何か強力な切り札が欲しいぜ。」
ハッサンは素早さがほとんど無いに等しい上に、切り札といえる特技も無いため、彼女達がまぶしくてたまらなかった。
ミレーユ「その足が治れば、きっと特技を身に付けていけるわ。焦らなくて大丈夫よ。」
「じゃあ薬草をたっぷり持たせてあげるから、ターン最後の回復役お願いね。」
「ああ、そうだな。体が万全になるまではそれで役に立ってやるぜ。」
ハッサンはバーバラの提案を受け入れながらも、心の中では新たな特技について考えていた。
しばらくするとレックが小さなメダルの景品であるやいばのブーメランを装備した状態で合流したため、アリアハンに戻っていたスラリンにブーメランを渡した。
そして彼はバーバラとお互いの手をしっかりとつなぎ、テリーはミレーユのそばに付き添い、ホイミンはハッサンにベホイミをかけながらいざないの洞くつへと飛んでいった。
洞くつに入るとレックは早速聖水を使って戦闘を避けながら歩いていき、結果的に一行は一度も戦うことなく旅の扉のところにたどり着いた。
全員がロマリアに到着すると、治療が必要な3人は医療施設に向かっていき、検査を受けることにした。
その間にホイミンは武器屋に行って鉄の槍を2つ購入した。
そして彼はまずテリーと一緒にいるミレーユのところに行き、次にハッサンのところに行って2人に手渡した。
レックは単身で城に入っていき、王様と謁見した。
そして自身がオルテガの息子であることを打ち明けると、その後は王様が父親に関するエピソードを色々教えてくれた。
(僕はずっとアリアハンにいたから、ずっと知らないままだったけれど、父さんはそんなにすごい人だったんだ。僕がそこまでの実績を残している人に追い付けるかどうか分からないけれど、とにかく自分なりのベストを尽くそう。僕は僕なんだから。)
彼は父親と比較されるプレッシャーを感じながらも、それを原動力にすることにした。
テリーがその後もミレーユのそばにい続ける一方、ホイミンはアリーナ、クリフト、ベロニカ、セーニャ、シルビア、マルティナのところに行って声をかけ、インバウンドのためにアリアハン観光に来てほしいことを伝えた。
「あらー、面白そうじゃなーい。アタシはぜひ行きたいわ。よろしくね。」
シルビアは真っ先に名乗り出てくれた。
するとベロニカとセーニャも「それならあたしもついていこうっと。」、「お姉さまが行くなら私も行きます。」と言い出し、さらに他の人達も賛成してくれたため、結果的に全員で行くことにした。
彼らが外に出ると、そこにはちょうどその場所に降り立ったチャモロがいた。
ホイミン「あっ、ここに戻ってきたということはついにレベルが20になったんですか?」
「はい。やっとアレを卒業して賢者になりました。」
「それは良かったですね。」
「ただ、レベルが1になりましたし、HPなどの能力も下がってしまいました。さらに呪文もまだろくに覚えていませんから、戦力になるのはもう少し先になりますが…。」
「それはこれから鍛えていけばいいですよ。それより、ちょうどいいところに来てくれました。これからこの人達を連れて一緒にアリアハンに行くつもりなんですが、案内役をお願いしてもいいですか?」
「おっ、早速観光ですね。分かりました。一緒に行きましょう。」
チャモロは待ち望んでいたことが現実になる時がやってきたため、突然の依頼にもかかわらず、期待に胸をはずませていた。
そして彼はバーバラがそれまで装備していたとげのムチを手渡してもらい、グループ攻撃が出来るようになった後、みんなを連れてアリアハンに向かっていった。
レック「ところで、チャモロにいい武器を渡せたのはいいけれど、バーバラは本当にそれで良かったの?」
「うんっ!あたしは代わりにまどうしの杖をもらったから。」
バーバラは通常攻撃の能力こそ(事実上)下がってしまうものの、これからはベギラマとメラミを使っていくことを話した。
「でも、それだとMPをずいぶん使うことになるんだけれど。」
「大丈夫。マホトラで補充すればいいだけだし、それに呪文が封じられたら通常攻撃するか回復役に回るから、きっと役に立てるわよ。」
「そうか。じゃあ、これから攻撃と回復、頼んだよ。」
「うんっ!」
バーバラはニッコリと笑ってレックの顔を見つめた。
それを見た彼も、やいばのブーメランの全体攻撃で貢献出来るように気合を入れた。
次回が最終回です。
タグでもシャンパーニの塔までになっていますし(その後、ノアニールを追加で入れましたが)、元々この作品はこの辺りまでにするつもりだったので、何卒ご了承ください。