大学受験舐めてんのか   作:オカルトって面白いよね・蠱毒とか

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“自分のことはすべて自分で決めなくてはならない。
自分で選んだ道ならば、たとえ失敗に終わったとしても、誰に対しても恨みつらみは言えないし、言うべきでもない。
それをよいステップにして反省したうえで、もう一度、また自分の責任でやり直せばいいだけだ”

江川卓


第17話 教えるという行為は責任を生じさせる

「さて、それじゃあまずは大学受験で使う教科について説明していこうか」

 

 早速2人に説明を始める司。

 再び3人で机を囲み、その上においたルーズリーフに簡単にまとめながら説明をしていく。

 

「まずセンター試験で行われる試験科目。

 英語、国語、数学1A、2B、社会系は世界史、地理、日本史、倫理政経、理科は化学、物理、生物、地学とそれぞれの基礎科目だ」

「明らかに学校の授業より多いね」

「……これ学校の授業じゃ無理でしょ」

「まあ、そうだな。明らかに足りてない。

 ただこれも1人が全部やらないといけないわけじゃない」

 

 そう言って司は、先程あえて順番に書いたものをグループ分けしていく。

 

「大学や学部毎にセンター試験のうちどの科目の点数を成績として見るか、っていうのは決まっててな。

 例えば大半の国公立だと、国数英に加えて、文系学部では社会は4つのうち2科目、理科は基礎科目のうち2つを受ければ良いことになってる。

 理系学部だと社会が1科目になる代わりに、理科は基礎科目じゃなくて普通の科目が2つ分になる。

 他にも私立なんかの学校によっては国英と数学2つの4教科分だけしか見ないところもあったりするな」

「行きたいところによって何を勉強すれば良いかが変わる、ってこと?」

「そういうこと。とは言っても1年生のうちにはそう簡単に決まらないから、大体の高校では『文系はこれ』『理系はこれ』って感じで授業で教える教科が決まっててる。

 取りあえず大体の大学を受験できる範囲と教科を授業でやっておいて、その中で自分が使うやつを仕上げていくって感じになってるかな。

 最初から絞り過ぎると後で志望を変えた時に対応できないし、全く絞らないと今度は時間が足りなくなるからな」

 

 学校の教育は多数を対象としているので個人個人に合わせてカスタマイズするのは難しいし、そもそも1年生2年生なんかではまだ志望校も確定していないことが大半だ。

 故に学校では取りあえずどこでも対応できるように教えて、後はそのうち使うものを受験に向けて仕上げてくれ、というスタンスの場合が多い。

 

「大体の高校は2年生から文理選択でクラスが分かれて授業の内容が別々になる。

 さっきも言った通り文系だと社会科目を2科目分ガッツリやるし、理系だと社会は少ない代わりに理科系の科目が基礎科目から本来の科目にグレードアップして、数Ⅲが入ってくるからね。

 それぞれで必要なものだけを学んでいくために、文理選択をするんだ。

 まあこの学校には無さそうだけど」

 

  かと言って全ての教科をやるわけではない。

 全ての文系の大学は社会系の科目は倫理政経も入れて2つしか一次試験の点数として使えないし、二次試験でも3つ以上課されることはない。

 それは逆に言えば、受験のために勉強する社会系科目は4つのうち2つで良いということだ。

 理系も同様で、理科系の科目は一次試験でも二次試験で4つのうち2つ出来れば大体の大学を満足に受験することが出来る。

 

 そのあたりを考えて、最低限ほとんどの大学を受験できる教科を教えておくという高校がほとんどだ。

 

「全部を授業でやるっていう可能性は無いのかな?

 今聞いた感じだと勉強する科目を減らすために文理でわけてるってことだったから、わけなくてもやっていけるのかなって思ったけど」

「シンプルに量が多くて終わらない。

 それをやってるととてもじゃないけど受験対策には間に合わないよ。

 特に今のペースだとね」

「やっぱりそうかあ……」

 

 司の言葉に松下が驚いた様子はなく、これはむしろ確認の1つだと言うように納得した顔で頷いた。

 神室の表情にも理解の色が浮かんでいるのを確認して、司は話を進める。

 

「それじゃあここからはそれぞれの教科について簡単に授業の分け方と実際の試験の関係とかを説明していこうか」

 

 そう言って司は別の紙に大きく教科名を書き、そこに情報をまとめていく。

 

「まずは英語。これは受験だとセンターでも二次でも1つの『英語』という教科になる場合がほとんどだ。

 英語表現の文法とコミュニケーション英語の長文読解、後はリスニングを加えて1教科としてテストを行う」

「この前聞いた話だと、普通の高校の授業ではわかれてるけど試験では1つでやるってこと?」

「そういうこと」

「なにそれめんどくさ」

「まあ教科が複数に分かれてるのはそれぞれを体系化して勉強しやすくするためだからな。

 試験ではそれらをまとめた総合的な能力を確認してるってことだ」

 

 英語は言語であるので、それを確かめるために文法と読解力をわけて試験をするのもまたおかしな話なのである。

 学ぶときはわけて丁寧に、試験をするならば確実に能力を測るために、といったところだろう。

 

「国語は大抵の学校の授業では現代文と古典に分かれてるけど、これを1つの国語っていう教科でやる。

 ただ中身を見たらわかるけど、例えばセンター試験では大問1が現代文の評論で大問2が小説、大問3が古文で大問4が漢文っていう風に中で分かれてる。

 試験時間はまとめられてるけど、英語みたいに読解と文法をごちゃまぜにして能力を測るんじゃなくて、それぞれ別々で能力を測ってくれる形になってる」

 

 司は軽く説明をして2人の顔を見るが、その表情には先程と違って理解の色は浮かんでいない。

 

「……まずその古文とか漢文がどんなのか教えて。

 なんとなくわかるけど、授業でやってないから」

「評論っていうのはかたーい文章で、小説が小説で合ってるよね?」

 

 そもそもとして、まだ2人は中学の勉強以外で古典を学んでいない。

 それぞれの区分がどうなっているのかわからないのは仕方が無いことだ。

 

「認識はそれであってる。現代文は現代の言葉で書かれた文章で、古くても明治以降とかになるのかな。

 まあ取りあえず、言い回しが古臭くてもちゃんと今の日本語で読める文章が現代文だ。

 そのうち堅い、何かについて説明している文章が評論文。

 物語とか主人公の感情を書いてるのが小説だ。

 後は随筆とかあるけど、まあこれは置いておこう」

 

 随筆は若干分類が難しいのと、そもそもそんなに入試では出されない。

 

「古典の方は古文と漢文っていう2つにわけられる。

 ちょっと待ってな」

 

 司は一度席を立ち、棚から参考書を持ってくる。

 ついでにその後の説明で使いそうなものも山にして隣に重ねておいた。

 

「これ、この日本語の古い言葉のやつが古文だ。

 でこっちの……この漢字ばっかりのが漢文。

 この2つは明確に解き方が違うから、全く別の教科だと思って良い」

「……ありがと」

「どういたしまして。

 そしてセンター試験も二次試験も、古文は古文で、漢文は漢文で、現代文は現代文でそれぞれ問題になってる。

 現代文と古文が混ざってるようなのは……まあ出るところはあるんだけど、本当に例外だから気にしなくて良い。

 基本的には出ない」

「出るの?」

「俺は一箇所ぐらいしか知らない。

 そこの問題で1回だけ、現代文で古文を解説してる文章を丸ごと問題にしてたのを見たことがある。

 ほんとに例外だし、もしそこを目指したくなったらそのときにやれば十分だから気にしなくて良い」

「うわー、聞いただけで意味がわからないやつだねそれ」

 

 あからさまに嫌な顔をする神室と茶化すように笑う松下。

 確かに問題としては楽しかったが、受験で対面したいかというと即答は出来ない。

 自分も含めて周り全員取れないのだから平等だと見るか、国語で稼ぎたかったのに取れなくなるから不公平だと見るかは人次第だ。

 

「じゃあ次数学。

 これは普通の高校の授業だと、数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学Bでそれぞれ別々で習う。

 数学の中の分野で分かれてる形だな。

 グラフとか図形とか数式とかでそれぞれに割り振られてる感じ」

「今やってるのは数学ⅠAだよね?」

「数学Ⅰだけだな。Aの範囲は入ってない。

 センター試験でも数学Ⅰ単体のテストはあるけど、大体の大学では使えない」

「……ほんとに?」

「ほんとに」

 

 神室は訝しげだが、司は教科書を最後まで確認している。

 演習問題が多い分分厚いが、中身はちゃんと数学Ⅰだけだ。

 数学Ⅰの教科書としてはそれなりだが、数学ⅠAをやるべきⅠ年生の教科書と考えると0点だ。

 

「センター試験も、ⅠAとⅡBって感じで2つにわけて試験がある。

 代わりにそれぞれの点数は国語とか英語の合計点の半分で、足して同じ点数になる。

 一応数学Ⅰだけの試験もあるんだけど、普通に受験するところでは使えないから基本はⅠAを受けることが多い。

 そして二次試験になると、さっきの英語と同じで総合的な能力を測るために区切りが無くなって『数学』っていう1個の教科として試験が行われる」

「なるほど……。これはさっきの国語と英語のどっちなのかな?

 混ざってるのか中でわかれてるのか」

「英語の方かな。そもそも複雑な数学の問題になるとジャンルをまたぐのはそう珍しいことじゃないし」

 

 図形をやってるはずなのにベクトルが『よろしくニキー』と言わんばかりに飛び出してくるのは、前世の数学が苦手だった司を苦しめた要因だ。

 そのくせ偶に他分野を応用すると3行ぐらいで問題が解けるのが面白いと思わされるのに腹が立ってしかたなかったものである。

 

「さて、次は社会。

 倫理政経はおいておいて、残りの世界史、地理、日本史について話をしよう。

 これは受験で使うのはセンターも二次も、それぞれA科目とB科目があるうちのB科目を使う。

 A科目っていうのはその科目を短期間で軽く学ぶためのもので、B科目っていうのはみっちりやるためのものだ。

 例えば世界史Aだと古代はサラッと流して大航海時代以降をやるけど、世界史Bだとちゃんと古代から全部やる。

 そして試験ではBしか使わない。

 というかさっきの数学Ⅰと同じで、試験自体はあるけどそれを大学の入試の点数としては使えない、って感じだな」

「ちょっと待って、なら今私達がやってるのって──」

 

 司の言葉にはっとした表情の神室に、司は頷いて話を進める。

 

「そう、世界史Aの方だ。入試では使えない。

 例えば指導要領で世界史もやれって言われてるけど試験で使うつもりはないから世界史Aでやったことにしておく、って感じで使われてはいるけど、社会をそれしかやらないってのは普通じゃない。

 1教科しか使わない理系でも、A科目1つとB科目1つを並行してやるもんだ。

 これは入試っていうよりは指導要領の問題でもあるんだけど」

「それじゃあ、全く使えないってことだよね、今の社会は」

「そういうこと」

 

 他にも大学入試ではなかなか使わない現代社会や、偶に使える倫理政経とかもあるが、それらすらやっていない。

 はっきり言って異常であるし不足である。

 

「そして最後に理科。

 理科系には基礎科目と基礎のついてない普通の科目がある。

 物理基礎と物理、生物基礎と生物、化学基礎と化学、地学基礎と地学、って感じだな。

 文系は基礎科目を2つ、理系は普通の科目を2つ受験のために勉強するのが普通だな」

「……じゃあ私達が授業でしてるのは何? どれがどれに当てはまるの?」

「物体の落下は物理みたいな気がするけど、でも細胞の構造は生物だよね?」

 

 1番授業内容がカオスと化している教科であるため、司の説明を聞いただけで2人は違和感を持ったようだ。

 

「ここの授業の理科は、基礎科目のごちゃまぜになってる。

 本来の物理は物体の運動とか音や光の振動とか熱とかの物理現象が中心だ。

 生物は細胞とかDNAの生物の体の話。

 化学は水素と酸素と電気で水が出来るとか、物体が酸化するとかの、原子や分子、電子を中心とした化学反応の話。

 地学は地球を構成する物質とか自然現象なんかを扱う。

 基礎科目では簡単なところを、理系科目になるとガッツリ難しいところまでやる。

 これをごちゃまぜにしてるのが、うちの学校の理科だ」

「聞いてるだけでおかしいのがわかるわ……」

「あはは、4つもあるのに1つにまとめるから、あんなに内容が転々とするんだね」

 

 実際基礎科目のうち簡単なところばかりを触れているからまだそこまで違和感になっていないが、難しいところで前の部分と繋がる内容などになると、今の理科のように混ざっていては非常に学びにくい。

 そんな教科をやっている学校が正常ではないのは明らかだ。

 

「取りあえず科目についてはこんな感じ。

 何か質問ある?」

 

 司の言葉に少し考え込む神室と松下。

 やがて松下が挙手をする。

 

「はい」

「はい、松下さん」

「土門君的には、選べる教科ならどれがおすすめ?」

「これまた難しい質問をするねぇ。そうだな……」

 

 松下の鋭い質問に、司は棚から持ってきた参考書のうち、理科系、社会家のものを机の上に並べる。

 

「まず1番大事なのは、受験する大学で使えるのかどうか。

 例えば文系の社会科目だと、さっき除外した倫理政経っていう科目が一応あるんだけど、二次試験では使えない大学が結構多い。

 でも逆に、大半の大学が世界史日本史地理で受けられる中で、倫理政経が無いと二次試験が受けられないところもあったりする。

 後は医学部だと、理科系のうち地学だけは使えなかったりもするな。

 これは大学だけじゃなくて学部次第だから、ちゃんと行きたい所、目指そうかなと思ってるところは調べてみてほしい」

「そっか、科目の選択だけでそんなに大きな差があるんだね」

「……最初から戦略を立てないといけない、ってことね」

「まあね。その上で、まず勉強しておく教科をおすすめをするなら、だけど」

 

 実際この科目の選択次第では、いざという時に大学のグレードを下げる予定だった学校が科目の都合で受けられない、という問題も発生しうるので、科目選択は思っている以上に重要だ。

 中には必要な科目を取り忘れたために、教師に相談して独学をするような生徒もいる。

 

「まず社会は日本史、世界史、地理から2つ選ぶこと。この3つなら大体の場所は受けられる。

 センター試験も二次もね。

 組み合わせは完全に好みだ。

 どっちが楽しく勉強できるか、どっちが点を取りやすそうか。

 後で具体的にどの教科を勉強するか決めるなら、そのとき改めて詳しく話すよ」

 

 実際問題社会は好みの側面が強い。

 暗記量と知識で押すために歴史2科目をとるのか、あるいは少ない労力で試験での思考力で特典を稼ぐ地理か。

 そこはそれぞれにあったものを選ぶしか無い。

 

「土門君の好みは?

 一般論的なのも良いけど、そっちも聞きたいな。

 今は良いけど、後で教えてくれる?」

 

 ただ、松下が欲しいのはそういう一般論としての選択肢ではない。

 受験に関する知識がある語り口をしている司がおすすめする科目である。

 調べればわかるようなことは、極論どうでも良いのだ。

 

「俺個人の好みってなると俺の感情とか好き嫌いの話になるけど、それで良いの?

 絶対参考になるとは限らないけど」

「それでも聞いてみたいかな。

 土門君の話、ためにはなるけど一般論で話してるでしょ?

 あくまで選択肢は私達にあるからちゃんと選べ、って感じだし。

 だから、もっと土門君の個人的な意見も聞いてみたい」

「そうか……わかった。ただし──」

「土門君が私達の選択に影響しないように配慮してるのはわかるけど、そもそも私達の選択よりも土門君の判断の方が良い可能性も高いんだよ?」

 

 渋る司だが、それを抑えて松下は司に求めることを告げる。

 司は、『自分が彼女たちの未来を左右しすぎては行けない、勉強という選択肢を与えるが、ちゃんと選んだ上でやるべきだ』、と考えて一般論やメリット・デメリットによる比較に終止しているが、それを受ける側の松下からすればありがた迷惑な話だ。

 

 そもそも彼女たちは、学校の教師も全く頼りにならない中で司に手を引かれて道を歩み始めようとしているのである。

 そんな中で司に、『ちゃんと考えて自分で選んでね』と放任するようなことを言われてしまえば、戸惑ってしまってむしろ悪影響しか無い。

 小学生に勉強するのを強制して学力をつけさせるように、時には力付くであることも必要なのだ。

 

 だから、司の善意に寄りかかるような要求だとしてもまずは突きつけてみる。

 司がそれを拒否した時は食い下がることなく引き下がり、誠心誠意謝罪をしてしまえばいい。

 松下はそういう強かさを持った子供だった。

 

「こんな道に引きずり込んだんだから、ちゃんと責任を取って欲しいな?

 っていうのはわがままかな?」

「……参ったな」

 

 天を仰ぐ司。

 確かに自主的に大学受験に向けた勉強することを勧めるつもりではあったし、それが必要だとも思っていた。

 ただ、司はあくまで国子塾においては教えを『受ける側』であり、同期や後輩にアドバイスを送ったことはあるが、その全てを背負ったことはない。

 中学校時代は同級生達に広い世界を教え、それぞれの道へと踏み出させはしたが、それは彼彼女らの親や、司についていた大人達の力を借りてのことだった。

 

 つまり司は、彼自身1人で誰かの未来を背負ったことは、まだ無いのだ。

 そうでなくても、そこにかかる労力とストレスは生半可なものではないのは容易く予想できる。

 司はそこまで、神室と松下の大学受験へ向けた勉強を支援することに対して、覚悟を決めていなかった。

 

「つまりあんたは、私達に普通の勉強っていうのを教えるつもりではあったけど、学校の先生みたいに面倒を見るつもりは無かった、ってことでしょ?」

「……まあ、そうだな。

 そもそもここにいるままで満足な受験をさせられるなら、退学や転校をすすめてない。

 俺が勉強の必要性とそのやり方を教えて、その先実際の受験については外部の学校の教師とか塾とか、後は俺の知り合いの大人とかの手を借りて欲しい、と思ってる」

 

 退学を薦めたのはそういう理由も大きい。

 司がつきっきりで勉強を教えて大学受験の準備もさせて志望校も決めさせて、受験まで完遂させることが出来るなら、わざわざここを出る選択をする必要もない。

 司が補いきれないものが明確にあると思っているからこそ、外部への脱出を薦めていた。

 

 ただそれは、司を信じて引き込まれようとしている2人からしてみれば、裏切りにも等しいものだ。

 おだてて屋根に登らせて梯子を外すようなもの、と言えば良いだろうか。

 

「あんたにそこまで背負う責任は無いでしょ」

 

 司の言葉に、珍しく不機嫌に顔を歪めるでもなく神室は答える。

 その言葉を意外そうな松下と真面目な表情の司が見守る中、神室は視線を二転三転させ、しかし最後に司の方をしっかりと見て続けた。

 

「あんたに言われて調べてみた。

 大学受験、私が想像できないぐらい大変なのがわかった。

 凄い高校は、私達が10万円貰って喜んでる間に、もう大学受験のために凄い勉強を始めてるんだって。

 宿題もたくさんあって教科もたくさんあって、平日だけじゃなくて土曜日に講座がある学校も多いみたい。

 想像も出来なかった、そんな世界があるってこと」

 

 そう話す神室の目は、司を見ながら、どこか遠くを見ているようでもあった。

 

「あんたはなんでか知らないけど、私と松下を含めたこの学校の生徒のことを心配してる。

 だから私達が困らないように、将来良い学校に進めるように勉強をした方が良いってことも、その勉強を具体的にどうやってすれば良いかも教えてくれようとしてるんだと思う。

 確かに私達に責任を持つつもりがないっていうのは腹が立つけど、そもそもあんたに求めてるのがおかしいのよ」

 

 それは、司に影響を受けて自分なりに現実を理解し始めた神室が知ったこと。

 外部から切り離され中学校時代の知人や親しい人との連絡手段も全て断たれ、

 高育という豊かで優しく甘い監獄の内に囚われていた神室が、自ら外の世界に目を向けて知った厳しい現実。

 

 世界は、自分たちが考えているほど優しくも甘くもない。

 自分たちにその理解が足りていないのは自分たちの落ち度であり、例えそれを知っているからと言って、司に救われるのを望んではいけない。

 当たり前のように司の力が借りられるのだと、思ってもいけない。

 

 司にはきっと、何かやることがあってこの学校にいるのだろう。

 特権だって自分たちからすれば凄いものだが、よく考えれば総理大臣みたいにとんでもないものにはなれないということはわかる。

 そして司や高円寺のような人間からすれば、特権で叶えられる範囲の進路は自分で叶えられる程度のものでしかないはずだ。

 

 それでも司や高円寺のような人間が来ていることには、明確な理由がある。

 それがある司に一方的に頼り切るようなことは、あってはいけない。

 

 それが神室の今の考えだった。

 だから──。

 

「だから、あんたにお願いがある」

 

(なるほど、そう来たか)

 

「あんたが出来る分だけで良いし、自分のことをして余った分だけで良いから、私に勉強を教えてほしい。

 対価は、何を払えば良いのかわからない、けど。

 出来る限りのお礼はする」

「ふぅーー……」

 

 神室の言葉に司は腕を組んで天を仰ぐ。

 ただの司の善意ではなく契約となると、司にもまたさらなる覚悟が必要になる。

 

「……うん、確かにそうだね」

 

 そして松下もまた、神室の言葉を聞いて考えを改めた。

 司の善意に寄りかかろうとしていたが、神室がこうして意思を表示した以上は、自分だけ楽をすることを司は認めないだろう、という打算もある。

 

 そして同時に、それでも司の教えを受けないと、この学校でこのまま3年間を過ごしてしまうと大変なことになる、というのも理解していた。

 

「私からもお願いしていいかな?

 土門君が出来る範囲で良いから、勉強の仕方を教えてほしいです。

 って言っても全部を教えてもらうのは申し訳ないから、自分でやるための勉強のやり方と、私が自分でやってて困ったときに相談にのってくれたら嬉しいかな。

 学校の授業みたいに全部を教えるのは土門君も大変だろうし」

 

 松下については、神室よりは幾分か遠慮した提案である。

 司に大きく心が傾いている神室とは違って、松下は自分の将来についてある程度理性的に考えている。

 その中で司から学ぶのも選択肢とするつもりではあるが、しかし全賭けをするつもりはまだなかったし、司の労力の問題としてそこまでは出来ないだろうと考えたからだ。

 

 2人の言葉を聞いた司は、僅かな思考の後顔を正面に戻す。

 

「わかった。まず、幾つか条件をわけて話そう」

 

 そして、2人の考えを受けて、その上で自分が決めたことを伝える。

 

「この学校にいる間は、2人が大学受験に向けて勉強したい限りは俺が手伝おう。

 これは2人に限らず、もし他にも求める人がいるならそうするつもりだ。

 俺から勧誘するつもりはほとんど無いけど、2人限定の話ではない、ってのは理解しておいてほしい」

「それは、うん、もちろん。土門君の善意だし、私達が縛れないから」

「当たり前でしょ。私達もあんたに引き込まれたとはいえ勝手に来ただけだし」

 

 そこは変わらず、司が以前から考えていたことだ。

 神室にあらためて指摘されて覚悟を決める前も後も、それは変わらない。

 2人が頷くのを見て、司は更に条件を伝える。

 

「それじゃあ次。

 俺が2人の勉強を手伝うのは、この学校にいて、この学校の特権を狙いながら勉強をしておきたいという場合だけだ。

 もし仮に本気で特権を無視して受験で大学進学を目指すなら、やっぱり退学してほしい」

「それは──」

 

 それもまた神室が聞きたかったことの1つである、『退学してどうするのか』という部分に関わってくる内容に、神室が思わず声を上げそうになる。

 それを抑えて司は、姿勢を正して話を進める。

 

「退学してどうすればいいのか、って思ってると思う。

 そこについては、俺に任せて欲しい。

 俺の家が外部でいくつか学校を経営してるから、もし退学して大学受験を目指すという覚悟を決めたなら、そこに編入できるようにする。

 その場合は住居はこっちで用意するのと、卒業までの学費もこっちで持つ。

 で、受験の方は学校の教師と相談するのと、うちの塾の講師と連絡取って、受験に向けての支援を受けてもらう。

 後は親への説明とか、その辺諸々の手続きとかもうちの人間をつける。

 それで受験をしっかり出来るようにする。

 どうかな?」

「どう、って……」

「ちょっと待ってね、今理解してるから」

 

 いきなり話が大きくなった司の言葉に神室は言葉に詰まり、松下は思考を整理するためにうつむく。

 

「あんたの家って、そんな大きいところなの?

 もしかして高円寺ってやつみたいに会社の社長の息子だったりするわけ?」

「ううん、普通の会社の社長ぐらいじゃあ学校は持てないと思う。

 ということは、もっと大きい……」

 

 はっ、とした表情で顔を上げる松下。

 

「もしかして土門君……。

 ねぇ、土門君って、本当の名字があったりする?」

 

 松下の言葉は、司の素性の本質をつく言葉だった。

 

「よく気付いたね」

「てことは──」

「まあ、今は戸籍もちゃんと土門が名字なんだけどね」

「どういうこと?」

 

 話についてこれなかった神室に、松下が説明をする。

 

「高円寺君と友達の土門君が普通の高校生じゃない、ってのは予想出来てたんだ。

 高円寺君はあんな感じだし、ちょっと良い家の子とかちょっと出来る子じゃあ友達として認めないと思って。

 だとしたら土門君が凄く才能に溢れてるか、あるいは高円寺君と同格なのか……」

「それは……私も思ったけど、それがなんなの?」

「そして今ので確信出来た。

 学校を所有するって、普通なことじゃないと思う。

 普通の会社の社長ぐらいじゃあ、お金の面でも人材の面でも労力の面でも無理。

 それが出来るとしたらとんでもないお金持ちか、歴史があって人脈も豊富な名家ぐらい。

 財団とかはあるけど、土門君は『うちの高校』って言ってたからそれも違う。

 それでね、日本にそれに当てはまる凄い家があるの」

 

 松下は、司の方に顔を向ける。

 それを言っても良いものか、司が隠しているのではないかと最後に躊躇したのだが、司は笑ってそれを促すジェスチャーをする。

 高校生がそこまで社会や大人の世界に目を向けて司の正体に気付いたことに、感嘆したのだ。

 

「土御門財閥。

 日本で1番大きい財閥で、経済界だけじゃなくて政界にも大きな影響力を持ってる凄い一族。

 土門君の名字は、その土御門と一文字違い」

 

 ばっ、と神室が振り向く先で、司は笑った。

 

「正解。まあ俺は養子だから、今はちゃんと土門で統一してる。

 土御門になるのは高校を卒業したときか大学を卒業したときか……時期を見てだね」

「てことは」

「土御門本家三男、土御門司です。

 改めて以後よろしくお願いします、ってとこかな。

 学校では秘密にしておいてね」

 

 司の言葉に神室は珍しく空いた口が塞がらない程に驚いている様子だ。

 普段のクールな振る舞いからすると、少々面白く、別の側面が見えて可愛らしい。

 

「それなら高円寺君と友達なのも納得だし、私達が退学しても、司君の力でいくらでもサポート出来る、ってことだよね」

「俺の力っていうか、俺の部下とかうちの人材育成部門の人にお願いする形になるけどね。

 一応ここに来る段階で生徒を引き抜いてくる可能性は伝えてるし、支援体制は整ってるよ」

 

 2人には、もともとスカウトで引き抜いた人材に当てる予定だったリソースを割り当てようと考えている。

 人員は確保しているし、司が気に入った人材を支援する部署も予算もある。

 支援に困ることはない。

 

「……だから、退学しても大丈夫、ってこと?」

「そうなるかな。お金で解決するみたいな話にはなってしまうけど、少なくとも2人の将来に影響が残る形にはならないようにする。

 とにかく退学を選択するなら、2人には思う存分大学受験をしてもらいたいから」

 

 それが、司がこの学校の生徒に提供することが出来るベスト。

 否、正確に言えばもっと大きな一手は存在するが、それは下手すれば生徒たちの学生生活を破壊してしまう可能性もある一手だ。

 望むものにだけ十分な支援を与えるというなら、外で家や部下の力を使って支援をするのが1番安定してしっかりとした支援を行うことが出来る。

 

「……うん、わかった。まだ決断は出来ないけど、ちゃんと心に留めておくよ。

 もしその決断をしたら、どうやって連絡をすれば良いかとか詳しく教えてくれるんだよね?」

「もちろん。今教えても面倒くさいだろうから、決断したら教えてくれ」

 

 松下は一足先に『判断を保留する』という決断をした。

 司もそこの選択肢は2人に任せることを決めている以上は、何も言わないので、取りあえず後に回すという選択は正解だ。

 

 一方の神室は、何やら悩んでいるようで口を開かない。

 

「神室さんも、取りあえずそれ自体は後で考えてくれれば良いよ。

 この学校でAクラスが取れるならそれの方が良い可能性だってあるんだしね」

「それは、わかってる……」

 

 司が今悩まなくても良いと伝えるものの、神室が悩んでいたのはそこではないらしい。

 

 やがて、神室は自分の脳内を駆け巡る疑問をまとめて口を開く。

 

「あんたは、なんでそんなに私達とか、他の生徒のことを考えてるわけ?」

「……というと? 何の目的か、ってことかな?」

「……それもある、けど、違う。

 なんで、そんなに他人のために考えられるの?」

 

 本人もまだ、自分の気持ちを言語化出来ていないであろう神室の疑問。

 曖昧で言葉足らずなその疑問を、司は正確に読み取ることが出来た。

 心理学を学んでいる司は心がどういう構成になっているのか、どういう機能を発揮するかをある程度理解しているので、彼女の短い言葉からでも感情を正確に言葉に起こすことが出来るのだ。

 

「つまり、どういう目的でそんなことをするのか、っていう疑問と、何故他人事なのに気にすることが出来るのか、っていう疑問だな?

 普通は他人のことを深く心配することなんて出来ない、有り得ないのに、なんで俺はそれが可能な能力を持ってるのか、ってことだろ。

 なんでお前はそんなに努力することが出来るのか、って感じの」

「……ごめん、私にもわからない。

 けど、あんたのその私達に対する気持ちが、私は『有り得ない』って思ってる。

 人は、そんなに優しくない」

 

 これもまた、精神的に偏った部分がある神室が、メンタルケアや読書、あるいは人との交流を通じて育むべきものだ。

 両親から放任され愛情や注目と呼べるものをほとんど感じられなかった神室は、人が人を心配することが普通ではないと思っているし、雑に言えば人間のことを信じることが出来ていない。

 そのため他者を心配する司の気持ちも、懐疑的なのではなく存在の否定として『有り得ないもの』だと思っているのである。

 

 人は自分の知らないものを想像することも受け取ることも出来ない。

 神室は幼少期からそう育ってしまったが故に、おそらくは学校の教師や同級生などは部分的にでもそういう親愛の情を向けてくれてはいたのだろうが、それを受け入れる器が出来ていなかった。

 だから、司の気持ちを理解しようとしても心が否定している。

 

「神室さん、本読んでる?」

「急に何? 読んではいるけど」

「そう、じゃあそのまま、たくさん読み続けて。

 そしたらきっと、神室さんにも何かがわかるから。

 今まで無かった考え方、感情に触れることが出来るのが読書だから。

 俺がどう言葉を尽くして説明しても、それは説明のための言葉でしかない。

 たった1人のキャラへの感情移入に劣る。

 だから、それについては神室さんに自分で知ってほしい。

 それが、神室さんの心が1番納得できる方法だと思う」

「……わかった」

 

 反発しそうになった神室だが、司の言葉にぐっと堪える。

 クレプトマニア、という言葉も、先日の司の鋭い洞察力を見てから自分で調べてみた神室は、精神というのが自分の思っている以上に厄介だということを知識として多少は理解していた。

 図らずもそれは、神室の病として現れている窃盗癖の存在が証明してくれている。

 

 だから、心にとって最もいい方法ならばそれを試したほうが良い、と自分を納得させた。

 もっともそれが司以外の口から出ていれば、聞き入れることは無かっただろうが。

 

 司であれば反発するが、司でなければそもそも聞き入れない。

 神室の根底にある人に対する不信と、それでも司に心動かされつつあるという事実がここに現れている。

 

「で、まあ俺がこの学校の生徒を気にかけてる理由だけど、これは優しさとかそういうのではないよ。

 もっと単純な話。

 『俺がそうしたい』っていう自己満足だ」

「自己満足?」

 

 疑問を口にする神室と、同じように疑問を抱きながら神室の問題に触れていそうだからと努めて口を塞ぐ松下に、司は屈託のない笑みを向ける。

 

「俺、人に教えるのも好きだし、人が何かを学び続けて成長していくのを見るのも大好きなんだよね。

 なんか、わくわくする。

 もちろん自分が教えるのもそうだし、人が成長するのを見るのも、人が努力してるのを見るのも、人が葛藤しながら進んでるのを見るのも楽しい。

 そうやって一歩一歩ゆっくりでも這いずりながらでも進んでいるのを見ると、ワクワクが止まらなくなる」

 

 そこがおそらく司の原点。

 

 司は、人が好きだ。

 だから人に期待する。

 だからもっと、先へと導きたくなる。

 だからもっと、高みを舞う姿が見たい。

 

「もちろん他の理由もあるよ。

 例えば土御門関係で言うなら、日本の成長のためには2人みたいな子供が如何に成長してくれるかにかかってる。

 土御門家は日本のために尽くしてきた家だからね。

 国の将来である子供の成長のためなら労力はいくらでも割く」

 

 それはこの学校の欺瞞としての言葉ではなく、文字通り日本の将来を背負う者としての司の責務。

 

「あるいは、この学校の生徒自体がうちの被害者だっていうのもあるかな。

 高育もホワイトルームもそうだけど、どっちもうちの家が抱えてる教育組織に対抗するために作られたものだ。

 そこで生徒が受ける不利益は、元をたどればうちが原因ということも出来る」

 

 この場所が土御門から黙認された理由でもあり、そして今こうして司がやってきている理由でもある。

 

「道義的な話をするなら、子供の成長を、将来を奪うこの学校のやり方は許せない。

 だから子供に機会を与えるために、俺は貸せる範囲で手を貸す」

 

 そして当然ながら、道理として、更にはそれ以前に現代国家の人間として、子供の将来を奪うようなことがあってはならない。

 子は宝、守り育み空へと羽ばたかせるものだ。

 

「だけどまあ、そういう理屈も踏まえた上で、神室さんが疑問に思ってるように『なんでここまで他人のことを気にできるのか』と言えば、結局のところは俺の自己満足だ。

 俺は人間が好きなんだよ。

 人間が成長して多くを学んで階段を駆け上がって、いつか高みに羽ばたいていくのを見るのが好きなんだ。

 何かを学んでる人間が好きだし、それを見たいから俺自身人に何かを教えるのが好きなんだ」

 

 そして、個人としての司が好む所。

 結局のところ、好きだからこそ司はここまで2人に気を割くことが出来ていると言っても良い。

 もちろん例え好きなことではなくても、役目として与えられればスカウトは完遂しただろう。

 あるいは生徒の様子の確認とメンタルケアも、言われればやる。

 あくまでシステムとしてこなすならば、司は何でもやってのける。

 

 だが神室にここまで感情として心配することは無かっただろうし、2人に教えたいと願うこともなかった。

 それはシステムとして役目を与えられた司ではなく、司自身の意思がやりたいと思ったことだ。

 結果出力されるところが似通っていても、その過程が大きく違う。

 

「こんなところかな。

 柄にもなく語っちゃったけど、伝わった?」

 

 吐露された司の心情に、2人の表情はなんとも言えないものになっている。

 司が生徒たちのことを思っていることは理解したが、しかしその理由が理解しがたい。

 まるで同じ人間が考えているとは思えないほどに大げさで、どこか超越者じみた好みだった。

 若干引いているような様子が見受けられるのはそのせいだ。

 

「あ、あはは、よくわからなかったけど、土門君が私達のことをちゃんと気にしてくれてるのはわかったよ」

「あんたが理解できない人間だってのはわかった。

 坂柳なんかよりよっぽどやばい」

「自覚してるよ」

 

 当然司もそのことは自覚している。

 高円寺が、生来の素質と才能によって圧倒的高みに立ち、その結果人間に対して自分の高みに至ってくれないかと、群れを求める動物の本能の如く心の底で期待しているのに対し。

 

 司はただ思想とそれに由来する感情から、実体の無い空想のような期待を人に抱いている。

 そこに精神的な希求などは何もなく、ただただ思想として期待している。

 

 それこそ心底の感情を伴わない様は、異様と言っても過言ではない。

 

「取りあえずそんな感じで、元の話に戻しても良いかな?

 確かおすすめの科目の話をしてたと思うけど」

 

 とはいえ話が脱線しすぎている。

 今回は受験に向けた勉強の話をしていたのだ。

 

「あ、そうだね。

 元に戻して貰っても大丈夫、です。

 ごめんね、厚かましいこと言っちゃって」

「こっちこそ配慮が足りなかった。すまない。

 神室さんも、一旦話を戻して大丈夫?」

「……理解は出来てないけど、自分でもう少し考えてみる。

 話は戻して良いわ」

 

 2人の了承を貰って、司は話を元の教科の話へと戻した。




神室を『無口というわけではないけど、女子キャラし過ぎていない無愛想キャラ』と捉えて書いてたんですが、他の方の二次創作読んで解釈違ってるかな……と悩んでます。
口調に揺れがあったらそういうことなのでご容赦ください。

具体的には「~わ」「わよ」「~のよ」とか語尾つくかなっていう程度ですが。


こんな感じのがあと1話続いたあとはしっかり学校の話に戻って色々ストーリーを進めていきます。
こういうのがつまらない方もいると思いますが、受験勉強については作者が書きたいなと思ってるのでご容赦ください。

→嘘 で し た ご め ん な さ い

書いてたら1万字超えて明らかにおさまらなくなってきました。
申し訳ないですが2話、2話で終わらせます。


ここ超えたらまたしばらく出てきません。

他のキャラクター視点(一人称の地の文という意味ではなく、司がいない場面で、ということ)での描写を読みたいですか? 例えば松下が中間試験への対策に奔走する姿を松下視点で書くのか、あるいはいつも通り司が後から聞いたという形で書くのか。司という異物への、司が居ない場面での反応(例えば神室と松下が2人で話してる場面等)も含めて、視点を統一するべきか色んなキャラの目線を書くべきか悩んでいます。

  • 司中心で、司が見聞きした情報で良い
  • 他のキャラクター視点の情報もみたい。
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