ボルテクス界に投げ出された人修羅少女が、千晶様と一緒に創世を目指す話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第102話 ミナモのコトワリ

 千晶の触手による地獄突きが火炎に合わせて繰り出される。

 私はファイアブレスを浴びせて、その地獄突きをやり過ごす。

 

 触手の地獄突きは、外で飛行型悪魔を串刺しにしていた。

 貰うわけにはいかないよ。

 

「……そのファイアブレスで、あのとき助けてくれてありがとう」

 

 千晶は私のファイアブレスで焼かれて、触手を阻まれても。

 そんなことを言ってくる。

 

 ……そういえば。

 

 このファイアブレスに覚醒したのは、千晶を守るためだった。

 

 あのときは、色々何も分かって無かったけどさ。

 

 千晶が死ぬと思ったら……

 焦ったよ。

 

 あのときは……

 

 まさか……最後にこうなっちゃうなんて……

 

 思わなかったなぁ……

 

「この世界に来たときは、こんなことになるなんて思わなかったね……」

 

「そうね……」

 

 私と千晶。

 動き回りながら、会話する。

 

 互いの隙を伺いながら

 

 想い出を語り。

 

 大切な思いを伝え合う……

 

 だって……これで終わりなんだもの……

 そのときだった

 

 

 大きな、羽ばたきの音。

 

 

 その音が何であるか……互いに気にしていなかった。

 気を散らせる状況じゃ無いもの。

 

 ナイトメアシステムの範囲外に居た悪魔が、ここに近づいて来たんだろうか……?

 

 だけど

 

 その数秒後に出て来た解答(こたえ)……

 

 それが目の前に突き出されたとき。

 

 ……私の血が凍った。

 

 

 それは……数メートルある双頭の巨大鳥。

 翼が4枚あり、鉤爪のついた足も4つあった。

 

 鳥としての容貌(かお)は、鴉に似てる気がした。

 パーツが2セットずつあるけどね。

 その他の違いは……

 

 頭部が赤で、その他の色が緑色。

 

 黒一色じゃ無いのが鴉っぽくない。

 

 そして……

 

 2つの赤い鴉の頭の中央部。

 そこに……

 

 凄まじい笑みを浮かべた、南条(なんじょう)(みつる)氏の裸の上半身があった。

 

 

 

 そこから先の私は。

 コトワリを啓いた人間として、あるまじきことをした。

 

 私はほとんど反射的に……

 

 千晶を飛び越え、その背後に降り立ち

 

 そして……

 

 南条氏が翼を羽ばたかせ、撃ち出して来た羽根の弾丸……

 それから

 

 ……身を挺して、私は千晶を守った。

 

 千晶は南条氏がここに乱入して来て、後ろから襲ってきていることに気づいていなかった。

 私たちの決闘に集中し過ぎていて。

 

 私だけが、向きの関係で気づいて。

 反射的に、やってしまった。

 

 ……コトワリを啓いた者であるならば。

 自分だけ逃げるべきなのに。

 

 

 

 羽根の弾丸はとても高威力で。

 それを、いっぱい、いっぱい喰らったんだ。

 

 全て受け切ったとき。

 私はガクンと膝を突き

 ドウと横倒しに倒れる。

 

 意識が……どこか遠い。

 これ……ヤバイかも。

 

「クハハハハハ! やったぞ! 人修羅を殺した!」

 

 南条氏は狂喜乱舞してる。

 私を殺れたって。

 

「ミツル! あなた!」

 

 千晶の怒声。

 南条氏は、そんな千晶の怒りに。

 

「千晶! 僕もコトワリを啓いたよ! 素晴らしいコトワリだ!」

 

 全く取り合わず、一方的に捲し立てる。

 

「その名も水面(ミナモ)のコトワリ! 何をしようと生まれ持った人の階級が決して変わらない、努力などという騙し討ちを否定する、穏やかな平和の世界だ!」

 

 ……なにそれ。

 

 最低最悪……!

 

 そんなコトワリ……何の正義も無い……!

 この人だけに都合がいい、文字通り最低のコトワリ……!

 

 私は南条氏の啓いたコトワリの話を聞きながら、そう、考えて……

 

 ゴボッと血を吐いた。

 く……苦しい……

 

 苦しいけど……

 

 そんなコトワリ……潰さないと……

 

「僕はこれからカグツチの前に立つ!」

 

「ふざけないでっ!」

 

 千晶の怒り。

 それは南条氏の口にしたコトワリを聞き……

 激しく燃え上がってる。

 

「そんなゴミみたいな最低のコトワリ、絶対に創世で掲げられるべきじゃない!」

 

 だけど

 

 そんな千晶の言葉を嘲笑い……

 

「言ってろ馬鹿が。この通り、僕の降ろした守護の邪神マンモンには飛行能力がある……」

 

 羽ばたく翼の立てる音。

 それを誇示するようにして

 

「千晶、お前にはそれは無理だよねぇ……!」

 

 勝ち誇った声でそう言い、大仰な声で

 

「オマエに僕の阻止は出来ないッッ! 地団駄踏みつつ、ここで僕が創世をするのを待っていろッッ!」

 

 大きく羽ばたく音。

 

「じゃあな! この馬鹿なメスどもがッ!」

 

 そして声は遠ざかって行った……

 南条氏の高笑いの声が……




原作ゲームだと私個人はムスビが「人間社会を否定するコトワリ」と思ったんですが、仮にも公式のコトワリですので。
打倒されるべき、全否定されるべき最低のコトワリを別に考案する必要があるなと。
で、だいぶ考えて出て来たのが「努力を否定するミナモのコトワリ」
守護がマンモンなのは、努力を否定するのに、その結果を受け入れずに利益を求める姿勢は強欲だろうと。
なので、7つの大罪で強欲を担当する悪魔であるマンモンを選びました。

本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。

これまで真1、真3、デビルサバイバー、ペルソナの二次創作を書いてきましたが、他にあると良いメガテン系二次は何ですか?(ちなみに次は真2で書く予定です)

  • 真・女神転生if
  • 真・女神転生NINE
  • 偽典・女神転生
  • デビルサマナーシリーズ
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