ボルテクス界に投げ出された人修羅少女が、千晶様と一緒に創世を目指す話 作:XX(旧山川海のすけ)
ここで対話を拒否すると、この状態でシジマとの決戦が始まってしまう。
それはあまりにも不利な気がする。
隣の千晶を見る。
……千晶も、気圧されそうになっている。
目を見開いて、信じられないものを見る目で。
魔王アーリマンに成り果てた氷川氏を見上げていた。
……それぐらい、凄まじい威圧感。
もしこのまま戦うと、畳みかけられてしまう恐れがある……!
だから私は
「感情を否定した世界で、人が存在している意味があるの!?」
私たちが立て直すまでの時間稼ぎの意味合いで、氷川氏との会話をはじめたんだ。
隣の千晶の手を、ギュッと握りながら。
「……なるほど。ここに至るまで、大きな誤解を抱えたままで、気づきは無かったというわけか」
氷川氏は少し、残念そうにそう返して来た。
えっ……?
てっきり「意味はある」って答えが返ってくると思っていたのに。
氷川氏は続ける。
「私は、君たちに自分で気づいて欲しかったのだ……」
本当に、残念そうに。
「私は言ったはずだ……友情や愛情は素晴らしいものだが、それは人が世界の観測者であることを阻害してまでも、守るものでは無い、と」
素晴らしいのに、守る価値は無い……?
それって……
価値自体は認めているけど、最優先にするべきではない……?
そういうこと……?
そういえば……六本木でおじさんの思念体たちが
感情は小さいうちは暖かな炎。大きくなると地獄の業火。
そんなことを氷川氏が言っていたと言ってた。
……なんだか。
ようやく、シジマが本当の意味で見えて来た気がする。
「……気づいたようだな。まあ、良かろう」
氷川氏は、出来の悪い生徒がようやく理解に至ったか、という先生の顔で私を見下ろす。
「シジマが否定するのは感情じゃ無い……!」
私の呟きに
氷川氏は大きく頷いた。
「そう……否定するのは……『狂気』だ」
狂気の否定のコトワリ……
感情が大きくなりすぎ、世界を乱し、壊す行為を止められなくなることを否定する……!
それは……
「友達の敵討ちで、服役した犯罪者が牢屋から出て来た瞬間に仕返しに行ったり……」
私は思いついた事例を口にする。
「恋人が犯罪者なことに気づいても、警察に通報することも説得することもしないようなことを否定するってこと……?」
私の口に出したことについて
「……そうだ」
少しだけ、氷川氏が微笑んだ気がした。
「……女神アテナが目指そうとしていたことと相当近い……というかほぼそのものね……」
ポツリ、と。
隣で一緒に聞いていた千晶が呟く。
あのとき、私たちは女神アテナを否定した。
だから
「犯罪者の恋人が説得に応じない場合は、躊躇いなく警察に通報する世界……? そんなの、変でしょ!」
同じ答えを返した。
でも、氷川氏は
「何が変なものか……君たちは愛する者が罪人であることを何も思わないのかね?」
……それは……!
きっとそれは、嫌だと思う。
好きな人が悪事を重ねている状況を喜べるわけない。
私は答えなかったが、氷川氏は私の表情で察したみたいで
「……シジマの世でもそれは同じだ……否定するのはあくまで『狂気』……感情は否定しない。誰もが穏やかに、愛し、慈しみ、努力し、探求する……静寂の世界だ……」
その言葉で私は
……シジマのコトワリは論外のコトワリではない。
そう、思ってしまった。
確かに、そうかもしれないと思ったんだ。
でも……
「狂気は、大事よ」
千晶は違った。
「シジマの理解に誤解があったのは確かね……でも」
堂々と、ハッキリと
「その上で、私はシジマを否定するわ!」
そう宣言する千晶の目には……迷いが無かった。
私も最初は誤解してたんですけどね、その後色々な人のシジマENDの解釈を聞き、氷川総司令の言葉を読み返してみた結果「シジマは感情を否定するコトワリでは無く、感情の暴走を、一言で言えば狂気を否定するコトワリ」という解釈に落ち着きました。
人類皆仏教の高僧の境地に立っている世界ですね。
ガイア教は仏教の影響がある設定ですので、自由にやっても争いが怒らず、世界が維持されるにはを考え抜いて辿り着いたんでしょうかね。
人間が全て仏教の高僧ばかりなら、法律をいきなり取っ払われても社会の崩壊は起きないでしょ。
本作を読んでいただき感謝です。
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これまで真1、真3、デビルサバイバー、ペルソナの二次創作を書いてきましたが、他にあると良いメガテン系二次は何ですか?(ちなみに次は真2で書く予定です)
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