ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記(本編/子育て日記) 作:救護騎士団記の記録係
子育て日記:1日目 蒼森ミネ
この子を救護騎士団で育てるにあたって、情報共有のために交換日記を始めることにした。
各所への連絡、シャーレへの共有は済ませている。
沙汰は追って下されるとのことではあるが、一旦、救護騎士団預かりになることは承知された。
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早朝、つんざくような泣き声が部室中に響く。
「…はっ!?」
私は慌てて飛び起きるが夜明けの部屋の中はまだ寒く
頭は冴えず今の状況がつかめない。
昨日の夜起きたことを整理しようと寝ぼけた頭を叩き起こすと
フラッシュバックをするようにごちゃごちゃと絡まった記憶の糸。
えっと、と混乱しそうになるが、そんな事より
今はこの元気な目覚まし時計のアラームを止めることが優先だ。
「どうしましたか?お腹が空いてしまいましたか?おむつですか?」
顔を覗き込むと、その年齢にしては細い顔を
くしゃくしゃに歪ませて、何かを伝えようとしてくる。
頭を撫でながらおむつの中を確認するが汚れている様子はない。
ともすれば、お腹が空いてしまったのだろうか。
「ごはんを用意しますからね、少しだけ待ってくださいね」
「団長、おはようございます。
お手伝いいたします。」
暖かいベッドを慌てて抜け出して
買い物袋から粉ミルクを取り出して
昨日のうちに煮沸消毒しておいた哺乳瓶を取り出して
準備をしていると隣のベッドに寝ていたセリナが隣で
冷凍庫から氷を出して氷水を準備してくれている。
その隣に寝ていたはずのハナエは
カーテンの向こう、ベッドから転げ落ちる影が映っており
どさりと言う音とともに、床に墜落をして
それでもまだ寝ぼけた様子でぬっと起き上がった。
「おはようございます~
…昨日より元気になったみたいで何よりですねえ」
子守りは元気よく泣くその子の頬を突きながら
柔らかに笑っているハナエに任せ
私達は慣れないミルクの作り方に四苦八苦。
説明書を読みながらミルクの粉を昨日慌てて買ってきた哺乳瓶に入れて
そこに熱湯を注いで、火傷しそうになりながらも振り混ぜる。
氷水に少し入れては頬にあて、まだまだ熱いと氷水に戻す。
そんな間も泣き止まないその子を
ハナエが抱きかかえてゆらゆらとあやすと
ほんの少しだけその鳴き声は小さくなる。
ようやく人肌になったミルクを持って
赤ちゃんを抱くハナエの方へと駆けてゆくと
そこには泣きつかれたのかもうウトウトとしている様子。
そうして、私たちの新しい日常は、始まっていくのだった