悟空「次は、お前らの番だ。」   作:ぐぬぬです

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限界を超えて、その先へ

 

 

 

目が覚めると、僕はベッドの上に横たわっていた。

 

 

‥‥‥身体中が痛い。

 

 

意識が戻ってから真っ先に思ったことだった

筋肉痛に似たような感覚でもあるけど、やっぱり無理矢理身体を動かしたのが原因なのだろうと安易に予想が付いた

 

 

「‥‥他の‥‥‥みんなは‥‥‥」

 

 

 

真っ先に思ったのはクラスメイト達の状況

パーツとの戦闘で他のみんなを気に掛ける暇がまるでなかった

 

 

 

 

「みんな無事だよ。」

 

 

 

声のする方へ顔を向けるとそのにはオールマイトが座っていた。

普段は誰にも見せないようなガリガリの姿で

 

そこから察するに他のみんなはここには来ていないんだろう

 

 

 

「えっと‥‥‥ちなみにここは‥?」

 

 

「病院だ。君、あれから急に意識を失うもんだから本当に焦ったよ‥‥」

 

 

 

気を失う‥‥やはりフルカウルの上限を超えた使用で身体に負担が行き過ぎたみたいだ。

 

 

 

「‥身体に違和感は?」

 

 

そう言われた僕は腕や脚等に力を入れたり腕を動かしたりしてみたけれど、少し痛む程度で動けないってほどではない

 

 

「大丈夫そうです。少しだけ痛みますけど、筋肉痛程度ですね」

 

 

「‥‥‥そうか。」

 

 

「‥‥‥?どうしたんですか?」

 

 

 

 

オールマイトの反応に少し違和感を感じた為、僕はそう聞き直してしまった

すると、オールマイトはとても言いづらそうにしながらもなんとか口を開いてくれる

 

 

 

「‥‥‥少し、不安に思ってね。

この病院の人に一応『個性検査』をして貰ったんだ。」

 

 

「え、僕にですか?」

 

 

「あぁ、君の今持っているOFAは凄まじい。それは君に力を譲渡したあの日から重々承知してるつもりだ。

けど『あの時』

君が引き出したOFAは、明らかに君の許容範囲を逸脱していた。」

 

 

「そうですね‥‥文字通り、限界を超えたように思えます。」

 

 

「あの時、君のワンフォーオールが『君に応えるかのように力が大きくなったように見えた』‥‥‥その現象に私は、何か嫌な予感を感じ取ったんだ。」

 

 

 

「だから検査を受けさせた。と」

 

 

「‥‥その結果がこれだ。」

 

 

オールマイトはそう言って検査結果の資料を僕の手元へと差し出してきた。

それは個性因子の反応数値

一般人の平均数値と共に記載されており、オールマイトの数値も一緒に掲載されてもいた。

 

‥‥‥‥けれど、僕の数値はオールマイトの約10倍以上の数値を叩き出していた。

そのオールマイトも一般平均の約100倍以上

 

つまりそれは『異常なほどの個性因子が反応してることを意味している』

 

 

「…これは‥‥‥‥」

 

 

「前々から君の個性因子がこれほどの反応をしているとは流石に考えにくい。

恐らく、USJの一件で個性因子が激しく反応し、文字通り限界を超えたんだろう。

個性因子も身体機能の一部。

『個性が君の身体に追いつこうとし成長した』と考えるのは妥当だろう」

 

 

 

これを意味すること、それはワンフォーオールの使用が今まで以上に難しくなったということだ。

僕は試しにいつもの感覚で5%のフルカウルを使用したが

 

 

「ッ‥‥!!??」

 

 

 

本来であれば『30%ほど出さないと出ないであろう力が身体から溢れだした。』

僕はびっくりしながらもなんとかOFAの出力を静ませた。

‥‥‥‥本当に、僕の中にあるワンフォーオールが『進化したようだった』

 

 

 

 

「‥‥‥‥すまない。緑谷少年」

 

「‥‥え?ちょ、急にどうしたんですか?!」

 

 

「‥‥私がもっと早く現場に到着していれば、君が無茶をする必要も無かったはずなのに‥‥‥情けない‥‥‥」

 

 

突然としてオールマイトが頭を下げて来たため、何事かと思うとそんなことを言い始めた。

 

 

 

「そ、そんな‥!多分アレでも最速レベルですよ‥‥!」

 

 

「‥‥しかし、‥‥私が最初から居たりすれば‥‥こんなことには‥‥‥」

 

 

 

どうやらオールマイトはこの事態を重く捉えているようだった。

僕の現状も考え方を変えれば個性がまともに使えなくなったと考えてもいいかもしれない

‥‥‥でも、今の僕にはそんな考えは微塵もなかった。

 

 

 

「確かに、今まで通りワンフォーオール使うことは出来ないでしょう。

でも、これは振り出しに戻ったに過ぎないと思うんですよ。

むしろ、まだまだ僕は強くなれるんだって安心しました。

これからまた、今のワンフォーオールの力に耐えれるだけの身体を作っていけばいいんですし、むしろワクワクしてます」

 

 

 

「限界を超えて、また限界を超える。

その先へ、その更に向こうへ。

この繰り返しなだけですよ」

 

 

 

 

オールマイトは痛感することとなる。

緑谷出久が目指す場所がどれほど高い場所にあるのかを

‥‥‥確かに、少年の言う通りこれはスタートラインに過ぎないのかもしれない

彼が目指すのは文字通り『最強のヒーロー』

 

この世の誰よりも強くなることだ。

 

それを改めて再認識させられる。

 

 

 

 

「‥‥‥‥緑谷少年‥‥‥」

 

 

 

 

 

本来はオールマイトは緑谷出久に対して個性の使用を止めようとも考えていた。

だが、彼の夢へと向かう姿勢にその判断を下すことが出来なかった。

‥‥‥‥こうなればもう、彼は少年の歩みを止めることはできないだろう。

 

 

 

 

彼の歩む先が、希望なのか。

 

それとも、個性による破滅なのか。

 

 

 

それはまだ、誰にも分からない。

 

 

 

 

 

_________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

USJ襲撃事件から3日ほど経った。

その間は流石に身体を鍛えることは出来ない為、むやみに身体を動かさずにしっかりと休ませた。

 

頃合いだと僕が判断したので、早速と言わんばかりに悟空さんの元へと向かった。

 

 

 

 

「そんじゃ、試しに個性を使ってみろ。

%はそうだな‥‥10%だな。やれるか?」

 

 

「やってみます。」

 

 

 

 

ワンフォーオールの力を引き出して、ゆっくりと%を上げていく。

 

 

 

「‥‥‥‥1%‥‥‥‥3%‥‥‥‥‥‥‥‥‥5ッ‥‥‥%ッ!!」

 

 

 

ゆっくりと上げていってるつもりなのに思った以上の出力が身体から溢れてくる

ビリビリビリと、身体中からOFAの力が駆け回って行き、その余波が地面等にも響きわたっていく。

 

 

 

「ワン・フォー・オール‥‥‥フルカウル‥‥‥‥10%‥‥‥ッッッ!!!」

 

 

今までに無いほどの強大な出力な為、もちろん不慣れだ。

だからこそゆっくりとこなしてみたが、やはり今のOFAの力は凄まじいものを感じ取った。

 

 

 

「凄えなあ!個性っちゅーのはそんなに強くなるんか?」

 

 

 

「みたい‥‥‥です!!」

 

 

 

10%の出力で抑えているが、これは前までのOFAなら約50%程度の出力だったと思う

明らかに異常な程力が溢れかえってる

 

 

 

「ぐっ‥‥‥ふう‥‥‥」

 

 

 

 

制御が前より難しくなっていて、気を抜けばOFAの出力を間違えてしまいそうになる。

これ以上続けるのは不味いと判断した僕はOFAをそっと静めた

 

 

 

「なるほどな。

OFAっちゅー個性が出久の気に反応したと考えて良さそうだな。」

 

 

「はい。かなり強力になってしまいまして‥‥一からまたやり直しです。」

 

 

「よし、なら基礎からまた鍛え直して行くぞ。

特に気のコントロールを重心的にやっていく。そんでもって出久の身体もキッチリ鍛えてみっか」

 

 

 

「はい!!‥‥‥あれ、そういえば‥‥‥」

 

 

「ん?どうしたんだ?」

 

 

 

「あ、いえ‥‥‥そういえばかっちゃんが来てないなって‥‥‥結構な頻度で悟空さんのとこに一緒に来てたので‥‥今日も来てないんだなって」

 

 

 

「あぁ、勝己ならしばらく来ねえんじゃねえかな?」

 

 

「え?どうしてです?」

 

 

 

僕がそう聞くと、悟空さんは少し口角を上げたあとにこう答えた。

 

 

 

「『デクに追いつく為に、デクがやってきたこと全部やる。』だとよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆豪はUSJでの一件以来、授業が終わるとすぐに走り込みをしていた。

 

それも『20kg』の重りをバッグに入れてそれを背負いながら

 

 

 

 

「‥‥‥クソッ‥‥‥‥クソッ!‥‥‥‥クソがァ‥‥‥‥ッッ!!!」

 

 

 

 

爆豪はUSJでの激闘をこの目で間近で見てしまっていた。

気の感知の仕方が分からない彼でも、流石に自身の目で目撃してしまえば自分と『緑谷出久』との差に嫌でも思い知らされることになる。

 

個性を使った自分への身体的能力の強化。

いわゆる新技を得て、緑谷出久と自分の距離が少しは縮まったと考えていたが

 

『それは間違っていると思い知った。』

 

 

爆豪は緑谷がオールマイトと共にヴィランへ向けてスマッシュを放つあの瞬間にだけ立ち会った。

 

 

 

 

_____________遠すぎる。

 

 

 

 

緑谷との距離は思っていた以上に遠い。

 

 

‥‥‥遠い。遠すぎる。

 

 

オールマイトと肩を並べて闘う彼は、

正に『最強のヒーロー』と呼べたかもしれない。

 

 

__________それ比べて、俺はどうだ?

 

 

 

結局何も出来ず、間に合わず、俺は突っ立ってただけ。

 

 

比べて出久の方は、ボロボロになるまで闘って、オールマイト級と思われるヴィランをぶっ飛ばしてみせた

 

 

アレを、あの攻撃を、今の俺にも出来るか?

 

 

あのヴィランを、今の俺にも倒せるか?

 

 

 

__________いいや、出来ない。

 

 

 

 

「ハァ‥‥‥‥ハァ‥‥‥‥ハァ‥‥‥‥」

 

 

 

かれこれ30分以上走り込みを続けている。

頃合いを見て爆豪はクールタイムへと入る。

 

 

 

「もたもた‥‥‥‥してられねェンだよ‥‥‥ッ!」

 

 

 

 

_______緑谷出久に、必ず追いつく。

 

 

そして、追い越してみせる。

 

 

その想いが彼を突き動かしていた。

 

爆豪が現在こなしているのは緑谷出久が個性を継承した後身体作りの為に行っていた修行内容

 

やってみて痛感する。

 

緑谷出久は自分の知らぬところで果てしない努力をしていた事を

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥追いついてやる‥‥‥‥すぐに、‥‥‥そんで追い越してやるッ‥‥‥」

 

 

 

そう言って彼は拳を握る。

 

そして再び走り出す。

 

緑谷出久の目指す高みを超える為に

 

だが、忘れてはいけないだろう。

 

爆豪と同じように拳を強く握っているのは『爆豪勝己だけではないことを』

 

 

 

「結局‥‥‥ウチには何もできなかった‥‥‥‥そんなの‥‥‥‥‥悔しいに決まってる‥‥!!!」

 

 

 

 

「緑谷は‥‥‥たった一人で闘ってた‥‥‥‥‥たった一人で‥‥‥‥あのヴィランを‥‥‥‥‥オイラも‥‥‥‥オイラも修行すれば、緑谷みたいに‥‥‥」

 

 

 

「‥‥私も、強くなりたい‥‥‥!!!」

 

 

 

「デク君は、あんなボロボロになるまで闘ってる‥‥‥‥次、同じようなことがあったら‥‥‥‥また同じことになるのかな‥‥‥‥それは‥‥‥‥嫌だな。

なら、私だって‥‥‥!!」

 

 

 

皆それぞれ違ったような想いを抱く。

 

それはきっと、各々の力へと繋がるんだろう。

 

修行だったり個性練習だったりを各々でしながら力を蓄えていく。

 

 

それらの成果はすぐにでも発揮されるだろう。

 

 

 

何故ならば、一年に一度のイベントが始まるからだ。

 

 

 

『雄英体育祭がもうすぐ始まる』

 

 

 




現在の緑谷出久の戦闘力 
フルカウル5% 約400
フルカウル10% 約700

デバフ要素 今まで通りにOFAを使用しようとしたら身体がイカれる。制御がかなり難しい。その代わり出力は今まで以上に上がっている

体育祭での緑谷は個性をあまり使わずに立ち回る予定です。
つまり、本格的に緑谷の戦術がドラゴンボール寄りになっていきます

あとリアルが落ち着いたので投稿頻度が上がる‥‥‥かもです
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