悟空「次は、お前らの番だ。」   作:ぐぬぬです

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目指せ!体育祭優勝ッ!

 

 

あっという間に2週間という月日は流れた。

体育祭当日、僕は1-Aに割り当てられた控室で自分のコンディションを改めて確認する。

 

 

______うん。バッチリだ。

 

 

試しに自身の気を小さく上げ下げしたり、『この期間に覚えた技を小さな出力で出してみたりした』が難なく使えてるし、実践で使うイメージもバッチリ描けてる。

 

 

全て良好。

 

 

体調も良いし、気分もノッてるし、技や技術も満遍なく引き出せそうな感じもしてる。

あとは本番に備えるだけ

 

そう思い、飲み物を手に取ろうとした時だった

 

 

 

「緑谷、お前に少し言っておきたいことがある。」

 

「ん?どうしたの?そんな改まって」

 

 

轟君がふとした拍子に話しかけてきたが、その内容は決して場が和むようなものではなかった

 

 

 

「‥この学園で恐らく‥‥いや、多分この国のヒーローで数えてもお前は最強クラスに君臨してると思う。

それはヴィラン襲撃の時‥‥‥それよりも前から薄々感じてたことだ。

オールマイトにも匹敵する実力‥‥‥それは俺達1-A組が知る周知の事実だと思う。」

 

 

「‥‥‥だが、だからこそ‥‥‥だからこそ俺はお前に勝つ。

ここで‥‥ここで俺が『お前より強いってことを証明してやる』」

 

 

「おいおい!まじかよ……轟が緑谷に宣戦布告しやがった!?」

 

 

彼は僕に対して『宣戦布告』してきた。

『最強』を目指すにはこういうのは付き物だというのは重々承知してるし、むしろ大歓迎だと僕は思ってる。

 

‥‥‥でも、僕は彼の眼を見て思うことがある。

 

 

「いいよ。全力でやろう。

‥‥‥‥でも、本当に君は『僕を観て、闘おうって言ってるのかな?』」

 

 

「‥‥‥どういう意味だ」

 

「そのまんまの意味だよ。」

 

 

「‥‥‥『今の緑谷を見て本気で勝てると思ってるのか』‥‥そう言いたいのか?」

 

 

「うーん‥‥まあ、そういう意味でもあるかもね」

 

 

「‥‥‥‥っ‥‥‥お前‥‥‥」

 

 

 

今の僕の発言を皮切りに轟君は明らかな敵意を剥き出しにしてこちらを睨み付けてきた

 

 

「急に喧嘩腰でどうした!?直前にやめろって…」

 

 

「ごめん切島君。

少し調子に乗っちゃったかもね。

とにかく轟君、互いに『全力で』闘おう」

 

 

「‥‥‥‥‥あぁ。」

 

 

 

僕は『全力で』の所を強調して轟君にぶつけた。

今ここでその意図が伝わりきるとはあまり考えづらいけど

この体育祭で、『本気の君と闘える』のを楽しみにしておいておこう。

 

僕が手に取った飲み物を空にすると、タイミングを見計らったかのように今度はかっちゃんが僕の前にズカッと現れる

 

 

「‥‥かっちゃんも宣戦布告?」

 

「そンなとこだ」

 

「ふふ‥‥嬉しいよ。」

 

 

僕は小さく、心の底から感じてることを口にする。

 

ここまで喜ばしいことが他にあるだろうか

かっちゃんも轟君も、それに加えてこの前の『心操君』もみんな闘争心を燃やしながら向かってきてくれる

 

『本当にワクワクして仕方ない』

 

 

 

 

「‥‥‥デク、お前は確かに強え。

とんでもねえくらいにな。」

 

 

「ありがとう‥‥でも僕は____」

 

 

「でも、『追い付けない程じゃねえ。』」

 

 

僕はまだまだ‥‥‥だと続けようとしたら、かっちゃんがそれを遮って言葉を続けた。

その言葉に僕は少し目を丸くしてしまう

 

 

 

「お前の目指してる場所が‥‥その先が、その景色が、なんとなく分かった気がする。

見えたわけじゃないし、辿り着いたってわけでもねぇ。

だが、『理解は出来た。』」

 

 

「‥‥‥‥良い機会だから今ここで宣言してやるよ、デク。

『俺はお前を超えてやる。』

テメェが目指してる場所よりも『その先の景色に俺が辿り着いてやる』」

 

 

 

その言葉を聞いた僕は、今までに無いような興奮が押し寄せてくるのを感じる

轟君とは全く違うものが僕へと襲い掛かってきた。

思わず口角が上がってしまうほどに

 

 

 

 

「___________大好物だよ。そういうの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが……我こそはと鎬を削る年に一度の大バトル!!』

 

 

 

 

プレゼント・マイクのMCに会場のボルテージが湧き上がる。

 

例年ならばまた空きがちらほら見えるはずの一年生会場は既に満員。

その理由はもちろんご存知だと言わんばかりに彼らの紹介に熱が入る

 

 

 

 

「『どうせテメーらアレだろ!こいつらだろう!!?敵の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!ヒーロー科ァ!一年!!A組だろぉお!!?』」

 

 

プレゼント・マイクのアナウンスと同時に1-Aが真っ先に体育祭の会場へと足を踏み入れる。

 

 

 

「‥‥凄い数のプロヒーロー達だ‥‥」

 

 

緑谷は歩きながら数々のネームドプロヒーローの姿を自身の目で確認する。

元々ヒーローオタクでもあった緑谷からすればとても喜ばしい状況

思わず体育祭の種目とは別で興奮が溢れてしまう

 

 

「選手宣誓!______一年A組緑谷出久!!」

 

 

 

定位置にまで辿り着いてしばらくした後、選手宣誓役として呼ばれる

僕は呼ばれるがままに、マイクの前に立つ。

 

 

 

「_______選手宣誓」

 

 

「僕達生徒一同は、日頃から積み重ねてきたものを発揮し、治安を支えてくれるヒーロー、学校を支えてくれてる先生方、『ここにまで連れてきてくれた人達の期待に応える為』

正々堂々競技を行い、全力を尽くすことを誓います。」

 

 

 

 

「これら全てを踏まえて僕は宣言します。

___________僕が優勝する。」

 

 

 

 

緑谷出久の口調の印象は至って冷静な普通の男子高校生、と言ったような雰囲気だった。

だが、最後の一言だけはその印象とは少し離れたものとなっている

 

それこそ『熱の篭った眼』

 

その瞳にはメラメラと燃え上がる炎が宿っているようにも思える

 

 

 

 

「ハッ‥‥上等だ‥‥!!」

 

 

 

 

それに対するかのように、一人の男子生徒もまたバチバチと小さな爆破音を立てながら闘志を燃やす。

 

 

 

「‥‥‥‥勝ってやる‥‥‥必ず‥‥」

 

 

 

また、もう一人の男子生徒も闘志を静かに燃やしながら冷たいその眼で緑谷出久を見つめていた。

 

 

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、今年の第一種目は‥‥‥

『障害物競走!』スタジアムの外周4キロを、コースアウト以外なんでもありで回って来なさい!」

 

 

 

早速種目の発表が始まった

4キロほどあるコースに点在する3つのエリアを走り抜け、会場に戻ってくるという至ってシンプルな内容

 

『なんでもあり』つまりは個性等での妨害も許されるということ

 

今僕が待機してる待機してる場所は丁度中央付近、後ろからも前からも明らかに僕をなんとかマークしようとしてる生徒達が溢れかえっていた

 

 

 

 

___________イイね。こういうの

 

 

 

 

今の僕は『個性の使用が以前よりも困難になっている』

それは一部の人しか知らない事実だ。

知っているのはA組のみんなと一部の先生方達‥‥

知ってるみんなはこれだけの人数にマークされてる僕へと心配そうな目線等を流してくる

 

 

 

 

「緑谷の奴、あの状況を個性無しで突破なんて出来るのか‥?前衛後衛合わせたら軽く100は居るだろ。」

 

 

「初っ端個性使わなきゃいけなくなるのかな‥‥それじゃあ最後まで持たんくない?大丈夫かなデク君‥‥‥」

 

 

 

轟と麗日がそのような声を上げていくが、緑谷と共に修業していた組と爆豪だけは違かった。

 

 

「いや‥‥多分、『余裕だと思う。』」

 

「緑谷君の心配より、『緑谷君をどうするかとかを考えた方がいいかも』」

 

「オイラの個性で止める‥‥‥いや、厳しいかもな」

 

「ハッ‥ンなもん決まってる。先にブチ抜くだけだ」

 

 

 

その言葉を聞いた他のA組達は半信半疑だったが‥‥

 

 

 

 

「それでは位置について、用意!」

 

 

 

 

開始の音が鳴り響くと共に、彼らの心配は杞憂だったことを思い知らされる。

 

 

 

「はあァッ!!!」

 

 

 

緑谷の気が鳴り響く音と共に大きく膨れ上がった

『USJの一件以降』A組の皆は修業組や緑谷から『気について教わる機会が何度もあった』

 

理由は単純、どんな個性だろうと修業さえすれば誰でも身につけることのできる技術だからだ

個人差はあれど時間さえ掛ければ誰でも会得できるというのであれば共有するべきだろうとのことでだった

 

 

それにより『Aクラスの各々は気の感知をなんとなく出来ているくらいには仕上がってはいた』

 

 

 

______________故に、緑谷の異常性にすぐ気が付いた。

 

 

 

 

「嘘だろ!?」

「なっ!?」

「ちょッ‥‥大きくない‥‥!??」

「チィッ‥‥!!」

 

 

 

『個性無使用での気の全力開放』で

緑谷は既に以前のOFAの出力『約30%分』まで引き出せていた

 

勿論、走るスピードもそれに見合った速さを持ち合わせてる

 

 

 

「くっ‥!行かせるか‥‥!!」

 

 

 

緑谷よりも先の場所でスタートを切った轟はその異常事態に気付くとすぐに緑谷が向かってくる方面を氷結にする

 

これで少しは時間を稼げると考えたが‥‥

 

 

「なら‥‥‥これかな!!____波ッ!!」

 

 

 

そう言って『緑谷の気が手の平を軸に放出され、光線のようなエネルギーが放たれる』

 

 

 

 

_____ドゴォンッ!!

 

 

 

 

大きな音を立てながら道を塞ぐ氷が粉々に砕け散っていく

 

 

 

「なっ‥‥‥!?クソッ!!」

 

 

 

轟は今度は地面を辿って緑谷を直接凍り付かせようとする

それに気が付いた緑谷は一度大きく飛び、こちらへと向くと再び手の平に緑谷の気が集まっていく、『今度は両手でエネルギーを溜めているように見える』

 

 

 

 

 

「______かめはめ、波ァッ!!!」

 

 

 

 

 

地面を辿って向かってきた氷へ向けてエネルギー波を放たれ、再び無残に砕け散っていった

その影響は轟だけでなく、その後衛にまでその衝撃波が生徒達を襲っていた

 

 

 

「_____ッッッ」

 

 

 

 

対する緑谷はそのエネルギー波の勢いのまま走りに戻っていた

 

 

「それじゃ!!」

 

 

「ま、待てッ!!」

 

 

 

たった数秒程度で緑谷は最初の関門へと辿り着く。

 

そしてその目前に広がる無数のロボットを見て、緑谷は笑みを深くする

 

 

「イイね。色々と試してみたいことがあったところなんだ」

 

 

『おいおいおいおい!!尋常じゃねえ速さで駆け抜けちまったぞコイツゥッ!?』

 

 

プレゼント・マイクの叫びによるハウリングと同時に僕は再びスタートを切る

 

 

僕は駆け抜けながら悟空さんから教わったある技、『繰気弾』を使って僕へ向かってくる無数の仮想ヴィランを砕いていく

 

次に巨大ロボが僕の進む道を塞ごうとしてきた為、さっき轟君達へ向けて軽く放ったあの技を今度は人一倍気合い入れて込める。

 

 

 

 

 

「か‥‥‥‥め‥‥‥‥は‥‥‥‥め‥‥!!」

 

 

 

 

 

巨大ロボの一段一段と大きく飛び登りながら、頭部と思われるとこまで飛び込み、『被害が及ばない程度まで出力を上げてブッパなす』

 

 

 

 

「波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

緑谷から放たれたエネルギー波は正にレーザービームが如く、巨大ロボの頭から見事に撃ち抜きブチ壊してみせた。

 

残るは無数の小さなロボットと巨大ロボの残骸。

 

技の感覚を把握した緑谷は次と言わんばかりに走り抜けて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

_________その時だった

 

 

 

 

 

BOM!!!BOM!!!BOM!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

後衛から『強烈な爆発音』と共に一人の男が言葉の通り『ブッ飛んできた』

 

 

 

「なっ‥‥かっちゃん!?」

 

 

 

それは自身の気をバチバチと爆破させながら緑谷の隣にまで飛んできた爆豪勝己であった

 

 

「ブッ飛んできたぞッ!!クソデクッ!!!ちょっと爆殺神モードの調整に時間掛かったがァ‥‥‥これでイーブンだァッッ!!!」

 

 

「流石だよ‥‥‥かっちゃん!!!」

 

 

 

その後衛に続くように轟も駆け抜けてくるが、爆豪と緑谷には届かずにいた

 

 

 

「緑谷ぁぁぁぁあ!!!!爆豪ぉぉぉぉぉお!!!!」

 

 

その叫びも虚しく、双方は構わず勢いのまま駆け抜け行ってしまった。

 

 

 

 

 

雄英体育祭第一種目、障害物競争‥‥緑谷、爆豪双方がトップを争うッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




気のコントロールが気功波撃てるようにまで大成長した出久君でした
現時点での緑谷君の戦闘力 気の全力開放→約350
爆豪君の戦闘力は秘密
轟君 氷のみ 約70

最終的に誰が優勝するのかは既に決めてはいるんですが、マッチアップは大雑把にしか決めてないので少し時間掛かるかもしれません
それではまた次回
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