「飯田君!常闇君!僕と組もうッ!君達の個性なら麗日さんの個性と組み合わせれば正に無敵になる‥‥!!だから!」
「_____すまない、断る。」
「えっ‥‥」
常闇は静かに作戦の内容を聞こうとする中、飯田が口を開く
しかも、それは謝罪かつ断りの一言。
「僕は、入試以降君の背中をただ眺めることしか出来ていない。
USJの一件も君の闘う姿を、ただ眺めることしか出来なかった。
‥‥‥‥ずっと考えてたんだ。『このままで本当に良いのか』と」
飯田には憧れの者が居る。
それはプロヒーローとして輝かしい活躍を魅せる自身の兄
その姿と緑谷の背中が重なり、更にはそれ以上の光を彼は我々生徒達に見せ付けてきている
「このままではいけない気がするんだ。
このまま、君の背中をただ眺めてるだけでは『未熟者のままだ。』
だから、‥‥だから俺は『君に挑戦する。』」
そう言って飯田は『轟率いるチームへと足を運ぶ』
「‥‥‥飯田君‥‥」
「‥‥‥‥‥」
気まずそうにそわそわする麗日であったが、緑谷の表情を見ると、その気まずさが吹き飛んでいた
「随分と嬉しそうじゃないか。緑谷」
常闇は笑みを浮かべ、期待の眼差しを向ける緑谷に対しそんな言葉を残す
「‥‥うん。こういうの初めてだからさ‥‥
みんなに注目されてて、みんなからターゲットにされてて‥‥‥その上で同じクラスの仲間に『君に挑戦する』なんて言われるのが‥‥‥なんていうか‥‥‥『凄く嬉しくて』」
緑谷が本当に嬉しそうな表情をする為、旗から見ても彼が心の底から喜んでいることが本当によく分かる
「しかしどうする。残り一人、移動の脚として使うはずの飯田が居なくなったぞ」
「た、確かに‥!!他にも候補の人とか居るの?デク君!」
「‥‥‥‥うーん‥‥実のところあまり‥‥」
ラスト一人のメンバーに悩んでいると、後ろから機械の音と共に近付いてくる一人の女性がやってきた「いいですね‥!やはり目立ちますねぇ‥‥!!」と呟きながら近付いてくる
「私と組みましょう!一位の人!!」
「ちょ、近ッ!?誰ッ!?」
そんな声に振り返ると、全く知らない人が顔面ドアップになっていたので油断しきっていた緑谷は驚きの声を上げる
「私はサポート科の‥‥『発目明』!!貴方の事は知りませんが貴方の立場、利用させてください!!もちろんタダこちからが利用するだけじゃありません!!『とびっきりの移動手段』のベイビー達もご用意してあります故ッ!!」
そう言いながら自身のベイビー‥‥基『サポートアイテム達』を僕らに見せ付けてくる。
その中にある一つのサポートアイテムに僕はピンと来るものがあった
「‥‥!!これだ!!行ける‥!!これなら行けるよ!!組もう!発目さん!!」
「‥‥‥お前らを選んだのは、これが最も安定した布陣だと思ったからだ。
上鳴は左翼で発電し敵を近付かせない。
八百万は右翼、絶縁体やら防御、移動の補助。
飯田は先頭で機動力源、基フィジカルを活かした防御。」
「轟君は氷と熱を活かした攻撃、牽制‥‥ということだな」
飯田がそう問うと、轟は首を横に振る
「‥‥‥いいや、戦闘において‥‥‥『左は絶対に、‥使わねぇ‥‥‥』」
拳を強く握りしめながら轟はそう答える
‥‥‥だが、それに再び問いを出したのはまたしても飯田だった
「何故だ」
「‥‥‥‥あ‥?」
「緑谷君や爆豪君、更には峰田君や耳郎さん‥彼ら彼女らは正しく強敵‥‥‥確かに轟君の考えたこの布陣は安定してるとは思う。
けれど、だからといって『彼ら彼女らに勝てる』訳ではない」
「‥‥‥‥‥ッ‥‥‥」
「力を使えないというわけじゃないんだろう?なら出し惜しみせず全力でやるべきだ。
ハッキリ意見しておくが『片方しか使わずに勝てる程』彼ら彼女らは甘くない‥!」
飯田がその様に言うが、轟はただ黙って俯いてるだけだった
再び轟の中にある何かが、語りかけてくる
_____他からも言われているぞ。と
______くだらないことにこだわるのは辞め、左も使え。と
そんな声に導かれるように、轟は『観客席』からこちらを眺める男の方へと目を向ける
『焦凍。』
_____黙れ。
『炎を使え、焦凍。』
_____黙れッ‥‥。
『お前は俺の_______』
「轟君、熱を使えないのには何か理由が_____」
「黙れぇッッッ!!!!」
飯田が理由を問いた瞬間、轟の怒号が響き渡る。
突然の出来事に飯田も、側にいた上鳴や八百万も驚いていた
「左は‥‥‥‥‥‥『炎だけは』‥‥
絶対に使わねぇ‥‥ッッ」
左半分の顔を抑えながら轟はそう答える
抑えている手から覗かせるその眼と飯田は目が合う。
その時の眼は何か訴えてる様にも視えた。
「ここに居るほとんどがA組ばかり注目してる‥‥‥正直言って彼らのレベルは高水準だと認めてやってもいい。
特に一位と二位。とは言えだ
鉄哲が言ってたようにA組連中は調子付いてる。おかしいだろ?
俺らとの違いは?『ヴィランと闘っただけだろう?』
調子付いたA組に知らしめてやろう、みんな」
________僕らB組だってやれるってのを見せつけてやろうじゃないか
チーム決め兼作戦会議の時間が終わり、ブザーがスタジアムに鳴り響いた。
プレゼントマイクの実況が再び再開されながら、観客の熱狂、それら全てをこのリング内に居る生徒達は浴びる
独特な緊張感の中プレゼントマイクの声が響き回る
「さァッ!上げていけ鬨の声!!血で血を洗う雄英の合戦が今!!狼煙を上げる!!」
全ての騎馬の準備はもう出来てる様子だ
あとはカウントダウンを待つだけ。
そんな中、爆豪チームの切島がリーダーへと問を投げる
「こんな時に言うのもなんだけどよ‥‥‥お前らいつの間に仲良くなってんだ?」
「仲良くなってねェよ。こいつは俺のサンドバッグだ」
「予想以上に酷い扱いっ!?」
返答を聞いた芦戸が驚きの声を上げるが、その扱いをされた当の本人はクスリと笑っていた
「そのサンドバッグにこの前一本取られたのは誰だよ。」
「うるせェッ!!油断してなきゃ取られねェよッ!!!」
二人は驚いていた。
ついこの前まで宣戦布告しに来た紫髪とあの爆豪がここまで気安く話せるような間柄になっていたことに
「そンじゃ心操。タイミング合わせろよ。
『サポートアイテムで悟られねぇようにしろよ』」
「あぁ。もちろん、上手くやるよ」
『よォーし組み終わったな!!?準備はいいかなんて聞かねえぞ!!いくぜ!残虐バトルロイヤルカウントダウン!!』
________3
「それじゃ麗日さん、発目さん、常闇君。作戦だけど_____」
_________2
「鉄哲、恨みっこなしだからね」
「おうっ!!」
___________1
「それじゃ、行くよ!!耳郎ちゃん!!」
「オーケーっ!!狙いは‥‥‥一つ!!!」
『START!』
始まりのゴングが鳴り響くと同時
B組含む他のチーム達が一斉に緑谷チームへと向かっていく。
それを見た緑谷は叫ぶ
「飛ぶよッ!!!」
そう言って飛び立ったのは
『緑谷一人だけだった』
騎馬となった者達はそれに追うような形でサポートアイテムを使って飛んで行く
「はぁっ!?あれありなのかよ!?」
「テクニカルなので有り!!地面に着いたらアウトだけど!!」
空へ飛び、麗日さんとハイタッチをした後に常闇のダークシャドウに捕まる
これで騎馬への負担は0にする事を可能にした
更にその上で
「『繰気弾ッ!!!』」
気弾の形を縦長にした繰気弾を地上に居るハチマキを巻いた者達へと放つ
「な、なんだありゃっ!?」
「あれは‥‥‥個性っ!?」
真っ先に向かってきた鉄哲チームのハチマキがその繰気弾によって呆気なく取られてしまう
しかもこの一連の出来事はたった数秒程度で行われたのだ
それを間近で見た鉄哲チームの者達は思う
_______格が違う。と
対する物間チーム、緑谷チームに気を取られている騎馬を中心に漁夫の利を決めようと画策していた。
______だが
「耳郎ちゃん!!」
「分かってるよ!!」
伸ばした手がとてつもない衝撃波で弾かれる
それも『物間の手をピンポイントで』だ。
「なに‥‥っ!?」
「漁夫はさせないよ!!緑谷の前にまずは君のハチマキから取っちゃおうかな!!」
「クソッ‥!!」
物間は即座に後ろへ下がるように命令を出すが、騎馬の者達は『何故か後方へと下がれずにいた』
「どうした!?」
「い、いや‥‥‥なんか‥‥‥『透明な何かがッ!!』」
「な、なんだと‥!?透明って‥‥‥まさか!?」
「ナイスだよ瀬呂君!!」
「おうよ!!」
「まさか、あの透明の奴他まで透明化させることが出来るのか‥‥!?」
その考えは少しだけ当たっていた
気の修業を学んだ葉隠が手に入れた個性応用の一つ
それは他人に自身の気を少し分けることによって身体の任意の場所を小規模ながら透明化させることが可能ということ
腕なら片腕を、頭なら顔面を、そして『手に持ってる武器なら武器を』
とはいえ瀬呂の行動は足止めに過ぎない
騎馬は3人居る、三人の力があれば振りほどくことは容易だ
「よし!取れたぞ!」
「急げ!早くしないと‥‥‥って‥‥あれ‥‥あのチームもう居ない‥‥‥‥どういう‥‥」
だが、葉隠チームにはその『足止めが重要でもある』
「お、おい!物間!!ハチマキ!!」
「‥‥‥‥は?」
「へっへーんだ!!修業の成果が出たぞ〜!!」
葉隠の手には既に物間のハチマキが手に握られていた
「はぁっ!?」
「流石だよ葉隠!!」
「にひひ!!」
彼女がやったのは『緑谷とほぼ一緒だ』
彼女は騎馬から飛び出し『舞空術』を駆使して物間の背後まで行きハチマキをこっそり強奪
とはいえ彼女の舞空術は完璧ではない
使用できる時間はたった5秒程度
それをカバーするのがまたもや瀬呂の個性である
「瀬呂君もナイスキャッチ!!」
「あ、あぁ!これくらい任せてくれ!!」
平常心を保とうとしてる瀬呂であったが、葉隠の今の格好というのは上半身服を着ていない状態
その上でこの葉隠を上手くキャッチするには身体全体を個性で覆わなきゃいけないわけなのだが‥‥‥‥
「瀬呂、気持ち分かるぞ。後で語ろう」
「お、おう‥‥」
もう一人のチームである尾白に諭され、邪心を捨て去る瀬呂であった。
『さァッ!!!まだ2分も経ってねえが早くも混戦混戦!!各所で鉢巻の奪い合い!1000万を狙わず2位~4位狙いってのも悪くねぇ!!』
続いて緑谷チームに向かってきたのは障子一人だった。
その様子を見た緑谷は驚くがすぐにカラクリを理解する
「複製腕の中に蛙吹さんと峰田君が‥‥‥!!その手があったか!!」
「はーはっはっ!!!緑谷あっ!!流石のお前でもこれは厳しいだろっ!!!」
そう言って峰田は複製腕の中から自身の個性であるもぎもぎを投げつけてくる
確かに当たればその場で動けなくなる
だが、彼の個性は無限に出てくるわけじゃない弾切れになるまで避け続ければいい
そう考えていた緑谷だがすぐに脅威に気付く
「ちょ‥‥!?」
麗日の声と共に緑谷もまた驚きの表情へと変わる
なんと、もぎもぎが『空中で固定されているのだ』
「そうか‥‥!!気弾にもぎもぎを込めて発射したのか‥‥‥!!!」
地面にあるもぎもぎはもちろん厄介極まりない
更にそれに加えて空中に固定された気弾、そして______
「加えて‥‥気弾による‥‥‥追尾っ!!!」
「さっき緑谷が使ってた技だぜェ‥‥!!そう!『繰気弾よ!!』
コイツはオイラ式の繰気弾!!名付けて!『もぎもぎボールッ!!』」
もぎもぎによる粘着力は緑谷自身も知っている
USJの一件よりも前に一度、試しに手に持ってみたことがあるが、OFA100%を使用しないと無理矢理外せないほどの粘着力を秘めていた
つまり、『当たった時点で拘束される』気弾が完成したわけである
「これは流石に不味______ぐっ!?」
蛙吹さんの気を感じたので咄嗟に顔を横に退かすことで彼女の舌での攻撃をなんとか避けることが出来た。
峰田君によるもぎもぎボールに意識を割きながら突然の攻撃に対処するのは本当に至難の業だ‥!!
「もう一回飛ぼう!!流石にこれは分が悪すぎる!!」
「「「了解!!!」」」
再びもう一度緑谷は空へ翔る
それに続くように麗日達も飛んでくる‥‥その一瞬の空きに付け入るようにあの男がやってくる
「楽しそォだなァッ!??デクゥッ!!」
「くっ!!!」
「俺も混ぜろやァッッッ!!!!」
彼は既に『爆殺神モード』を発動しているようで、その発動してる中で空中へと飛び出し緑谷へと襲い掛かる
そして空中で爆豪は凄まじい速度で緑谷へと手を伸ばす。
空中とはいえギリギリ反応が間に合った緑谷はそれを片腕で防いでみせる
「ハッ!!そうこなくっちゃなァッ!?」
防がれたと分かると、すぐに後退しそのまま元の騎馬の形を取ろうとする
どのように着地するんだと目をやると、着地する寸前、自身の個性である爆破を匠に使い、落下の勢いを無くし、それを切島が気合でキャッチするというものだった
しかし切島へと負担は本当に最小限にまで収まっておりなんともテクニカルに着地をして見せていた
再び空中で元の騎馬の形へと戻った緑谷だが、早速トラブルが起きたことを知らされる
「ごめんデク君‥!峰田君の奴が引っ掛かってサポートアイテムが‥‥!!」
「着地は行けそう?」
「う、うん!でも‥片方だけやから不安定やと思う‥‥」
となると、次からは空中での緊急回避は使いづらい‥‥か。
「よし‥‥‥なら次からは真正面から闘っていこう‥!!小細工は無しだ!!」
「デク君‥‥‥ホンマに楽しそうやね」
「闘争の中で笑みを浮かべし者‥‥」
「えぇー!?もう私のベイビーは使わないのですか!?」
そんな事を言いながらなんとか着地した緑谷チームだが、続いて立ちはだかるのはこのチーム
「______轟君」
鋭くてそれでいて冷たい眼でこちらを見つめる者がそこには居た。
緑谷がこちらを見たとほぼ同時、轟が仕掛けてくる
「上鳴ッ!!!」
「おっけぇ‥‥!!!無差別放電‥‥‥!!!」
「(咄嗟に飛ぶのは無理‥‥‥なら‥!!)」
「ごめん常闇君!!お願い!!!」
「承知ッ!!」
「200万ボルトォッッ!!!!!」
緑谷へ向かってくる者達への牽制に加え、緑谷自身への攻撃をも含めて上鳴の放電を放つ
それによる対策は八百万による創造で作り出す絶縁体によって防ぐことを可能にした
そして八百万によって事前に創造してもらった武器を使用して地面を凍らせる
これによって殆どの生徒達は身動きが出来ずに居ると考えた‥‥‥‥‥
だが、その思惑は外されることとなる
「やべえぞ轟!俺の放電、峰田と葉隠と爆豪に避けられちまった!!緑谷の奴もだ!!」
「なに‥‥!?」
轟に続くように葉隠、爆豪、峰田チームが一気に押し寄せてくる
「障子!!腕開けていいぞ!!一気に決める!!」
「行くよ耳郎ちゃん!尾白君!!瀬呂君!!」
「やるぞ心操ッッッ!!!!」
「飯田!!俺らも前へ前進ッッ!!」
各々のチームは一気に緑谷チームへと襲い掛かる
「選択は‥‥‥いや、既に決めていたな」
「もちろん‥‥‥‥‥『真正面から受け止めるッッ』」
緑谷チームは決して後退はせず『受け止める』という選択を選ぶ
『嘘だろ緑谷チーム!!??この大人数を真正面から受け止める気かァァァァッ!?』
実況のプレゼントマイクの言うようにその行為は無謀に近い挑戦だと誰もが思われた
だが、緑谷はその考えを『良い意味で裏切る事となる』
「いっけぇぇぇぇぇぇえ!!!もぎもぎボール+カエル舌攻撃ぃぃぃぃぃぃい!!!」
「ワン・フォー・オール 5%!!『テキサス スマッシュッッッ!!!!』」
峰田チームからの気弾やもぎもぎ、そして舌での攻撃を『ワン・フォー・オール』の力を使うことによって追い返す
「ちょ‥‥‥!それはズルだろぉぉぉぉぉぉおぉお!!!!!」
その叫びと共に、峰田は後方へと吹き飛ばされていくが、蛙吹が舌でキャッチに障子が上手い具合に受け止めることで難を逃れる
「(本来は使うつもりはなかったけど、アレを突破するにはこれしか無かった‥‥‥峰田君、本当に強くなったな‥‥‥!!!)」
峰田への可能性に驚いていたが、すぐに気合を引き締め直す。次は恐らく葉隠チーム
先程葉隠が飛び出すのを感じた。
先程から周囲に注意を働かせているが、全く気配が察知出来ずに居る
「(葉隠さん‥‥‥なんて精度で気を隠してるんだ‥‥‥!!個性で姿も見えないし、本当に分からない‥‥‥!!どこだ‥‥‥!!一体‥‥どこ‥‥‥‥‥)」
周囲に注意を張り巡らせたその瞬間だった。
『脳内に危険信号のようなものが走る』
その危険信号はまるで背後が危ないと語っているようだった
その危険信号に応じるように僕は頭を咄嗟に横にズラし、後方を見る
「うえっ!?バレたっ!?」
そこに居たのはいつの間にか背後にまで回り込んでいた葉隠さんだった。
透明化していてわからないけど、空中に浮いてるハチマキとその声からして本人なのは間違いないと思う
「くっ!!」
僕は手を伸ばすけど、それよりも先に葉隠さんが舞空術で一気に後退していってしまった
「なんて、精度なんだ‥‥!!」
あの危険信号のようなものが無かったら取られていた‥!!
‥‥‥‥というより、あの感覚は一体‥‥‥
いや考えてる暇はない‥‥!!
何故ならそれに続くように双方から迫ってくる騎馬が居るからだ。
「緑谷ァッ!!!」
「デクゥッ!!!」
先に向かってくるのは飯田君を脚にしている轟チーム
轟君は加速した勢いで僕のハチマキを取ろうとするけど、僕はそれを片手だけで受け流してみせる。
「ぐッ‥‥!!!」
もう一手として僕へと氷の力を使ってくるけど、僕は少し気を込めた拳で難無く砕いてみせた
その一連の行動を終えたと同時、今度はかっちゃんが飛び出して来る
「デクゥッ!!!!!」
「右に動ける!?」
「芦戸ちゃんの酸があるから行けない!!」
「左は凍ってるから行けない‥‥!!流石だよかっちゃん!!」
僕は咄嗟に指示を出すけど、無理な提案だったっぽい!
しょうがない!ここも真正面から‥!!
_________その時だった
『クソデク!!!!』
飛んでくる方向とは別、飛んできたその奥の方
『そこからかっちゃんの声がした』
いや、声のトーンや感じからしてよくよく聞き取ると本人のそれではない
それでも僕は、その声に『反応してしまった』
「え、なん____________ッ!?」
それに反応した瞬間、『僕の身体が言うことを聞かずに硬直してしまった』
「(これは、まさか‥‥!!)」
「よくやったぞ心操ォォォッッ!!!!」
クソッ!!不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い!!!!!
やられた!!まさかかっちゃんのチームにそんな強力な個性を持ってる人が居たなんて!!!
紫髪の子、確か名前は心操君!!!そして片手に持ってるのは‥‥‥『サポートアイテム!!』
あれからかっちゃんの声に変換して叫んでたのか‥‥!!!クソッ!!一発限りの奥の手‥‥!!だけどこれは‥‥‥あまりにも‥!!!
その時、僕の脳内に『悟空さんの言葉が蘇る』
それは干渉してくるタイプの個性について考えてる時に答えてくれたもの
『そんなん簡単さ!相手より強けりゃそんな小細工は通用しねえ。
気合い入れときゃ時止めだったり超能力なんざ屁でもねえぞ。」』
そうだ‥‥‥『気合‥!!』
気合を入れろ‥‥‥気合をォッ!!!
二枚のハチマキを爆豪が掴んだその瞬間
緑谷の腕に『ワン・フォー・オール』が宿る
「なにッ!?」
「ワン・フォー・オールッッッッ!!!『10%!!!!』
『デトロイトォォ!!!スマッシュッッッ!!!!』」
緑谷は1000万と書かれたハチマキだけ奪い返すと、爆豪をその勢いのまま空中へと投げ返す
爆豪は空中で勢いを殺し、再び緑谷の方へと照準を合わせる
「まだまだァッ‥‥‥!!!!今度は小細工無しにキメてやらァッ!!!!」
乱戦を繰り広げる中、残り時間は10秒となっていた
そんな中、緑谷へと向かってくるのは轟チームと爆豪チーム
「勝ちてぇ‥‥‥‥勝ちてぇ‥‥‥っ!!
緑谷に‥‥!!飯田っ!!!全力で行けぇッ!!!」
「了解‥‥!!!取ってくれよ‥‥!!轟君!!!」
飯田が少し構えると、『一気に加速する』
これは彼の必殺技の一つでもある『レシプロバースト』だ
トルクの回転数を操作して、爆発的な加速を可能にする。
一度使用した後は再使用にインターバルが必要で、1分弱ほどはほとんどエンジンが使えなくなるが、この場に置いてそのデメリットはほぼ無いに等しい。
轟は想った。
_____勝ちたい。と
そう想ったのは何故か?
いや、そんな深い考えはない。
ただただ、何故か『緑谷に勝ちたい』
そう心から想ったからだ。
本人には自覚が無い。
だが、その強き想いは
『炎となって宿っていた』
「緑谷ァァァァっっ!!!!」
だが、想いだけでは
「『ワン・フォー・オール10%』ッ!!!」
今の緑谷には届かなかった。
「ぐ‥‥‥‥!!!!」
炎での攻撃も緑谷にワン・フォー・オールを宿した片腕で難無く防がれてしまう
今度は再び空中からやってきた爆豪を対処しようとする緑谷だったが
『ターーイムアーーーーップ!!』
その叫びと共に第二試合が終了を迎える
オールマイト「葉隠少女どこに居たの!?全然分からなかった‥!」
悟空「すげえなあいつ!すんげえ精度で気を隠してっぞ!!」
オールマイト「あれ?悟空さんわかるの?」
悟空「あぁ!けんどあの精度は久しぶりに見たぞ!」
オールマイト(あ、あれ以上の人って居るに居るんだ)
観客席でこんな会話があったそう