『ヘイガイズ!!アァユゥレディッ!!??
色々やってきましたが!!結局これだぜ!!ガチンコ勝負!!!』
『頼れるのは己のみ!!ヒーローでなくともそんな場面ばったかりだ!わかるよな!!』
ついに始まった最終種目。
プレゼントマイクの実況がこの広い会場を響き渡る
「___HEY」
僕がステージへと出る前に少し深呼吸してる時だった。
オールマイトが話しかけにきた
「今の君は紛れもなくこの学園でトップを貼れる実力を持ってる。それはこれから対戦する相手もこの会場にいる皆も疑いようもないだろう。
だからこんなことを言うのも少し変かもしれないけど_____」
「____頑張れよ。少年っ!!」
オールマイトはわざわざマッスルフォームになってまで僕にエールを贈ってくれた。
それを受け取った僕は気が付けば笑みが溢れてる
強く拳を握った後、今日一番元気な声でオールマイトへ応える。
「はいっ!!!行ってきます!!」
一回戦 緑谷vs心操
『成績も実力も文句無しの一位ッッ!!!一学年最強と名高い男ォッ!!ヒーロー科緑谷出久!!!対
そんな最強に挑む者ォ!!ごめん!!活躍見逃したぁ!!!普通科心操人使!!!』
ルールは至って簡単
相手を場外へ落とすか戦闘不能にするか、相手にまいったと言わせるか
つまり、『僕の本領が発揮できる場でもある』
ステージに上がり、軽く身体をジャンプさせたりしてウォーミングアップをしておく
相手もまた僕と同じようにステージへと上がってくる
近くにまできた彼に僕は軽く挨拶だけしておく
「よろしく。良い試合にしよう」
「______あぁ。よろしく」
会場が沸き立ち、後はスタートの合図を待つだけとなる中、目前の彼は口を開いた
「‥‥多分、ここに居る奴らのほとんどは皆『緑谷がどう勝つのか』にしか考えてないんだろうな。
正直言って俺も勝てる未来が想像出来ない」
「でもさ、世の中居るんだよな。物好きなやつがさ‥‥‥『死ぬ気で勝ってこいや』って背中押してくれる奴も居るんだよ。」
「‥‥‥‥だからさ、狙わせてもらうわ。
『番狂わせ』」
彼のその決意と共に『START』の言葉が鳴り響く。
プレゼントマイクの合図と同時に緑谷出久は構えを取る。
左腕を頭部の場所にまで持っていき、右腕下側へ
武術の心得を持ち合わせていないド素人の心操でもそれが、戦闘態勢であることくらいは理解出来る
こちらも身構えていつでも反応できるように神経を尖らせていたのだが‥‥‥‥『気が付けば緑谷との距離が0になっていた』
「な_______」
気が付かなかった。という次元では無い
『見えなかった。』
まるで、フレーム単位で動いてるかのようなそんな次元だった
咄嗟だったが、必死に身体を横に動かそうとするもその努力は追いつかず
緑谷からの攻撃を二発、身体でモロにくらってしまう。
それは腹に一発、蹴りを一発、
まるで電光石火のようにそれでいて流れるような攻撃を食らわせてきた
その攻撃で吹き飛ばされしまうが、なんとか場外にはならずに済んだが、あまりに重い攻撃に身体が悲鳴を上げている
『オイオイオイッ!?なんつー速さだァッ!?
なんも見えなかったぞ!?』
『鳩尾を確実に狙った一撃に加え、流れるような回し蹴り。
やはり緑谷は個性だけじゃなく武術の技量が並外れてるな』
『俺には全然見えなかったけどそうらしいぞッ!!!なんて奴だ緑谷ァッ!!!!』
「(クソッ‥‥‥意識保つのでギリギリだ‥‥爆豪としてた組み手とは比べ物にならねえ‥‥‥)」
緑谷の力に戦慄してる心操だったが、対する緑谷本人は心操に驚いていた
「(‥‥‥今ので戦闘不能にするつもりだった‥‥‥確かに攻撃はモロに入ったけど、ギリギリの所で芯は外した‥‥‥いや、『外された』)」
緑谷なりに手加減等はしてはいた。
それでも、普通の一般人ならば芯を外したとはいえ気絶してもおかしくない程の力のはず
それを受けても尚目前に立つ心操はまだ闘う意思を残している
「(‥‥‥‥‥油断出来ないな)」
彼なりに修業してきたこと察した緑谷はむやみに追撃はせず様子見を選んだ。
緑谷からすれば当たり前の行動だが、心操からするとありがたい行動でもあった。
意識が朦朧としてる中追撃されたらたまったものではない
「‥‥‥お前は、恵まれてて良いよなァ‥‥‥緑谷出久‥‥‥」
緑谷が再び構えると心操は不意にそんなことを呟く。
この問に緑谷は受け答えしない、何故ならきっとこれは彼の個性が発動する条件だろうから
それを見た心操は肩で軽く笑いながら続ける
「‥‥‥‥こんな個性でも、夢見ちゃうんだよ‥‥‥‥笑えるよな」
ネタが割れてることを察した心操はポツポツと言葉を並べる
「すげえよな、お前の個性‥‥‥身体能力が上がるんだっけか?ピッタリだよ!!ヒーローに持ってこいな個性だ!!」
緑谷は無言のまま彼の言葉を聞いている。
だが、決して口を開こうとはしなかった
「俺は‥こんな個性のおかげでスタートから遅れちまったよ‥‥‥恵まれた人間には分からないだろ!!」
「誂え向きの個性に生まれて、‥‥望む場所に行ける奴には‥‥!!」
_________分かるよ
「‥‥‥え‥‥‥」
「分かるよ。‥‥‥‥でも、そうだ。
僕は恵まれた‥‥‥『人に恵まれた』」
「だからこそ、『負けられない』」
「な、なんで‥‥‥なんで俺の個性が効いてないんだ‥‥!?」
話しかけ、それに応答すると発動する彼の個性、『洗脳』
そのトリガーが引かれているのにも関わらず、発動しない。
そんな事態に動揺していたが緑谷はすぐにそれを否定する
「いや、『効いてはいるよ』‥
頭にモヤがかかったみたいで‥‥‥『身体も若干言うことを聞かない‥』」
言ってしまえば文字通り『気合のみで洗脳に抗っている状態だ』
しかし、心操には理解が出来なかった
何故、相手自ら自分の張った罠に飛び込んでくるのか
その意図が分かりかねなかった
「‥‥‥伝えたかったんだ。君に‥!!」
恵まれた者からの余裕の一言にも聞こえるかもしれない
誂え向きの個性を持て余した人間の吐く戯言に聞こえるかもしれない
でも、伝えたかった。
言葉にして伝えたかった。
『無個性でも』
『どんな個性でも』
「君もッ‥‥!!
ヒーローになれるッッ‥!!!」
_____ヒーローになれると。
心操はまるで自身にまで洗脳を食らわされたのかと思うほどの衝撃が襲った。
彼は今、気合のみで洗脳に抗っている
それも必死に。
だが、その必死になってまでやったことが『勝つ為ではなく』
心操に『ヒーローになれる』と言う為に‥‥‥
「___________」
限界だと判断した緑谷は、自身の個性であるOFAを使用して、無理矢理自身に掛かってた洗脳を振り払う
そして、再び心操へと向き直る
それを何を意味するのかを理解出来ない心操ではない
心操もまた、身構える
_______本当に、何から何まで俺はコイツに負けている。
スタートも、考え方も、生き方も、やり方も
多分こいつは個性に目覚めてなくても、俺と同じようにヒーローに向かない個性だとしても
全く同じように俺にはそう言い放ってくるんだろう
本当に思い知らされる。
俺と緑谷の間には圧倒的な差があることを
_______それでも
「来いよ‥‥‥緑谷ァッ!!!!」
_____見ようとするな。
見てから反応しようとするな。
予測しろ。
緑谷が向かってくる方向を
緑谷の動きを
『信じるんだ。自分の直感を。』____
心操は極限にまで集中力を上げる。
爆豪と行っていた組み手、その内容はあまりにも一方的なものだった。
爆豪の圧倒的な速度と多彩な攻撃で翻弄され続ける心操が鉄板だった
『クソッ‥‥個性使ってても使ってなくてもこんなボコボコにされるなんて‥‥‥どうすりゃいいんだよ‥‥‥気ってなんだよ本当に‥‥‥』
『テメェは気とか感じようとすんな。やるだけ無駄だボケ。
むしろ考えることが増えてデバフだろそれ』
『はあ?‥‥じゃあどうすんだよ』
『予測して避けろ。それしかねえだろ』
『無茶言うなよ!?』
そう
武術等が素人当然の人間に動きを予測して避けろ。なんて芸当は難しいのは当然
が、しかしだ
『無茶だがやるしかねえだろお前は。
それしかタイマンで勝てる方法はねえぞ』
そもそもの話をするならば気を扱う事自体素人には難しすぎる次元だ。
二週間そこらで扱えるようになるような生半可なものでは決してない
ならば、やるしかない。
『動きを予測して、勝つしかない。』
次の刹那、緑谷がスタートを切る
それは相変わらず普通の人間には全く目で追えないような速度
狙うは片腕を取ってでのノックアウト
しかし
『緑谷の狙った攻撃は空を切る』
「ッ!?____」
心操は、『緑谷の攻撃を避け更にはその腕を掴んでいた。』
その事に一番驚いていたのは心操自身だ
だが、それによるリアクションは全て後回し
こんな千載一遇のチャンス見逃すわけにはいかないのだから
腕をしっかり掴み、『背負い投げの体勢に入る』
タイミングも、読みも、何もかもが完璧のタイミング
『まるでそのような動きをするのを分かってたかのような』
完璧なカウンター
のはずだった
『フルカウル 5%!!』
心操は気が付けば自身が行おうとしていた背負投げを逆に自分に掛けられ、場外へと投げ出されていた。
「心操君、場外!」
避けるタイミング、腕を掴むタイミング、それら全ては完璧に出来ていた
‥‥‥‥だが、簡単な話をするのであれば『技量や純粋な力』
それに差があり過ぎた故に起きる事態‥‥必然
「‥‥‥‥駄目‥‥‥か。」
「勝者、緑谷君!!二回戦進出!!!」
『IYAHA!!緒戦にしてとんでもねェ闘いだったぜェ!!両者の健闘をたたえてクラップユアハンズ!!!』
拍手が会場で沸き立つ中、心操は立ち上がり、緑谷と向かい合う
緑谷が何か言い出そうとしていたが、それよりも先に彼が口を開く
「_____知ってたよ。お前がどんだけ苦労してたのかとか‥‥どんだけ修業してたのかとか、‥‥‥昔は無個性だったこととか」
「‥‥!!なんでそれを‥」
「爆豪からある程度聞いてる‥‥‥まぁ、なんつーかさ‥‥‥あれは試合に勝つ為にやったことだから‥‥‥忘れてくれ」
そう言って後ろを向き、戻ろうとする。
緑谷はその姿をただ眺めることしかできなかった
‥何か掛ける言葉を探そうとしていた
彼は緑谷にとって昔の自分のようなものだ
OFAや、悟空と出会う前の自分自身
‥‥‥でも今の自分に、何か言えることは他にあるのだろうか
掛ける言葉が見つからない。
そう思った時だった
「かっこよかったぞ!!心操!!」
「正直ビビったよ!俺ら普通科の星だな!!」
「ヒーロー科一位と勝負してあそこまでやれるなんてすげえよ!!」
それに加え、観客席から更に声が聞こえてくる。
「この個性、対敵に関しちゃかなり有用だな‥‥気合でなんとか出来るらしいけど、相手が規格外だしな‥‥」
「雄英も馬鹿だなー‥‥あれ普通科か?」
「しかも一瞬攻撃を避けて背負い投げを決めようとしてたよな?将来有望だぞありゃ」
「カウンターにカウンターとかしてきやがったからな‥‥‥あのレベルだと仕方ねえとしか‥‥もったいねえよな‥」
それは心操に『正当な評価を下す者達の声だった』
「聞こえるか 心操おまえ、すげェぞ。」
それを聞いた心操に様々なものがこみ上がってくる。
悔しさ、嬉しさ、それ以外の感情全てが
後ろを振り向かず、心操は声を上げる
「‥‥‥緑谷、戻る前に言っておきたいことがある。」
「______ありがとな。
ヒーローになれるって言ってくれて」
少し涙ぐんだ声をしながら、声を若干荒げながら続ける
「ヒーロー科編入を目指してやる。
ヒーロー科入って、資格取って、そんで‥‥!!!」
「誰よりも立派なヒーローになってやる‥っ!!」
こうして緑谷の第一回戦は勝利という形で終えることとなった
心操は確かに負けた。
内容も接戦と言うには難しい内容だ
‥‥それでも爪痕はしっかりと残していった
彼なりの全てを出し切ったとも言えるだろう
これは心操にとっての過程に過ぎないのだから
心操vs緑谷でした
力や技量が一般人よりもあったら緑谷君にワンチャンあったんじゃないのかな‥‥?くらいの試合内容にしたかったつもりです
観客視点そういった感想が多いことですので将来への期待が高まってる感じです
何故サポートアイテムを使用しなかったかと言うと使っても意味が無いと考えたからだと思われます