麗日vs爆豪の試合結果は『爆豪勝己の圧勝だった』
最後まで油断せずしっかり警戒し、相手の技を見極めた爆豪と同じの最後の最後まで諦めようとしなかった麗日の勝負
途中でブーイングが入るという事態にもなったが、麗日が最後に見せた策を見た後にそれを口にする者は誰一人いなかった。
その策は流星群が如くの無数の岩落とし
あまりにも多い岩の数に観客の皆は驚く、だがそれすらも爆豪勝己は押し退けてみせた
BOOM!!
激しい爆発音と共にその大量の岩すらも片手の爆破で一撃粉砕してみせたのだ。
その後も麗日さんは闘いを続けようとしたが、身体が追い付かず倒れてしまい戦闘不能という形で敗北してしまった
「麗日さん‥‥‥‥」
僕はその痛々しくも、最後まで闘おうと拳を強く握っていた彼女の姿をこの目でしっかりと刻み込んだ。
「いや〜‥‥負けてしまった!」
「‥‥怪我は大丈夫?」
「リカバリーされた!体力削らんよう程々の回復だからすりキズとかは残ってるけど」
次の試合に備え、控室へと向かうと
彼女はいつも通りに、元気良く振る舞う彼女の姿があった。
それを見て少し驚いたけど、それが強がりだということくらい僕には分かる。
「いやぁ〜、やっぱ強いねえ爆豪君は!完膚なかったよ!もっと頑張らんとないかんな私も!」
「______麗日さん。」
「‥‥‥ん?どしたのデクくん?」
「その、僕がこんな事言うのは変かもしれないけど‥‥‥‥かっちゃんに必死でしがみつこうとしてた麗日さんは‥‥その‥‥
『凄く、カッコ良かった。』」
「‥‥‥へ?」
「あ、その!女の子にカッコイイって言葉使うのは変かもしれないけど!心から本当に思ったことで‥!!別に可愛くないって思ってるわけでもなくて!むしろ可愛くてカッコイイって思ってて‥!!」
「わ、わかったわかった!!それ以上は多分続けたらアカンよデクくん!?」
「えっと、だから‥‥‥なんていうんだろ‥‥‥」
なんて言葉を掛ければいいかわからなくなっていると、放送で次の試合の準備が始まってることがわかった
僕もそろそろ控え室で準備しなくちゃならなくなってしまった
それを察したであろう麗日さんは僕に笑顔でこう言った
「ありがと、デクくん。
見とるね、頑張ってね。」
それだけ言って僕を送り出してくれた。
「‥‥‥‥‥‥‥ふー‥‥‥‥」
緑谷出久が部屋から出ると、麗日は軽く深呼吸した
その上で先程緑谷の言っていた言葉達が蘇る
『カッコよかった。』
『可愛いしカッコイイ』
そんな言葉達を思い出して麗日は顔を赤くし、その上で心臓の音が速くなるのを感じていた
この感情の正体を知らないほど彼女は鈍感では無い
「うぅ‥‥‥‥私ってこんなにちょろかったっけ‥‥??」
麗日少女の物語も一歩ずつ進んで行っていた。
僕はステージに向かう最中、対戦相手である轟君に『近い気を感じた』僕は曲がり角の所で一度静止する
その人物は僕が立ち止まったことに気が付くとそのまま姿を現してきた
「緑谷出久‥‥‥君の活躍見せてもらった。
個性も、素の身体能力、この学園で確かにずば抜けている。
素晴らしい。その一言に尽きるよ」
「えっと‥‥‥ありがとうございます。」
「パワーも、闘い方も、まるで『オールマイトのようだった。』
既視感を感じざるを得なかったよ」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「ウチの焦凍には『オールマイトを超える義務がある』
君との試合はテストベッドとしてとても有益なものとなる。
現時点でオールマイトに一番近い君と闘うのだから尚更だろう。」
僕の脳裏に競技が始まる前に轟君から言われた言葉を思い出す
________つまり、俺がお前に固執してんのは、見返す為でもある。クソ親父の個性が無くたって‥‥‥‥いや
『使わず一番になる』ことで奴を完全否定する_______
轟君の言っていた世界がどんなものなのか、どんなことをされてきたのか、僕は彼の口から聞いている
そして、今その世界が鮮明によりリアルに感じる事ができた
「言いたいのはそれだけだ。直前に失礼した」
______僕は、オールマイトではありません。
咄嗟にそんな言葉を口にしていた
そんなの当たり前、誰でも分かるような事実。
それはエンデヴァーさんでも分かりきっている
「‥‥そんなの当たり前___」
「当たり前の事ですよね。」
「轟君も、『貴方じゃない。』」
エンデヴァーの目にある男が重なる
それは『平和の象徴オールマイト』
彼の姿だ。
______だが、この既視感はその男だけではない
この既視感、ついさっき感じたような気がする
平和の象徴と同じように彼に重なる人物
それは先程焦凍と喋ってる際に肩を掴んできた男
見知らぬ男性
その人物がステージへ向かう彼の背中と重なっていた
だからこそ思い出し、復唱される
彼らから言われた言葉を
_____じゃねえといつか後悔すっぞ。
_____轟君も、貴方じゃない。
「‥‥‥そんなもの‥‥‥俺には______」
「‥‥来たな」
ステージに上がると、轟君は既にフィールド上で待っていた
彼も相当気合が入っている様子でここからでも闘志が溢れてることが見て取れる
『今回の体育祭両者トップクラスの成績!!
まさしく両雄並び立つ今!!』
『緑谷vs轟!!START!!』
いいのよ。 おまえは_________
この先を いつの間にか忘れてしまった
「凍れ‥‥‥!!」
「ふっ‥‥‥!!」
『うおおおおお!?轟の先手必勝氷漬けを緑谷が軽く防ぎやがったァッ!?どういう原理なのあれ!??』
『奴の持ってる格闘技術の中に気っていう身体の中にあるエネルギーを放出したりできる技がある。
アレはその一種の『気功波』って奴だ。』
『なんだかよく分からねェけどスゲェってことはなんとなく分かったぜェ!?』
ずっとその昔、母親と話したその会話
その先の言葉をいつの間にか忘れてしまってた
思い出そうとしても、その前に『あの男の顔がチラつく』
俺を自分の道具としか見てないようなあの男の顔が
「(‥‥‥やっぱ防がれるか‥‥‥なら)」
あの男を否定したい
あんな男の力なんて使いたくもない
あの男のしてきたことを、母さんにしてきたことも全て否定したい
だから俺は『左は決して使わない』
それが奴に対する完全否定だと信じてるから
‥‥‥‥‥でも、だからこそ疑問に思うことがある
______なぜ俺は、騎馬戦の最後左を無意識に使ってたんだ
本当にいつの間にか左から炎が出ていた
それは何故なのか、今でもよく分かってない
「一気に凍らせる‥‥!!!」
轟が地面を強く踏み込むと同時、彼の前方方向全てが氷漬けになる
まるでそこに氷河が誕生したかのようだった
だが、氷山は次の瞬間には崩壊していた
「はッ!!!」
緑谷が自身の身体から気のエネルギーを開放することでその氷山を内部から一気に崩壊させてみせた
「クソッ‥‥‥!!」
轟は立て続けに氷結をしようと試みるが、緑谷の返しの気功波に対しなす術もなく相殺される
挙げ句の果てには氷結の勢いが最初と比べ弱くなったせいか、はたまた緑谷が気功波の強度をあげたのか
だんだんこちら側が一方的に気功波の衝撃を受けるようにもなってしまった
「ガハッ‥!?」
個性もまた身体機能の一部、個性を出し続けるのにも『限度が存在する』
「(クソッ‥‥‥‥身体が震えてきた‥‥‥!!)」
もちろんそれは轟の個性も例外ではない
「‥‥‥‥‥震えてるね。轟君」
「個性だって身体機能の一部だ。
君自身冷気に耐えられるのにも限度があるんだろうね。
‥‥‥‥‥‥でも、それって君の熱を使えば解決するんじゃないのか?」
「‥‥‥‥ッ‥‥」
「‥‥‥皆本気でやってる。
勝って目標に近付く為に、一番になる為に!
半分の力で僕に勝つ?ふざけるな
僕はまだ個性どころか君は僕をここから一歩も動かせちゃいないぞ‥‥!!」
「『全力でかかってこいっ!!!!』」
立て
こんなもので倒れていてはオールマイトどころか雑魚敵にすら‥‥
やめてください!まだ5つですよ!?
「ッ‥‥‥うるせえ‥‥‥うるせえ‥‥‥うるせえッ!!!」
轟は遠距離での氷結は諦め、緑谷との間合いを詰めての近距離戦を試みようとする
「全力でやれだぁ‥!?もう片方の力を使えだぁ‥!?クソ親父にでも金掴まされたかァッ!?」
ただがむしゃら手を振るったり拳を振るったりするが、むしろこの闘い方こそが緑谷の真骨頂
軽くいなされ、カウンターを喰らう
「ごぉ‥!!く、、そ!!なん‥‥‥で‥!?」
「なんで‥‥!!なんでなんだよ‥‥‥!!なんで、、お前は‥‥ッ‥!!!!」
「‥‥‥‥轟君。」
「僕は、一番になりたい。
この学園で、このヒーロー社会で、この世の中で一番強くなりたい。
‥‥‥それは何故か?単純に強くなりたいからとか名声を手に入れたいからだとかそういう想いから来てるわけじゃない」
「______期待に応えたいんだ。
笑って応えられるような
強くていつでも頼りたくなって優しくて
カッコイイ人に‥‥‥‥‥」
「『なりたいんだ』」
緑谷は言葉にする。
自分のなりたいと思うヒーロー像を
オールマイトのような最高
孫悟空のような最強
大きな2つの憧れ
それらに追いつけるようなヒーローになりたいと。
_________焦凍
「だから皆全力でやってるんだ!
全力も出さないで僕を倒す‥??
半分の力だけで僕に勝つ‥‥!?
それでいて完全否定するだって!?
ふざけるな!!」
_______嫌だよお母さん‥‥‥ぼく‥‥ぼくお父さんみたいになりたくない
________お母さんをいじめる人になんて‥‥‥
「勝ちたくないのか!?
一番になりたくないのか!?
やってみろよ!!
勝ってみせろよ!?
僕を超えてッ!!!」
俺は________________
俺はコイツを___________
俺は親父を_________________
ぷるぷると震えながら立ち上がろうとする轟に緑谷は彼の胸ぐらを掴み、彼の目を真っ直ぐ見つめながら言葉にする。
「君の、力じゃないか」
「_________________」
その時の緑谷の顔に既視感がある
すぐに忘れるわけがない。
それは『先程俺の頭を撫でてくれた見知らぬ男性の姿だ』
彼はこう言った。
『自分のやりてえようにやってこい』と
その言葉や撫でてくれた手には『確かな暖かさがあった』
‥‥その温もりにも、
どこか、
そう、どこかで感じたような覚えもあった。
確か、それは‥‥‥‥‥
_________いいのよおまえは
‥‥‥‥あぁ、
_________血に囚われることなんかない
‥‥‥‥‥‥あぁ、そうだ。
どうして、忘れてたんだ
どうして忘れてしまってたんだ
_________個性というものは親から子へと受け継がれますが‥‥本当に大切なのはその繋がりではありません
俺がヒーローに憧れたきっかけ
俺がヒーローになろうと決めたきっかけ
_____本当に大切なのは、自分の血肉‥‥自分のものであると認識することです!!
そういう意味合いでも私はこう言うのさ!!
私が来た!!てね
その『原点』
____なりたい自分になっていいいんだよ
_____自分のやりてえようにやってこい
轟の片方の身体から『炎が吹き出される』
その熱気は凄まじいもので、今まで授業内で出してきた小さな熱とは違う
れっきとした『炎』だ。
「俺だって‥‥‥お前に‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥やっと、こっちを見てくれたね。轟君」
緑谷にそう言われた轟はどこかハッとした気持ちとなる
緑谷の顔を見るとどこか嬉しそうにこちらを見ているのがよくわかる。
頭の中がどこかクリーンになるのを感じた
「それじゃあ始めようか。
「‥!!あぁ‥‥‥あぁっ!!」
轟の炎が更に燃え上がる。
轟焦凍の他者の気を感じられる程までに仕上がるのは割と早い段階で終わっていた
言ってしまえばその方面の才能は既に見えていたはずだ
だが、彼の『半分しか個性を使わない』という点が彼の個性と気の応用に難易度を跳ね上げてしまっていた
半分しか使っていないのであれば、それは『本来の個性の使い方ではない』
故に上手く気を使いこなすことが出来ずにいた
だが、その障害が、たった今失われた
それはつまり『轟焦凍の覚醒を意味する』
轟から噴き出す炎が変色していく
炎の色は温度によって変化することは周知の事実
そしてその色は
赤から一気に『青にまで変色して行った』
その温度はおよそ1500は超えているだろう。
轟から噴き出す氷もまた変化していく。
氷結していく氷が形を変え、まるでもう片方側も『燃え上がっているように見えた』
だがそれによって生じるのは『熱ではない、冷気だ。』
冷気もまた極限を超え『白から銀』へと変色して行く
「赫灼熱拳‥‥‥‥ッッッ!!!!」
_______ありったけを‥‥‥!!!
凄まじい気を放ちながら個性を使用する轟に口角を上げながら、緑谷もまた自身の出せるものを引き出していく
OFAフルカウルを『20%』にまで引き上げて使用し構える
「かァ‥‥めェ‥‥‥はァ‥‥‥めェ‥‥‥ッ!!!」
文句無しの互いに今出せるだけの『全力同士』
勝負の開始と共に『決着もまたすぐに付く』
「『ジェットバァァァァァンッッ!!!』」
「『波ァァァァァァァァッッッッ!!!』」
2つの巨大な気がぶつかり合い鬩ぎ合う。
だが、それも一瞬の出来事
勝負の行方はすぐに分かった。
何故、騎馬戦の時炎使ったのか
今やっとわかった
『勝ちたかったんだ。
ただ、ひたすらに、緑谷に』
________緑谷
「ありがとな」
凄まじい衝撃と共にステージの大半が吹き飛ぶ
その上でステージに立っているのは『緑谷出久』だった
対する轟は場外へと吹き飛ばされていた
「‥‥‥‥あ、‥‥‥しょ、勝者!!緑谷出久君!!三回戦進出!!!」
暴れる夢が炸裂したならもう止まらないんです
ということで緑谷vs轟でした
覚醒前轟(炎込み)約120
覚醒轟 約400以上
以下解説
気と個性の組み合わせについてなんですが
個性持ちの人達は『気』を単体だけで理解するより『気+個性』での組み合わせのほうが理解が早いと考えてます
轟君の場合は気を使って個性に応用する才能は最初からあったんですが『半分しか使ってなかった』から上手く活かせなかったという形
この『気+個性』の応用力というのは基本的に個性の熟練度によって変わります
5歳から個性の特訓をさせられていた轟君なら納得だと思います
じゃあ才能ありありマンの爆豪はなんで爆殺神モードを使い切れてないのかというとあれは根本的言うと『気+個性』ではないからです
爆豪君の場合は『個性→気』だからです
とりあえず爆豪君のやろうとしてることだけなんか違うって考えてくれたら大丈夫です