ギフテッドの箱庭   作:OK男爵

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久しぶりに書いた。


1-4 「平宮 久遠という男」

「よお、待ちくたびれたぜ。着替え凝るタイプか?」

 

 

「………は?」

脳が、今目の前にある状況を受け付けない。

乱暴に割られた窓、見知らぬ男、意識を失った壮馬…

現実感が自分の中で音を立てて崩れていくのを感じる。

 

「お、おま、お前は誰

「悪いがこっちにも時間っつーもんがある。さっさと終わらせるぜ。」

 

 

 

「うぐあゥ!」

 

「……わりーな。恨むなら恨んでくれ。

だがな、これも俺の仕事なんだよ………ったく、なんで理事長もこんなこと俺に頼むかなぁ…」

 

「う、ぐ、そう……ま……!」

 

 

突然現れた男に弟傷つけられて、何も出来ずに俺もボコられて……俺が前世で何したってんだよ……

……クソが、こんなんで終われるかよ!あの男が何したが知らねえが、こっちにも特別な力(身体能力)があんだよ!

 

「…くらえオラァ!」「うお危ね!ま、能力(ギフト)持ちに舐めプなんざできねえか……なら、」

 

陰影(ハイド)

 

 

 

ん?なんだ、奴の姿が消え……

「………んあ?なんでこんな体がいてぇんだ?

…って、壮馬!なんで気失って!──がァ!」

 

 

 

(哀れなもんだなぁ、平宮 久遠。陰影(ハイド)の能力で俺の存在も、俺に関する記憶も、俺の声も、姿も、全て隠された(・・・・)。このままお前の意識も失わせて……来てもらうぜ?俺たち能力者(ギフテッド)のいるべき場所に……)

 

 

~ ~ ~

 

 

 

平宮久遠は、認識すらできない存在にタコ殴りにされながら、今起こっていることの整理をしていた。

 

(身体中が痛てぇ。なんでかわかんねえけど、誰かに殴られてるみたいだ。幽霊ってマジでいるのかよちくしょう。

…ごめん、壮馬、父さん、母さん……このままだともうダメかもしれねぇ。せめて、みんなだけでも無事に─)

(……俺は、ほんの少しでよかったんだ。ほんの少しの幸せさえあれば、それで──)

 

 

 

 

(───てか、おかしくね?俺別に悪いことなんてしてないし。なんでこんなにボコボコにされなきゃ行けねぇんだ?

そもそも、俺はこんな能力(ちから)望んで得たわけじゃねぇ!なのにたまたま持って生まれただけでこんな目にあわされるなんて意味わかんねぇ!)

 

(あークソ、ムカついてきた。しかも俺誰に殴られたかもわかんねぇ、心当たりもない。弟に手出したのも許せねえ………!──よし決めた!こうなりゃヤケだ!暴れられるだけ暴れてやる!)

 

冷静になって自分の受けた理不尽に激情を覚え、折れかけていた心が立ち上がる。

そして、平宮 久遠という男の、超才能《ギフト》が開花する─────

 

 

~ ~ ~

 

 

 

 

「さて、そろそろしまいにするか。」

叶はそう言って、膝をついて今にも倒れそうな久遠の後頭部に向かって、全力の蹴りを放った。

そして、その一撃は、久遠の意識を奪うはずだった(・・・・・)

 

 

「────────は?」

 

 

だが、その未来は訪れなかった。

久遠は、認識できないはずの叶の足を確実に掴んで、止めて見せたのだ。

 

 

「な、なんで!俺のことは認識できないはず「こいつか」─!く、離せ!」

 

「ようやく掴んでやったぜ、幽霊野郎!」

 

 

そういうと久遠は、掴んだ叶の足を振り上げて、全力で床にたたきつけた。

 

「んぐぁ!……は!し、しまった、陰影(ハイド)が!」

「………能力を解いたな、襲撃者。

──いや、藤ノ尾 叶って言ってたっけ?」

 

衝撃を受けて能力(ギフト)を解除してしまった叶。

勝負は、決しようとしていた。

 

 

 

 

 




次回、「箱庭」
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