戦争終結から、4年。
ミライは、ある店を訪れていた。
早速中に入ったミライは、その中にいた中年の男に話しかける。
「クレイさん、こんにちは!」
「あぁ!?今日は休業日だぞ!……ってミライか。こんな朝っぱらからなんの用だよ。」
ミライに話しかけられた男の名は
「こんな日だからだよ!いい?聞いてよ驚かないでね?
なんとこの度……レナとボクに家族が増えることになりました〜!!!しかも2人!!!
わ〜い。ドンドンパフパフ〜。」
「……は?オイオイマジかよ。それはつまり、その……妊娠した、ってことだよな……。そりゃあおめでたい事だが……そうかぁ、お前らも結婚してもう4年くらいか?ったく、時の流れってのは早いなぁちくしょお〜!」
「言動が一々ジジ臭いよ〜クレイさん。
……いや〜、それにしても、子どもが出来たら家庭がますます賑わっちゃうなぁ〜!男の子と女の子が1人ずつだってさ!楽しみだなぁ〜!」
「………んで、今日はそんな惚気話を聞かせる為だけにわざわざ来たってのか?ならさっさと帰んな、俺は忙しいんだ。」
永遠と惚気けるミライに対して、クレイは苛立ったように帰るのを促す。
「ん?あぁ、もちろんそれだけじゃないよ。今日来たのはねぇ──」
ここでようやくミライは、ここに来た最大の目的を話す。
「いつもお世話になってるクレイさんに、是非とも、子どもの名前を決めて欲しくってさ。」
「……子どもの名前ぇ?んな大事なモン、俺が決めちまっていいのかよ?」
「うん!レナと2人で話して決めたんだ。クレイさんならいい名前付けてくれるだろう!ってさ。伊達にボクらより長く生きてないだろうし、知識とかも多そう。」
「……はぁ。どんな名前でも文句言うなよ?……よし、そうだな──、レナとミライから文字を取って、『ミラナ』と『レイ』ってのはどうだ?」
「……ミラナ。……レイ。
………うん!めちゃくちゃいい名前!ありがと、クレイさん!」
クレイの名付けた渾身の名前に喜ぶミライ。そんなミライに、クレイは話をする。
「……ミライ。言わんでもわかるだろうとは思うが、まぁジジィの戯言とでも思って聞いとけ。」
「………?何?てかクレイさんはジジィって言うほど歳取ってないでしょ。まだ41じゃん。」
「んな事はどうでもいいんだよ。いいか?お前達は、これから新しい[
後、家族だけは何があっても守れ。守るもんは多くなるかもしれんが、惚れた女とその子供だろ?ちょっとばかしカッコつけたって罰は当たんねえよ。その惚れた女すら守れなかった男からのアドバイスだ。」
「……うん、分かった。ホントにありがとね、クレイさん。」
(……とにかくまっすぐな奴だな、ミライは。……そのまっすぐさが、裏目に出なけりゃいいけど……)
クレイからの忠告を受け取ったミライは、店を後にする。その純粋な背中を見て、クレイは眩しさと不安を感じるのだった。
家に帰ったミライは、『GLOW』でのクレイとの会話を、レナに伝えた。
「『ミラナ』と『レイ』、ね。すっごくいい名前じゃない!……こんな名前つけて貰えたなんて、この子達も幸せね。」
「ね。……それにしても、子ども、か。
ボクたちも、ついにここまで来たなって感じだよね。」
「……そうね。結婚なんて、初めはどうなるのかなんて思ったけど、意外となんとかなるもんね。」
「そりゃ、レナを幸せにできないようじゃ、夫として失格だもん。わざわざ、クレイさんにも言われたぐらいだし。」
「そういえば、初めてクレイさんと会った時も、ミライはめちゃくちゃ突っかかられてたわよね。『お前、うちの従業員貰うつもりらしいなぁ。お前に女一人の人生背負っていける覚悟はあんのか?』なんて言われてね。」
「あ〜、そんなこともあったなぁ。ボクその時なんて言ったっけ?『背負うんじゃないです!支え合うんです!』だったっけ?」
「そうそうそうだった!あの時のミライは……まぁまぁカッコよかったわね……」
「ふふ、ありがとうレナ。レナも結構素直に褒めてくれるようになったよね。成長だよ!」
「……ミライに嫌われたく、ないし。」
「はは、ボクがレナのことを嫌うことなんて世界が終わっても有り得ないよ。」
レナとミライは4年前のことを思い出し、懐かしむ。
そんな中レナは、自分たちの子どもについての不安を零す
「………私さ、子どものこと、まだ不安なんだよね。
私の子どもだから、私みたいな力持って生まれてきたら、きっと苦しむと思う。それこそ、私みたいな母親から生まれなきゃ良かった、なんて。」
「……レナ。ボクさ、君の力のこと、あんまりわかんないし、言うことだってできないと思う。でもさ、これだけは言えるよ。
君は、この世界で一番の母親になれる!安心して、このボクが保証する!」
「……その自信はどこから出てくるのやら。
でも、ありがとう。ミライの想い、信じてみる。
私、絶対この子達にとっていい母親になる!なってみせる!」
それから、約1年。
「ぐっ、ううぅ………!!!」
「落ち着いてください!大丈夫ですよ!
ほら、呼吸を整えて!」
「レナ、頑張れ………頑張って……!」
ついに、新しい命が生まれ落ちる瞬間がやってきた。
「………産まれました。産まれました!
元気な子が2人です!」
「………良かった。
……良かったあぁぁぁぁ!!!」
「おおおおお!めちゃくちゃ可愛いよレナ!この子たちが───」
今この時、2人の子ども、「
次回、「日常と暗雲」