ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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【黄色】

 

 

 

 

 

【カナエside】

 

 

「おおおおおおおおお! あのカマ野郎殴るまでは死ねるかああああああ!!」

 

 タカミさんの咆吼が響く。絶好調ですわね。ヤケになってるとも言いますけど。

 しかし今更ですけれど、なんでコレに参加するのがわたくしなのかしら。 確かに火力と射程はクラン内でも上の方だと自負はありますけれど、淑女の役目ではありませんわよね?

 ……まあ確かにわたくしの実家は落ち目で、わたくし本人もこんな稼業に身をやつしてはいますけれども。

 

 わたくしの実家は結構な名家だったのですが、徐々に衰退し、今では大した勢力も資産も持っていません。とは言え食べていくのに不自由はないので、むしろ家族は気楽になったと鷹揚に構えていますわ。

 ただ礼儀作法に関しては、やたらと厳しく教え込まれました。しかし多少一般常識と外れがあったようです。わたくしの言葉遣いが独特なのはそのせいですわ。これは世間に出てから気づいたことですけれど。

 

 まあそれはそれとして、テック使いの素質があり、教育を受けたわたくしは、早期の就職を考えていましたわ。まだ余裕があるとは言え、実家に頼った人生を送る気はありませんでしたし、折角テック使いになったのですからその才能を生かして職を得ようとしましたの。

 で、比較的まともそうで給料も良かった異世界対策機構に就職したまでは良かったんですけれど……どうしてこうなりましたの? 大切なことだから2度言いますけれどどうしてこうなりましたの!?

 

 レースに出場するまではよろしい。ネクスティスという、色々な意味で対テックを想定した勢力の実力を見るという目的を果たせますから。

 タカミさんがドライバーを務めるのもよろしい。現場に出られる人間で車を動かせるのは彼女だけですし。……いい加減わたくしも免許くらい取っとくべきかしら。

 タカミさんの護衛としてわたくしがパートナーを務めるのもよろしい。テック使いではない一般人であるタカミさん……一般人? 一般人とは……? おっといけませんわ、思考の深淵に足を踏み込むところでした。ともかくタカミさんを護るための人員は必要ですから、クランメンバーの誰かが出張るのは必須でした。わたくしなのは納得いってませんけれどそれは置いておきましょう。

 レースの参加者同士を戦わせるのも、まあよろしい。この界隈の人間が普通のレースで満足できるとは思えませんし、私たちも簡単にどうにかなるような柔な鍛え方はしていませんわ。それにネクスティスのリーダー、ダイチとか言う彼の戦闘力を見る機会にもなりますので、イケハタさんはそういう狙いもあったのだと理解できなくもないかと。

 

 ですが。

 

 なんですのこの殺意高めなギミックの数々! イケハタさんこの機会に私たちを抹殺しようと企んでいませんか!?

 ……いえ多分、興が乗りすぎて過剰にギミック作ってしまったと言うところでしょう。過激に見えるドッキリ仕掛けたバラエティ番組のプロデューサー程度の考えですわよきっと。悪気はありませんわ面白がってるだけで。

 実際参加している身としてはたまったものじゃないのですけれどね!

 

「おっしゃ抜けたあ!」

 

 タカミさんの声。どうやらビルが倒壊してくるエリアからは抜けられたようですわ。今のところ脱落者は無し。ルート上に仕込まれたギミックのおかげで一時休戦状態になっていますけれど、このままですむとは思えませんわ。どこかで競い合わせるような仕掛けや情報が開示されると思っておいた方が良いでしょうね。であればやはり弾は温存しておきたい所ですけれど。

 

『もうやだおうちかえるうううう!!』

 

 似非ヒーローが何か言ってますけれど、出番ないから連れて行けとごり押ししてきたのは彼女なので自業自得ですわね。放っておくと勝手に事故って自滅しそうなので縛っておきましたが、盾とかぶつけるとかしか役に立たないのは誤算でしたわ。縛り上げて身動きできなくなった程度でテック戦闘できなくなるとか、鍛え方が足りませんわ。(←解放する気無し)

 ……まあ、いざとなったら貴い犠牲と言うことで。

 

『空気っ! 空気が不穏っ!』

「うるさいですわね」ごきゃ。

 

 とりあえず黙らせましたわ。さて、お次はどのようなギミックが……。

 

「さあ次なるセクションは……」

「もたもたしてるとどんどん連動してギミックが働くわよお!」

「ちょ、何!?  鉄砲水!?」

 

 言ってる端からコース上のあちこちで、勢いよく水が噴出しているのが見えました。あの勢い、直撃したら車といえど吹き飛ばされるほどの物。バイクなら車体ごとひしゃげ潰されてもおかしくはありませんわ。そして時間をかければ路面の状況も悪化する。いやらしい仕掛けですわね。

 

「爆発に巨大鉄球に屋台崩しに水攻め。……次は空でも飛ばされるかな?」

「ざっけんなクソ! バラエティ番組の拡大版じゃねェか!」

「はっはっは! ならば精々踊ってやろうではないか、なあヒラコ!」

「御意に!」

「死中に活あり、といったところかな!」

 

 難無く、とは言いませんが、皆水流をくぐり抜け駆け抜けていきます。見てる方は楽しいかも知れませんが。いやコレホント楽しいのかしらドン引きしてません? 

 と言うか。

 

 1週目でこれと言うことは、この後どうなりますのあと9週もありますの!? しかも1週目もまだ半ば! ネタ切れしますわよ!?

 この先まだまだ続く乱痴気騒ぎを予想して、わたくしは頭痛を覚えるしかありませんでしたわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※キャラ紹介

 【イワモト・カナエ】

 

 

 漢字で書くと【巌基 金江】。地属性、金色または黄色からこの名前になった。

 金髪ロールのお嬢様風味。口調もエレガント風味。

 

 古くからの名家の出自であるが、実家は大分落ち込んでいる。しかし家族は色々としがらみが減って気楽になったと逆に喜んでいるようだ。

 落ち目とは言えそれなりの資産を維持しており、彼女も幼少からお嬢様教育を受け、小学校までは私立の名門に通っていた。そんな環境にあっても慢心せず、早くから自立することを考えており、色々と将来設計を組み立てていたが、テック使いの素質を見出されたことにより方針を転換。テック使いとして身を立てる事を目指す。

 色々吟味した末、異世界対策機構に所属する事となり、ホープブリケイドに放り込まれた。

 

 お嬢様風なところを除けば比較的まともな人間……と思いきや、なんかどっかがおかしい。特にスナイパー属性のくせして最終的にゼロ距離射撃に持ち込もうとする悪癖がある。本人いわくロマンらしいが、何が彼女をそうさせるのか不明。

 

 戦闘コスチュームはいつも通りシンフォなアレと金色フレーム(最初期)がベース。武器は小型レールガンだが、先も言ったとおりゼロ距離射撃に拘るため距離を詰めようとする行動パターンを取る。流石にイベントだと自重しているようであるが。

 使用するテックは【腕力強化】や【命中補正】など。まともに使えば砲台キャラ。

 

 外観のイメージはインフィニット・ストラトスの【セシリア・オルコット】。元キャラのようなチョロさはないが、その分なんかおかしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ダイジェストにするつもりが1周すら終わらなかった件。
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