ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
まずいな。そう感じた。
次々と降り注いでくるマッチョバニー。それを迎撃するには
避けるしかないわけだが、あの変態ども、誘導性くらいはありそうだ。いや有ると見ておいた方が良い。どうした物かと考える時間も無かった……んだが。
「迎撃のぉ、人身御供ブリッド! ですわ!」
『NOOOOOOOOOOOOOO!!』
黄色が、力任せにヒーロー女をぶん投げた。
そういやあの女のテックって。
『IYAAAAAAAAAAAAAA!!』
複雑に回転しながら降り注ぐマッチョどものど真ん中に放り込まれた彼女は。
どばん、と爆発した。
自爆、と言うよりは極近接で相手に放つ技だ。押し寄せるマッチョにパニックになって暴発したらしい。極近接技なので本来なら周囲に被害を及ぼすことはないが、空中で無作為に放たれたそれは周囲に衝撃波を生じさせた。
「「「「「いやぁん!!」」」」」
衝撃波は数多のマッチョどもを巻き込み、その軌道をそらしたり互いに衝突させたりした。結果連中はあらぬ方向へと落ちてゆく。そして。
「追撃の普通のレールガン! でしてよ!」
黄色がレールガンを連射する。狙うはマッチョバニーを打ち出していた
程なくして全てのボウガンが沈黙し、彼女はレールガンをくるくると頭上で回してから、ずがんと突き立てた。
「これぞ友情のコンビネーション!」
高笑う黄色。そんな彼女の傍らに、ごずんと突き刺さるヒーロー女。ピクピクいってるところを見ると、まだ生きてるようだ。すごいな友情。
「またまた華麗?に襲い来るマッチョを退けたァ! さすがは封印都市でも上澄みのテック使いが集められただけはあります! 手段的に思うところがないでもないですが!」
「正直に引いたって言って良いのよ? ぶっちゃけアタシも引いたし。……こんだけ対処されてもやる気に満ちあふれてるうちの子達ってすごくない?」
つまりこれ、終わるまで続くんだろうなあ。
その予想は外れることはなく。
7周目。
「心はいつもウェット&ワーイルド!」
今度は戦車だった。戦車と言っても近代物の鋼鉄塊ではない。古代ローマとかで使われていたような、馬に引かせるあれである。
ただし引いているのも乗っているのもマッチョだ。
「……人力車って言わんか? あれ」
素朴な疑問が口をついて出るが、誰が応えてくれるわけでもない。ともかく俺たちを追いかけてくる奴らをどうにかしなければ……なんか酷い目に遭いそうな気がする。なんで御者の持ってる得物がローションとかハンディマッサージ器とか洗濯ばさみとかなんだよ。
とか戦慄していたら。
「ふむ、ここは我らが魅せるべきだなヒラコ」
「御意であります! 小官の新技、ご覧に入れましょうぞ!」
ぎゃりり、と音を立てて総統を乗せた
おいおいアイツ死んだわ。一瞬そう思ったが、ヒラコ嬢はテックを発動させ……
「【ツェアシュラーゲン・アインリンゲン】!」
一陣の閃光となって、人力戦車の群れを蹂躙した。
砕き吹っ飛ばし、R75が何事もなかったかのようにレースに復帰する。
「「「「おほぅ!」」」」」
そして背後で大爆発。マッチョどもが天高く吹っ飛ばされていく。
しかし。
「サヴァイヴァルダーンス!」
生き残ったリーダー格らしいのが、爆発を突っ切って飛び出してくる。その鬼気迫る気配と、手に持つでっかいイチジク浣腸がこわいんですけど!?
とか恐怖を感じる前に、ごかんと何かがリーダー格マッチョの額にぶち込まれた。
「
煙を吐くC96を格好良く構え決め台詞を吐く総統。白目を剥いて転げ落ち脱落するリーダー格。どうやら今のは総統のテック技のようだ。あのタフネスさを誇るマッチョバニーを一発で昏倒させるとは。やるじゃないか。
……って、あれ? なんかマッチョの祭典に見えて新技披露会になってきてない?
ちなみにツェアシュラーゲンは破砕。
アインリンゲンは乱入。
分かる人だけ分かれ。