ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

115 / 155
6

 

 

 

 

 

 8周目。

 

「まさにカーニヴァール!」

 

 次に現れたのは、遊園地のパレードとかで出てくるような、装飾過剰の山車のような車両。もちろんその上で踊っているのはマッチョだし自転車のような足こぎで動かしてるのもマッチョだ。

 

「これはド派手な出し物だァ! 殺伐としたデスレースの中に一陣の爽やかな汗臭い風が吹き込んできたぞぅ! この豪華絢爛キモすぎる出し物を、参加者達はどう切り抜けるのか!」

「ちょこちょこ本音が混じってるわねアンタ。まあいいけど。……ともかくあの車、ただの出し物だと思わない事ね」

 

 見た目だけで十分ただの出し物じゃないんだが、なんか不穏な台詞が出てきやがった。

 

「そしてフェスティヴァール!」

 

 高らかな咆吼とともに、イルミネーションから放たれた光が四方八方に降り注ぐ。

 

『チュインチュインジュジュッ!』

 

 ……おい。明らかに殺傷能力高そうなビームなんだが!?

 

「ふむ、あまり手間はかけられんか。であれば仕方があるまい」

 

 今度はダイチ氏だ。彼はバイクをマッチョ車(仮)に向かわせる。

 

「博士、【ストライクバンカー】を射出してくれ」

「大盤振る舞いだな! 良かろう、存分にやりたまえ!」

 

 また何かを積んだドローンが飛来する。変形したパワードダイチ氏が落下したブツを受け取った。

 それは、でっかい杭打ち機(パイルバンカー)だった。

 

「ロマン! ロマンでありますな! これは燃える展開ですぞ!」

 

 おいおい興奮のあまり無線封鎖を忘れてんぞロマニスト(レフト4)。それはそれとして、どう考えてもバランスの悪そうな得物を右腕に携え、ダイチ氏は疾走する。

 

「直撃でなければ死にはすまい。お互いにな」

 

 ビームの雨をかいくぐり、ダイチ氏はマッチョ車(仮)に迫る。そして。

 

「対大型来訪者用の代物だ。とくと味わってくれ」

 

 どがむ、と轟音が響く。その一撃で、マッチョ車はくの字にひしゃげた。

 当然走行を続けられるはずもなく、マッチョどもを撒き散らしながら派手に横転する。早々に離脱しパイルバンカーを破棄して変形したダイチ氏の背後で、大爆発が生じた。

 

「なんと1撃! 1撃です! たったの1発でマッチョの面目丸つぶれだァ!」

「やるわね。でもあれ使い捨てで良いの? ……試作品? あ、いいのそれで」

 

 ギャグに見えるが、アレ結構しゃれにならんな。さっきのビーム砲といい、要注意ってとこだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 9周目

 

「「「「「掘っちゃいますヨ!」」」」」

 

 工事メットを被ってスコップ持ったマッチョどもが、落とし穴があったエリアを凄い速度で掘り直したり埋め直したりしている。

 

「またしてもエコというかギミックの再利用かァ!? これまでと比べ地味な絵面だァ!」

「リアルタイムで穴の位置が変わる、昔懐かしロード○ンナー方式よ。地味だけど厄介……なんだけど、展開が予測できるわね」

 

 イケハタ氏の予測は、当然のように的中するわけで。

 

「次はオレの番ってかァ? ハッ、上等。やってやんヨ!」

 

 特に何か言われたわけでも無いのに張り切る総長。彼女はバイクの上に立つと、両手で持った木刀を右肩に担ぐように構え、大きく上半身をひねる。そして。

 

「こっちも新技だ、とくと拝みやがれ! 【冴死鬼閃】ッ!」

 

 轟、と熱線の奔流が奔る。前半でぶっ放した惨死鬼緋焔とやらは直線的なごんぶとビームであったが、今度の技は津波のような、横に広がる熱エネルギーを伴った衝撃波だ。

 それは落とし穴を掘ったり埋めたりしていたマッチョどもを、容赦なく飲み込んだ。

 

「「「「「アツゥイ!!」」」」」

 

 なすすべも無く吹き飛ばされていくマッチョども。しかし、穴を掘って逃れたマッチョどもがまだ残って――

 

「轢くに決まってんだロ」

「アウチ!」

 

 マッチョを踏み台にして、落とし穴をクリアしていく総長。

 ……なるほど。ああいう方法もあるのか。

 もちろん俺たちも後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、いよいよラストの周回である。

 

「さあ泣いても笑ってもこれが最後! 後半からは正直気が狂ってんのかってくらいのマッチョ祭りでしたが、この最後の周回でもそれが見せつけられるのかァ!」

「台詞に毒が盛り込まれてるわね。いいけど。まあともかく、最後だからうちの子らも無駄に気合い入ってるわね。どうなるかしら」

 

 さて最後は何やらかしてくれるのか……と?

 ざざっとマッチョどもがコース上に集結する。そして。

 

「「「「ビィルド、アァァァァップ!!」」」」」

 

 一斉に吠えてポージングしてから、次々と天高くジャンプしていく。連中は空中で組み体操のようにガシンガシンと接合していき、何らかの形を成していった。

 現れたのは。

 

「「「「「完成っ! グレェェェェェトマッチョリオンッ!!」」」」」

 

 どずんと着地したのは、数多のマッチョによって形成された巨大な人型。ぶっちゃけでっかいマッチョマンである。出るとこ間違えてない? 巨人を駆逐するような話じゃねえぞここ多分。

 

「これはっ! 最後の最後で見事な芸だァ! 見事すぎて意味が分かりません! 調査な兵団でも連れてこいというのでしょうかァ!」

「見た目アレだけど、無数のテック使いが寄り集まって構成しているのよ。一筋縄ではいかないわ」

 

 好き放題やってくれんなあオイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あたっくおぶまっちょ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。