ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 そして合同捜査当日。

 

「そういうわけでよろしく頼む、お嬢」

「こちらこそよろしくです」

 

 ぺこんと頭を下げてくるお嬢。今回のお供は蒼の子と……。

 

『で、なんでそんな格好してんの()()()()さんよ』

 

 お嬢の後ろに控えている片方。一見して女子高生くらいに見える彼女(グラジア)は、驚いたのか僅かながら目を丸くした。

 

『な、なんで分かったのよ。……正直自分でも鏡見てマジかって思ったのに』

 

 普段スエット&ボサボサ目隠れ髪の人物が、一転して目を見張るような美少女に化けたんだ。そりゃ何も知らん人間が見れば、同一人物とは思わんだろうが。

 

『テックの気配で丸わかりだわ。こちとらポリみてえなもんだから、そういう感覚は鍛えてんだよ』

 

 変装してその場を逃れようとするヤツなんざごまんといるからな。見た目だけで誤魔化されるような感覚じゃやってけない。

 

『まあ確かにとんでもねえ美少女になっちゃいるが。……なんでいきなりこんなことに?』

 『び、美少女!?』とか呟きながら動揺しているグラジアをよそに、お嬢がえへんと胸を張る。

 

「磨けば光ると思って磨いてみました! 狙い通りの成果が出て満足!」

「何でまた磨いたし。……まあスエットで鉄火場に出られるのもアレなんだがな」

 

 グラジアのいつもの格好は確かに戦闘向きじゃない。それを言ったらパンク(ラウディ)お水(カティナ)も戦闘向きじゃないんだが、彼女らより場違い感が酷かった。外見で油断させると言う意味では、効果があるかもしれんけど。

 

「磨かないのは勿体ないと思ったのも事実だけど、正直グラジアさんの攻撃性って、自分に自信がないって所からも来てると思うんですよね~。だからまずは外見を整えて、自分の容姿を自覚して貰えばと」

 

 お嬢なりにグラジアを更生させる方法を模索していたらしい。ふむ、グラジアの言動には多分に他者への妬み嫉みが含まれていたが、自分に自信を待たせれば、そのような思考も修正されるんじゃないかと。分からんではないが。

 

「……可愛いが場違いなのは一緒じゃねえかあ?」

「あ、こういう格好、最近の女子探索者の中でちょっと流行りなんですよ。なんでも実用性と可愛らしさの両立とかで」

「若い子は分からんなあ」

 

 ホント何が流行るか分からん。中身じじいなんで余計にそう思うわ。

 

「……まあいい。ともかく今回は捜し物がメインだ。お嬢のとこにはうちのトザマとライト4を付ける。指揮を執ってくれ。ミナセ嬢とグラジアは俺たちと同行。()()()がついたら動くぞ」

「自分は構いませんが……目標のありかは分かるのですか?」

 

 ミナセ嬢(蒼の子)が問うてきた。件の転送装置がどこにあるか分かったのかと。

 

「大体目星は付いてる。ウチの捜査部や鑑識もそれなりに働けるってことさ」

 

 事件の捜査など滅多にしないGSだが、やろうと思えばそれなりにこなせる体制は整っている。場合によっては逃げ隠れする海千山千のテック使いを相手取らなければならないのだ。実際外の警察より捜査能力は高い。

 

「とは言え、例の装置が()()()()()()()()()()モンになってたら厄介だ。下手すりゃ一から捜査のやり直しになる。そいつは覚悟しておいてくれ」

 

 グラジアにも英語で伝え、皆が頷いたのを確認する。新たな実験なのか、それとも実用段階に入っており、何か事を起こしているのか。手探りで探っていくしかない。

 楽はさせてくれなさそうだが、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【another side】

 

 

「なるほど、転送……入れ替えられた地面の様子から、装置の位置を探り出そうとしてるんですか」

 

 機動指揮車に詰めているヒロコは、トザマとライト4が操作しているPCの画面をのぞき込んでいた。

 複雑な形状のマウスを弄りながら、トザマが答える。

 

「ええ、表面材質はリノリウム。それと転がっていた物品から見て、どこかの廃病院ではないかと推測されました。以前ダンジョン内で発見された転送装置の効果距離を参考にして割り出した範囲内にある廃病院の数がこれです」

 

 画面内の地図に、いくつか区分けされた円と光点が記される。

 

「この中でGSのパトロール区域から外れていて、あまり人が寄りつかないところをピックアップすると、こうなります」

 

 光点が数個に減った。

 

「何かやってるんなら、人の出入りがある。今まで察知されなかったのであれば、今まで見回ってなかった場所と言うこと、ですね?」

 

 ヒロコの言葉にトザマは頷く。

 

「そうです。今我々が向かっているのが一番手近なところですね。一発目から当たるとも思えませんが」

 

 言いながらトザマは、()()()()()()()()()()()()に対し、内心歯噛みしていた。

 

(まだおぼろげだけど、この記憶が確かであれば……()()()()()()()()()()()()()()。隊長達なら大丈夫だと思うんだけど)

 

 もう少し前に思い出せていたら隊長に伝えることができただろうが、この状況で通信で伝えようとすれば誰に聞かれるか分からない。このタイミングというのは何者かの作為……と言うかすでに悪意だろう。苛立ちと焦燥を抑え込むしかないトザマであった。

 

「隊長達が現場に到着しました。ドローンを展開します。先行させて調査を……」

 

 淡々と言いかけていたライト4に眉が顰められる。

 

「不調? いやこれは……電波妨害?」

 

 その言葉にヒロコとトザマは顔を見合わせた。

 

「これはビンゴってやつ?」

「ですね」

 

 どうやら一発目から当たりを引いたようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




美少女()の正体があっさり判明。
そして不穏な空気。
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