ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 さて、トザマを散々宙に舞わせてすっきりした翌日。

 

「期待に応えられなくて申し訳ないんですけど、そういうのはウチではお引き受けしかねますなあ」

 

 困ったような笑顔で言うキネコさん。

 ……なんか随分久しぶりに会ったような気がするが、弾薬の発注とかでしょっちゅう顔を合わせてたんだから気のせいだろう。まあそれは良いとして。

 

「意外だな。銃器に関しては大概のことはやってのけると思ってたんだがこの店」

「ウチは既存の銃をカスタマイズすることはしても、完全なオリジナル銃を作るのはやってませんで。職人がそう言うのを嫌ってましてなあ。己の技量も信頼性も足らん、と」

 

 ()()()()を作って貰おうとこの店を訪れたわけだが、どうやらお抱えの職人に拘りがあるらしい。数多の人間が手がけた既存の銃器に比する物を作るには、まだ未熟。とか言うノリなのだろう多分。

 

「ウチとしてはやれないことはないと思うんですけど、中途半端な物を市場に流すのはプライドが許さんのでしょうなあ。……まあそれはそれとして、珍しく()()()()()をご要望で。中型以上の来訪者を極至近距離で仕留めるとかやるつもりですのん?」

 

 キネコさんの問いに応える。

 

「いや、話は聞いていると思うがヤベえテック使いが出た。そいつ対策だ」

「テック使い対策って……明らかに人に向けるモンとちゃいますやろ。オーバーキルもいいところですやん」

 

 顔をしかめるキネコさん。過剰火力を人へ向けることに忌避感があるのかも知れない。が、そんな事を言ってる場合じゃないんだよなあ。

 

「頭か胴体を吹っ飛ばさなきゃ、確実にとどめを刺せないようなヤツだ。いや下手したらそれでも仕留められるかどうか分からん」

「手玉に取られたとは聞いてましたけど、それほどのモンですの?」

「来訪者の方がまだマシさ」

 

 俺の言葉に、キネコさんは微妙な表情となる。

 

「……なんちゅうか、隊長さんはその人のことを、()()()()()()()()()ように思えますなあ」

 

 全くもってその通りだ。俺はヤツのことを、女性どころか人間としても見ていない。そういう自覚があった。

 

「そうだな。俺からするとありゃ()()()()()()()()()だ。とてもじゃないが、人間として扱えん」

 

 ここまで嫌悪感のような物を抱くのは、前世から通しで考えても初めてのことだ。もしかしたら同族嫌悪と言う物なのだろうか。ひょっとすると()()()()()()()()()()()()()()()。そう感じ、不快に思うのか。いずれにせよ、俺にとってヤツは人の範疇外としか感じられない。

 キネコさんは微妙な表情のまま、話を続けた。

 

「まあそれはええです。ともかくオリジナルの銃を作りたかったら、ウチよりタネダさんのところが適任ですなあ」

「そうか。この後寄るつもりだったから、都合が良い」

「……銃だけじゃなく、近接武器も増やすつもりで?」

「それもあるが、親父さんに意見を聞いておきたくてな」

 

 タネダの親父さんは見識が深く、使用した武器の状態から使い手の癖、戦った相手などを推察することができる。彼の意見から、ヤツの能力の一端でも見出すことができれば、そういう思惑があった。

 

「さて、銃はともかく弾はあるんだろう? 見繕ってくれないか」

「対来訪者用の弾を対人向けに売る日が来るとは思いませんでしたなあ」

「この街じゃ予想外のことはいつでも起こる。だろ?」

 

 複雑な表情のままなキネコさんだが、仕事は仕事と割り切って店員(メイド)に指示を出した。

 不本意なのかも知れんが、やっておけることはやっておきたいんでな。飲み込んで貰おうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タネダ製作所。

 

「ふん、刃こぼれも歪みもないが……この刃の潰れ具合、大型獣でも捌いたみてえじゃねえか」

 

 脇差トンファーの様子を確かめたタネダの親父さんが、眉を顰めて鼻を鳴らした。

 

「こいつは対来訪者用に仕上げたモンだ。つまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()するようにできてる。当然斬るのには向いてねえが、その分刃も潰れにくい。そんな刃物で猪や熊みてえな大型獣を何体かバラせば、こんな風になるって感じさね」

「鉈や斧で解体したようなもんか。実際グリズリーより厄介な相手ではあったが。むしろゴリラ。……いや、必要が無ければ争うことをしないゴリラに失礼だな」

「ものすごい毛嫌いしとるなお前さん。それほどかよ」

 

 別な意味で顔をしかめる親父さん。そうしてから息を一つはいた。

 

「まあお前さんの人間関係はいいわい。ともかく()()()()()と言うには負荷がかかっとる。テック使いがやり合った後の刃物を手入れしたことはあるが、それよりもだ。つまり並のテック使いを斬ってもこうはならん」

「肉体の強度が上がっているということか」

「筋密度、骨密度が大型獣並になっとるのは間違いない。素の肉体強度がそんなことになっているとは考えにくいし、なんかのテックの強化が入っているんだろうが……」

「ああ、()()()()()()

 

 おかしいと言ったのにはわけがある。テック使いの強化は、素の弾丸に生身で耐えられるほどの物だ。だが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。後はどっちかのテックが強いかで優越が決まるんだが……俺が増強を使った上で攻撃が通っている以上、()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。だと言うのに手応えは、強化されたそれ。そこがおかしい。

 

「……身体能力の向上と、防御力は別なのか? 防御力は抜けても身体能力は相殺できてないかもだ。強化してない45口径は試してないが、確認で1発入れてみるべきだったか」

「猛獣扱いしてるところを見ると、そういう小器用な事が出来るタイプには思えんが」

 

 うむむと2人揃って考え込む。と、そこへ。

 

「タネダさん、お邪魔しますよ~」

 

 ノックの音と共に声がかかり、現れたのは。

 

「……またあなたなの」

 

 うんざりした表情となった、緑の姉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




不本意と言うよりは駆除する気満々のチューおじにドン引きしてるキネコ
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