ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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 突然現れたシスターグリーン。彼女が何をしにやって来たのかというと。

 

「ほれ、ご注文の品だ。……まったく、あったま悪りぃモン作らせよって」

 

 タネダの親父さんが差し出したのは何かの包み。それを受け取ったアッネは布の梱包を解く。

 出てきたのは。

 

「……これはまた、趣味をひた走りまくってんな」

 

 ごっつい一対のガントレットらしきもの。拳の部分にはトリガーらしき物がついたグリップがあり、甲の先端には横並びの穴――()()が開けられていた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。装弾数は4発。使用弾頭は500S&Wマグナム弾。グリップについているトリガーを握り込む事で発砲する。1発ずつでも4発同時でも可能だ」

 

 親父さんの説明を聞きながら緑の……ああもうカザマツリでいいか。カザマツリはガントレットを腕に装着し、具合を確かめる。

 

「良い感じのバランスね。重さもそんなに感じない」

「グリップの先端にあるボタンを親指で押しながら手首を内側に曲げることで、排莢と装填ができる」

 

 言われたとおりにボタンを押しながら手首を曲げるカザマツリ。がちゃんと小気味よい音を立てて、チャンバーが現れ横並びのエジェクターが飛び出る。

 幾度かその動作を繰り返して作動を確かめるカザマツリ。そんな彼女に向かって、親父さんはビニールでパッケージングされた何かを差し出した。

 

「3Dプリンターでクイックローダーを作っておいた。20セットある。装弾にはこれを使え。足りなくなったらまた取りに来いや」

 

 横並び1列に弾をセットできるゴム製のローダーらしい。それを受け取ったカザマツリは、ぺこんと頭を下げた。

 

「ありがとうございます。後金はすぐにでも振り込んでおきますね」

「応よ。不都合があったら言え。1回はサービスしちゃる」

「はい、そのときはお願いします。……それで、この子(なまえ)は?」

 

 カザマツリの言葉に、親父さんは顔をしかめる。

 

「得物に名付ける趣味はないわい。好きに呼べや」

「じゃあ【マグナックル】なんてどうかしら。良い感じに韻を踏んでると思うんですけど」

 

 ……確か前の得物はフッカーガン(殴り銃)とか呼んでたな。正直微妙なセンスだと思うが黙っておく。

 

「さて、カザマツリの嬢ちゃんはいいとして、お前さんはどうするよ。斬った相手の考察をしに来ただけじゃあるまい」

「もちろんさ。俺が頼みたいのは……」

 

 親父さんに希望を告げる。カザマツリも興味が湧いたのか話に耳を傾けているが……なぜ話してるうちに、2人の顔が何とも言えないものに変わっていくのか。

 

「……随分とまた殺意が高めじゃのう」

「対人よね? グリズリーとかアムールタイガーとかを狩るんじゃないわよね?」

 

 ……カザマツリは鏡見ような。まあ言われても仕方が無い注文をしているとは思うが、相手が猛獣よりヤベぇのだからな。これでも随分大人しい方だ。

 

「12番ゲージくらいの水銀弾頭とかじゃないだけマシだと……いや、そういう手段もありか」

「作る方と使う方が面倒だからやめとけ。思ったような効果も出んしなアレ。……まあ、ともかく注文は分かった。3、いや2ヶ月待てるか?」

「それで良い。早く仕上げるよりも、確実に作動するように頼む」

「ふん、確実に仕留められるように、か」

「確実に当てたから仕留められるとは限らないんだがな。それでも、やれることは全部やっておく」

 

 札は多ければ多いほど良い……とまで言わないが、戦術の幅は広げておくべきだ。ヤツに対しては思いつく物全部ぶつけるくらいでなきゃならん。それでも仕留めきれると言い切れないところが、厄介なんだよ。

 

「前金はいつもの口座で問題ないな?」

「ああ。……だが武器だけ増やしても、相手の能力が分かっとらんと決め手に欠けるんじゃねえか?」

 

 老婆心か、親父さんがそんなことを言った。全くもってその通りだ。ただ闇雲に得物を増やすだけのつもりはない。

 

「ま、そのあたりの当てもないじゃない。ちと横紙破りかも知れんがね」

「なに悪巧みしてるんだかこのスタイリッシュヤクザ」

 

 にやりと嗤う俺を見て、カザマツリが毒づいた。

 まあ悪巧みの一つや二つせにゃ、ヤツには届かんだろうよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど! そう言うことならドドンと話を聞かせて貰おうじゃないか!」

「……一応我々は敵対関係というか、ライバル的な間柄だと思うのだが、良いのかそれで?」

 

 高笑いのテンドウ女史。淡々とツッコミを入れるダイチ氏。そう、俺が訪れたのは、ネクスティス拠点である。ヤツとその後ろ盾について、意見を聞こうと考えたのだ。

 

「現場の判断さ。あんたらにも悪い話じゃないと思う。クランネクスティスとしてじゃなく、技術工房ネクストテクニクスとして、そしてそのスポンサー方にとっても、な」

「なるほど、そう来たか。……確かにこれまでのカテゴリーに当てはまらない強力なテック、興味をそそられる」

 

 ぎぬらんと眼鏡を光らせたテンドウ女史は乗り気だ。彼女らにとっても、ヤツは興味深い存在であり、いつかやり合うかも知れない敵性存在であろう。情報の交換、考察の話を持ちかければ乗ってくると思っていた。

 

「当方も丁度()()()()()()()()()()()。早速実戦、とまでは言わんが、どの程度通用するか見積もっておきたいな」

「博士、それは」

 

 ダイチ氏が咎めるように口を挟むが、テンドウ女史はにっと笑って返す。

 

「なに、いずれは日の目を見ることだ。それに実物を見て貰えば、購入意欲が湧くかもしれないだろう?」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




姉の武器、ブラ○ターナックルをごっつくした物と言えば、分かる人には分かると思う。
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