ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
しばらくの沈黙。
ややあって、ネクストテクニクス側の1人が口を開く。
「つまり遠隔操作型のテック、その一種だと君は言いたいのだな?」
テンドウ女史は頷いた。
「肯定しよう。正確には操作しているのではなく、独立していると言った方が良いのだが……いざというときに制作者自身が制御することも可能かも知れん。そういう意味では大まかに合っている」
また画面が変わった。今度は箇条書きにされた文面だ。
「色々可能性は感じられるが、現段階では機能に制限があると推測される。まず使用範囲。この装置は
このあたりは俺たちも見解を同じくしている。伝手を使って調べてみたが、封印都市以外で転送装置が使われた形跡はない。そうでなくとも自由度が高いのであれば封印都市と外部をつなぐ『抜け道』として利用されるだろう。そう言った形跡がないと言うことは、まだそのような使い方ができないと言うことだ。
「この装置、運用するためには結構なテック波動を必要とするようだ。それこそダンジョンやその周辺のような高密度かつ継続的に発せられるような箇所でしか使えん」
「高位テック使いなどでまかなうことはできないのかね?」
ゲストの質問に、テンドウ女史は答える。
「出力はともかく、継続性が足らん。推定された必要量から考えると、下手に人でまかなおうとすれば、干上がるではすまないだろうな」
つまり、運用は限定的な物になる。
「だが、最初期の物と比べ機能は向上している。将来的にはダンジョンから離れた場所でも運用が可能となるやも知れん。その前に、制作者を突き止め開発を止めねばならんと、私は具申する」
当然の判断だろう。多分ネクストテクニクスのスポンサーが想定していた物とはちがうだろうが、テックが悪用されていることには違いない。同時に、この技術を入手、あるいは模倣することができれば、有力な手札になるとも考えるだろう。いずれにせよ、開発者の身柄を確保することは必須となる。
当然異世界対策機構も
「私はそれに全面的に賛成し、その上で、この場に集った組織は協力し合うべきだと考えます」
凜とした声で言ったのは、お嬢。いつものほんわかしたノリではない。時折見られるガンギマリモードだ。
彼女が放つ圧に、画面越しのゲスト陣も気圧されているように見えた。しかし1人が、意を決して口を開く。
「……立場的な物を色々考慮に入れなければならないというのは理解していると思うが……なぜそう考えたのか、理由を聞かせて貰おうか」
その問いにお嬢は答えた。
「今集まっている組織には、転送装置を運用している集団が勢力を増すと、
あくまで一時的に手を結ぶのだと、お嬢は念を押す。ネクストテクニクス側としては俺たちに対しても警戒心ありまくりだが、かと言って単独で事を収められるか、となると難しいだろう。テックジャマーを初めとする対テック技術という利点はあるが、彼らには封印都市内における活動の蓄積、実戦経験という物が圧倒的に不足している。現場責任者であるテンドウ女史やダイチ氏は、単独での解決という方針に難色を示すだろう。お嬢はそこまで計算に入れている。
「そうだな。私も協力すべきだと愚考する。
テンドウ女史はにやりと笑う。
「共に活動することによって、GSや異世界対策機構の手の内を探ることもできようさ」
それは言っちゃダメな事だと思う。いや、これは彼女なりの誠実さか。ある程度は腹の中をさらけ出しておくと。
ネクストテクニクスの後援者達は複雑な表情だ。ぶっちゃけたテンドウ女史の言葉もそうだが、俺たちと手を結ぶ利点と欠点を天秤にかけ、どう判断するのが最適か思案しているようだ。まあ当然ではある。
ややあって。
「……良かろう。色々と思う所はあるが……事態の解決のは協力し合うのが最善だと理解できる。我々はその話を受けよう」
「決まりましたな」
それまで口を挟まなかったショウジョウ氏が、にこやかに言う。多分この流れを予想してたんだろあの御仁。
「それでは詳しい話を詰めなければなりません。GS側もよろしいか?」
「無論。我々に異論は無い」
こっち側はあっさりすっきり話が進む。まあ当然だろう、
こうして、限定的な物とはいえ三組織の共闘関係は成った。つってもまたいつものごとく、なんやかんやとだらだら関係が続くような気がせんでもないが。
そうなると色々やらにゃならんことも増えてくる。組織間の契約やなんやは代表や狸親父に任せておけば良いが、現場のあれこれは俺たちの仕事だ。しばらくは忙しくなる。
まず最初に、ネクスティスとのすり合わせからだな。
まあ普通に手を結ぶことを考えるよね。