ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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「ぶっちゃけると、転送装置に対する対策はある」

 

 現場の人間を集めた会議で、テンドウ女史がいきなりぶちかました。

 うんまあそんなことになるんじゃないかなあ、とは思っていた。ついでに()()()()()()()()()()()

 

「一応聞いておくけど、どんな対策かしら?」

 

 なんか諦めたような悟ったような表情で、代表が訪ねた。彼女も大体予想しているらしい。

 テンドウ女史は得たりとばかりのドヤ顔で告げる。

 

「かの転送装置がテックの産物であり、テックの疑似再現をしているというのであれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということだろう?」

 

 まあそうなる。構造はともかく、やってることはテック使いの脳味噌がテックを発動させるメカニズムと近しい。であればテックジャマーで発動を阻害できるのも道理。……なんだけど、問題もあるんだよなあ。

 

「もちろん懸念はある。まずジャマーは装置側でしか効果が無く、()()()()使()()()()()()()()()()。テックの発動を妨害するのだから当然だが、そも転送先の特定も難しい。先ず転送装置の場所を割り出し、そこでジャマーを使用する必要がある。加えて、うちの人員以外がいるときには使いにくい。テック使いは無力化することになるからな」

 

 ちゃんと理解しているようだ。要するに転送装置に対しテックジャマーを有効に使うためには、ネクスティスだけで装置の所までたどり着き、ジャマーを発動させなければならない。まあ彼ら自身がテックジャマー着込んで活動しているような物だから、通常のテック使い相手なら問題は無いのだが。

 

「我々が、カントウ・メガクラスのテック使いを相手にどこまで通じるか、そこも不安点だろう。何しろ彼女を従えている組織が相手だ。しかも転送装置を作った手合いのような者もいる。一筋縄ではいくまい」

 

 テンドウ女史の言葉に、お嬢が頷く。

 

「ええ。恐らく敵の幹部級は3人以上。私に()()()()()テックのジャミングを仕掛けてきた人、多数の人たちの意識を奪い操った人、そして転送装置を作った人。そして多分、それらを束ねる人、リーダー格の人がいます。カントウ・メガという人間を従えるだけの何かを持った人が」

 

 会議室の温度が、下がったような気がした。

 表情は変わらないが、一筋汗を流してテンドウ女史が言う。

 

「それは何とも、ぞっとしない話だな。カントウ・メガの戦闘力はざっと見積もっただけでも1.5隊長氏。その彼女を従える人物がどれほどのものか」

 

 なにその単位。人を戦闘力の指標にしないでくれる? あとあいつ(カントウ)は1.5俺どころじゃないと思う。

 なんて言ったところで聞いてくれるはずもないから放っておくとして、実際あの生き物(カントウ・メガ)が素直に従った存在があるのは確かだ。テック使いかどうか以前に、ちゃんとした人間かどうかも怪しい。どすげえバケモンだったとしても驚かんぞ俺は。

 

「……最低でもテックジャマーの影響下で、問題なく活動できる人員を見繕っておいた方が良さそうですね」

 

 顎に手を当ててお嬢が考え込んでいる。そして不意に代表の方を向いて問いかけた。

 

「代表さん、ネクスティスに加え、エリーターズと通常部隊を中心に対策のチームを構成しようと思うのですけれど、どう思います?」

 

 代表は諦めと悟りを組み合わせたような表情のままだ。どうやらこれも予想していたらしい。

 

「そうなるわよねえ。ってかどっかの誰かさんがこうなるようなこと予想してたわよねえ。想定とはちょっとちがうけど」

 

 ちらりとこっちを見てからため息。俺たちがテックが使えなくなる状況というのを前から想定して対策を練っていたのはご存じの通り。まさかこんなことになるとは俺も思っていなかったが、用意しておいて良かったという所か。

 

「それで、どれ位の人間が使えそう?」

 

 代表の問いに俺は応える。

 

「テック不使用の状態で戦うだけなら、エリーターズは全員いけます。通常隊員は選抜して3個小隊は使い物になるかと。ただそれは、上位テック使いまでの相手を想定した場合ですが」

 

 自分でも、口が不満げに歪むのが分かる。

 

「カントウ・メガクラスを相手にした場合、時間稼ぎもできるかどうか怪しいかと」

 

 忸怩たる事実だ。スペシャルズなら互角以上に渡り合えるだろうが、テックジャマーの影響下では流石に能力が落ちる。真正面から鉄火場に放り込むよりは、いざというときに()()()()()()()()()()()()要員にしておいた方が良かろう。本人達は不満だろうが。いざというときは空気読まずに乱入してくる可能性が高いが。

 ともかくあのメスゼットンは、テックジャマーの影響下だったとしてもまともに相手をするモンじゃない。足止めは俺とかがやって、対策チームはヤツとの戦闘を徹底的に避ける方針が良いと思う。そう進言してみた。

 

「いや流石にジャマーの影響下なら弱体化する……のではなかろうか一応」

「だったら良いとワタシも心底思うんだけどね。うちの隊長(コレ)が警戒しまくってるから、何かあると思っておいた方が良いわ」

「むしろジャマーの影響下でも平気でテックを使ってくるくらいに考えておいた方が良いんじゃないでしょうか」

「……もしかして我々もこんな風に思われてたのだろうか」

 

 ……色々警戒していたよりは大人しかったが、ある意味予想外の物出してきたぞ可変バイクとかパイルバンカーとか。こう言う前例があるから、用心するに越したことはないんだよ。

 そう思っていたら、黙っていたダイチ氏が、ふむと頷き口を開いた。

 

「いずれにせよ、各々の実力を正確に把握する必要があると思います。この間のレースである程度の手札は見せましたが、実力に関しては、まだ見せられていないところも多い」

 

 そこで彼は、薄く笑みを浮かべた。

 

「お互い、身の程は知っておいた方がよろしいのでは?」

 

 何を言いたいのかはよく分かった。

 良いじゃないか。俺もあんたら相手にどこまでできるか、確かめたいと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




また主人公陣営が石橋を叩こうとしておられる。
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