ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~ 作:捻れ骨子
【キズク side】
忙しなく瓦礫の合間を動き回りながら、メットの下でキズクは顔をしかめる。
「テックを使っている状態と、さほど変わらんとは」
相対しているエリーターズ隊長。わずか10メートルもない距離で銃撃戦を行っている相手は、パワーアシスト機能を持つ装甲スーツを纏った
対テック使い戦闘のエキスパート。自身がテックを使えない状態をも想定し、訓練を重ねていると聞いていたが、想定よりも練度が高い。
「加えて
一瞬前に自分の後方に着弾した弾痕を横目で見るキズク。GSの標準装備、サングラス状のデバイスと連動した、銃器に取り付けるタイプの照準補正センサーユニット。索敵だけでなく弾道の測定、命中位置の表示など、射撃の補助をする装備だが……隊長は
その上で、自分の
距離がさほど離れておらず、そして彼の持つ銃インフィニティは元々
相手の動きを正確に予測し、なおかつ自身も細かく動き回りながら、ほんの短い時間に正確に構え射撃を行う。それこそ特殊部隊じみた技量だ。いや、実際特殊部隊か。しかも海千山千のテック使いを相手取る強者。修羅場を潜った経験は伊達ではないと言うことだ。
「ジャマーの効果範囲がもっと広ければな。……いや、言っても詮無いことか」
スーツと共にテックジャマーは改良され、現状ではスーツ単体で半径10メートルほどの範囲をカバーできるようになった。が、それが徒となり距離を取れない。いやテックを封じ自身の得手である近接戦闘に持ち込むという意味では正解なのだが、
勝つためにはどうすれば……そう考えて、ふと気づく。
「いや、
「であれば、思い切るか」
真正面から懐に潜ろうとすれば良い的だ。ならば一つ度肝を抜かねばなるまい。幸いにして手札はある。
キズクは思考を巡らし、打つ手を考えた。
【隊長 side】
ダイチ氏の動きが変わったと感じる。俺とある程度の距離を保とうとする動きから、
「気のせいじゃ、ないだろうな」
恐らくは
だがどうする? 素直に真正面から突っ込んで来るとは思えない。動きを変えたことを察知した俺が、接近を試みようとすることを読んでいる可能性もある。いっそそれに乗ってみるか……とか考えてたら。
がしゅん、と何かの音がした。ダイチ氏がもぞもぞやってたあたりだ。そこから飛び出したのは。
「アンカー、か?」
蹴爪のような形状をしたアンカーらしき物が、極細のワイヤーを轢いて飛ぶ。
それは近場の崩れかけた建物の一角に突き刺さって――
「ってそうくるか!」
アンカーの刺さった場所が引っ張られてはがれ落ち、大きめの瓦礫となって
舌打ちしながら駆け出せば。
「そうすると思った!」
瓦礫の間から飛び出したダイチ氏が、銃を撃ちつつ瓦礫を足場に宙を駆ける。そして戻ってきたアンカーのワイヤーを――
「のおっとぉ!」
降ってくる瓦礫に次いで投げつけられたアンカーを躱すために体勢を崩す。何とか銃撃とアンカーを回避した俺の元へと降ってくるダイチ氏の左腕から、じゃきりとブレードが飛び出した。
瞬時に後ろ腰の脇差しトンファーを逆手で引き抜いて、ブレードの斬撃を受け流す。ほぼ同時に極至近距離で突きつけられようとする銃を、自身の銃で弾く。次いで放たれた蹴りを絡めるように蹴り返し距離を取ろうとする。
そうはさせじと受け流された腕を振る払うように再び放たれた斬撃を退いて躱しながら銃を向け直そうとすれば、先ほどのお返しとばかりに銃を絡めてきて逸らされる。それから逃れるように反転しつつ身を沈めながら回し蹴りを喰らわせようとするが、小さく跳んで回避された。
勢いを殺さず軸足を変えて回転しつつ脇差しトンファーで切り払うと逆にブレードで受け止められここぞとばかりに銃が撃ち込まれるのを無理矢理仰け反って避けようとしながら銃を向ければ蹴りつけられて逸らされたところに返す足で踵落としを繰り出してきたので後ろに転がりつつ蹴り上げて相殺し反動と腹筋を利用してバネのように起き上がってトンファーを持ち替え殴りかかれば今度は銃で受け止められ空いた脇腹に叩き込まれようとするブレードに銃弾を叩き込み弾き飛ばして腕を絡めなげに持ち込もうとするが膝蹴りで阻止され逆に腕を取られそうになってそれをトンファーで斬りつけ振り払う!
絶え間ない攻防。ここまでみっちりやり合う事なんざ滅多にない。
良いねえ。
ついにガンカタ始めやがったぞこいつら。