ランペイジ・バレット ~ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話~   作:捻れ骨子

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「実は……隊長さんに頼みたいことがありまして……」

 

 店の応接室に通された俺は、なんか落ち着かない様子のキネコさんにそんなことを言われていた。いきなり連絡を入れてきたのは驚いたが、弾薬や消耗品の発注があったので、そのついでに寄らせて貰った。

 さて、呼び出されるのも初めてだが、頼み事というのも予想外。一体何をお願いされるやら。

 

「キネコさんには世話になってるから、話を聞くのはやぶさかじゃあないが……一体何だい?」

 

 そう問うてみたら、キネコさんはがばっと頭を下げてこう言った。

 

「……お願いします! 2、3日ほど()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

 ……………………………。

 はい?

 

 思考も身体もフリーズした俺に対し、頭を上げたキネコさんは、必至の形相で訴えた。

 

「ウチもいきなり無茶言うとるんは百も万も承知です! せやけど、他に頼める人もおらんのですよ!」

 

 必死すぎて怖いんだが!? 何があったの一体。

 

「……あ~、どういう理由か、聞いても?」

 

 戸惑いつつもとりあえず聞いてみたら、キネコさんはテンションを落として、沈痛な表情で応える。

 

「…………兄が、来よるんです」

「あに。…………キネコさんの、でいいんだよな?」

「ええ。近日中に封印都市にむかう、と」

「そのお兄さんと彼氏とが繋がらんのだが?」

 

 俺の言葉に、キネコさんは益々雰囲気を暗くする。

 

「実は……ちょお兄と電話で話してたときに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※絶叫した後、しばらくして会話中。

 

『どないや、彼氏の1ダースくらいはできたか? いやオマエの事やから、仕事にかまけすぎてそれどころとちゃうわなあ。いかんでぇ、いかず後家とかになったらお兄ちゃん哀しいわぁ』

『なにぬかしとんねん。彼氏の一人や二人おるに決まってるやろ。ウチこれでも美人店長で通ってんねんで』

『ほうか。せやったらさっきも言ったとおり近々封印都市に行く用事があるさけ、紹介して貰おか。ええ男期待しとるで』

『おう、任しとき』

 

 

 

 

 

 

『…………………………やってもた~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ってな事でしてな」

「見栄張っただけかい」

 

 しょ~もないオチだったよ。変なところで変な見栄張るなあこの人。

 

「そんなもん、ごめんなさい嘘でしたですむじゃねえか」

「そないなことしたら、一生どころか末代まで弄りまくられるに決まってます。下手したら親にまで話いって、見合い話とかにかこつけて家族中から弄られまくりの集中砲火受ける事になりますやん」

 

 わりと酷い家族関係だなオイ。

 

「俺の他にも、客や取引相手とか居るだろうに」

「兄に対抗できそうなキャラの強さで、わりかし性格がまともな独身男性が隊長さんしかおらんのです。……ウチかて出来れば穏やかに見えつつも肝の据わった年下の美少年とかの方が良かった……っ!」

 

 心底悔しそうに言うキネコさん。あ、そういう趣味だったのか。「ヒロコちゃんが男の子やったら良かったのに……っ!」とかいってるところを見ると、ガチでそういう方向性らしい。

 と、我を取り戻したキネコさんは、縋るような目で俺に訴える。

 

「もちろん、ただとは言いません。隊長さんが個人で購入する弾薬を、3ヶ月無料でどうですやろ」

「結構な大盤振る舞いだな」

 

 頭の中で算盤を弾く。俺は仕事の他にも趣味でシューティングやタクティカルトレーニングを行っている。当然弾丸の消費量もそれなりの物だ。元々給料が良いので生活に影響が出るほどの物でもないが、相当の金額が飛ぶ。3ヶ月分がタダになるというのは……うん、ほどほどの報酬と言ったところか。悪くはない。

 

「……良いだろう。キネコさんには世話になっていることだしな。ただし俺は女性の扱いが得意じゃない。それで構わないのであれば」

「契約成立、ですな」

 

 にやりと悪党の笑みを浮かべるキネコさん。俺たちは、がっしりと握手を交わした。

 この時、俺は軽く考えていた。2,3日程度なら、そんな大したことにはなるまいと。

 もちろんこの後、ちょっと後悔することになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【another side】

 

 

「流石にチェック厳しいなあ。世界最大級っちゅうんは伊達やないってことか」

 

 封印都市と外部をつなぐゲートの一つ。そこから一人の男がこの街に足を踏み入れた。

 男は伴ってきた人物――顔に傷痕がいくつもある、いかつい男性に向かって、語りかける。

 

「まずはホテルのチェックインやな。その後、早速妹の店に行く。しっかりと護衛を頼むで」

「銭もろうてますから、その分は頑張らせて貰いますけど。あまり期待せんといてくださいよ?」

「何言ってんねん。享楽都市とは違うテック使いがゴロゴロいるらしいやないか。オラわくわくすっぞって心境ちゃうの」

「別にワシ、俺より強いヤツに会いたいタイプやないんですがね?」

 

 からからと笑う男と、多少呆れた様子で受け答えする男。二人は安全地帯にあるホテルへと向かって歩いて行く。

 かくして、お兄ちゃんは封印都市に降りたった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




関西弁は適当だ!
考えるんじゃない感じるんだ雰囲気的に。
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